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通りゃんせの意味

春日部つむぎ
「通りゃんせ…って不思議な歌だよね…」
小夜
「どしたの、つむぎちゃん。」
春日部つむぎ
「通りゃんせって言いながら、通せんぼしてるし…」
「今の世の中的には若干違和感あるよね。」
小夜
「でも、横断歩道を渡る時のメロディーとしては理にかなっているの。」
春日部つむぎ
「確かにあれほど、ぴったりなメロディーも思いつかないよね。」
小夜
「昔は目に見える形で夜は治安が悪かったんじゃないかな。」
「あれって、門番が門限で木戸を閉めて不審な人を通らせないようにしていたから出来た歌っぽいんだよね。」
春日部つむぎ
「神社仏閣は大事な所だから、荒らされちゃ困るもんね。」
小夜
「そういう事だね。でも、門限過ぎても、特別な願い事がある人は、ご用向きを確認してから通していたみたい。」
春日部つむぎ
「昔も今も子供の健康や安全を願う親心って変わらずあるもんだね。」
小夜
「そういうのは、昔の方がより切実だったと思うの。」
春日部つむぎ
「昔の方がどうしても寿命が短いもんね。」
小夜
「医学も進歩していなかったしね。」
春日部つむぎ
「神仏にすがりたくなる気持ちも分からなくはないよね。」
小夜
「でも、今の世の中の方がより近視眼的と言うか、ややもすれば盲目的だよね。」
「見かけの情報が溢れすぎるのも考え物だね。」
春日部つむぎ
「だからこそ、一つ一つの情報を丁寧に観ていく事が大事になるんだよね。」
「猶更。」
「今の時代、情報の洪水に押し流されそうになるけどね。」
小夜
「全てに目を通していたら間に合わない事も出てくるから、情報をかぎ分ける嗅覚って大切になってくる。」
春日部つむぎ
「いわゆる野生の勘ってやつ?」
小夜
「情報に飼いならされないようにする事も大切だね。」
春日部つむぎ
「私たちは、ついつい正解を追い求めようとするけど…」
「その場その場での最適解を追い求めながら、動き続けた方が良いって事か。」
小夜
「私も結構、楽する為に飼いならされちゃってるけどね。」
春日部つむぎ
「自分自身の中の違和感を大切にした方が良いって事ね。」
小夜
「それが私たちで言うところの野生の勘って事なのかも。」
春日部つむぎ
「ところでさ、通りゃんせの歌の事に戻るんだけどさ…」
「最後の方の歌詞って、いつの時間帯の事を言ってるのかな?」
小夜
「行きはよいよい、帰りは恐いってとこ?」
「察するに夕方ぐらいなんじゃないかな?」
春日部つむぎ
「そっか、昔は天気が悪いと夜は外暗いし、灯りになるものも、そうそう手に入らない人も多いからね。」
小夜
「だから、夜になると暗くて怖いから、それでも良いなら通ってくださいって事なんだよね。」
春日部つむぎ
「ありがと、小夜ちゃん、今日も勉強になったよ。」
小夜
「えへん。」
「伊達に生まれ変わって前世の記憶を引き継いでるわけじゃないからね。」
春日部つむぎ
「そういうところだけは、子供っぽいんだよね。」
「じゃあね…」


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