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怪説~モノノケガタリ~第5話

沙彦
「今回の怪異は貧乏神と福の神に纏わるものか…
  それとて…
   人も…
    物の怪も…
     寄り付かぬとあっては…
      文献や伝承から辿っていくしかあるまいな…」
響子
「私も伝手がありますので…
  目星を付ける手伝いは出来ると思います。」
沙彦
「当たるも八卦当たらぬも八卦とは申せ…
  八卦の凹面鏡には何も映ってはいない…
   となると凸面鏡と併せて映し出すしかないんだろうな…」
惟嶺
「八卦鏡…
  あまり日本では馴染みのない様なものみたいですが…」
沙彦
「そうでもないぞ…
  ただ最近…
   中国嫌いの連中が…
    こうした品を処分して回っていると言う噂も…
     ちらほらと耳に届くが…」
響子
「もしかして…
  その八卦鏡絡みかもしれませんね…」
沙彦
「灯台下暗しか…
  鍵の方は見繕えた感じだが…
   今回は…
    対になる扉を探さなければいけないのか…
     光陰が映りこまないとなると…
      これは骨折りだぞ…」
惟嶺
「ところで…
  何で八卦鏡なんですか…」
響子
「沙彦さんは…
  東洋占星術師でもあるんですよ…」
沙彦
「別に東洋とか西洋とかじゃ括っていないよ…
  ただ…
   家系的に東洋の知識から学び始めたと言うだけで…
    深奥に行けば行くほど…
     そんな拘った視点で見ていると見落とすものが多くなるんだ…」
響子
「これ…
  西洋占星術でのホロスコープでも代用出来ますよね…」
沙彦
「言われて見ればそうだな…
  東洋での十二支が…
   西洋では12星座に置き換わっているだけだ…」
惟嶺
「俺好きですよ…
  星占い…」
沙彦
「じゃあ…
  今度… 
   十二支占いもやってみるかなあ…」
惟嶺
「何ですか…
  その二番煎じな思い付きは…」
沙彦
「でも…
  意外な突破口かもしれないぞ…
   少しばかり細かく区切って…
    情報の解像度を上げると言うのは一つの手だな…」

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