ドラマ「きのう何食べた?」が私にとって気持ち悪かった理由、そして映画「エゴイスト」について・・・その1

「きのう何食べた?」、ネトフリで観ようしたのですが、私は気持ちが悪くて見続けることができませんでした。ゲイでもこのドラマのファンはいるのですが。

なので、あまりそのことは言わないようにしてたのですが、その後、このドラマの出演者やプロデューサーのインタビューを読んで、私がそう思ったのも無理はないな、と思いました。

私が気持ち悪かったのは、まず、ドラマに流れる、ゲイ・・・というか男同士のカップルということが「面白い」という感覚です。「ゲイ=笑い」なんですね。なんというか、ゲイを見てはしゃいでいるというか・・・
主観と言われそうですけど、インタビューを読んで、そうとは言いきれない、と思うようになりました。

第101回ザテレビジョンドラマアカデミー賞主演男優賞 受賞インタビューで、内野聖陽さんは、以下のように言っています。

主演男優賞 受賞インタビュー 内野聖陽 | 第101回 - ザテレビジョンドラマアカデミー賞

>男女のカップルならベタになってしまうところも、男性同士だと笑って見ていられる。

なんで「男同士だと笑って見ていられる」の?

そして、もう一方で、意識的にコミカルにすることで「生々しく」ならない、という配慮?もあったようです。

最優秀作品賞 受賞インタビュー ドラマ24「きのう何食べた?」 | 第101回 - ザテレビジョンドラマアカデミー賞

松本拓プロデューサーは以下のように言っています。

>男性カップルのお話ですが、“おいしいご飯を食べている2人”というのが前提にあったので、重く感じることなく見ていただけたのではないかと思います。
あまりリアル過ぎると目を背けられる原因になるので、そのバランスは脚本からとても意識しました。

こういうことを、内輪の飲み会ではなく、受賞インタビューで言えてしまうセンス。視聴者には男性同性愛者もいると、思ったら言えないと思う。

3番目は出演者の演技です。
内野聖陽さんは、ドラマのクランクアップ後に「男に戻ります」と言ったと伝えられていますが、内野さんに限らず、共演者である山本耕史さんのインタビューからは、このドラマの制作現場では同性愛者を演じる際に、男役、女役という考え方が演技プランが使われていたように思われます。

【山本耕史×磯村勇斗】「抱きしめられてキュンとしちゃいました」劇場版『きのう何食べた?』インタビュー(2/4) - Medery.

>ただ僕としては特にスペシャル版のときに二人の関係性がより見えたというか。二人を中心に描く回があったので。そのとき「この二人ってめちゃくちゃ面白いな」と思って。それこそ現場では二人のどちらが女性役で、男性役なんだろう?という話もして。

>それが実は逆なんですよ。スペシャル版で航くんが料理を作って、小日向に作ったことを「迷惑だったの?」って言うシーンがあるんですけど。それに対して「そんなことあるわけないだろう」って返すとき、小日向が実は男性役というのをお芝居で見せてください、と言われて。

このインタビューから、制作現場では、男性同性愛者を描くにあたり、男役、女役という考え方で演技をするという考え方が共有されていたように、私には思われました。

そして、たとえ現場でそうだとしても、それをインタビューです言ってしまうことて、俳優、ドラマを制作する側の人々の頭の中に、現実の男性同性愛者の存在が全くないんだな、と思わされました。

そして、そんな時、映画「エゴイスト』の監督や主演者の鈴木さんのインタビューを読み、とても感動しました。
(続く)


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