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舟編みの人~第15話~

与那嶺
「方言って…
 ある程度…
 地域が近いと似たような表現がある所…
 多いですね。」
朝倉
「かと思えば、本当に狭い地域でしか通じない様な言葉もある。」
与那嶺
「ちょっと小耳に挟んで聞いた噂によると、
 この頃、
 人口の減少に伴って消えていく方言や言葉もあるみたいですね。」
朝倉
「致し方無いとは言え…
 遣う人あっての方言や言葉だからな…
 言葉をやり取りする人が減れば…
 忘れ去られる言葉なんてのはどうしても出てくる。」
「そう言えば、与那嶺は方言や郷土史分野が得意分野だったよな…」
与那嶺
「食べ物とか行事・風習と関連深いものは…
 方言として残っている事が多いですからね。」
「最近…岐阜に所縁のある方が書いた
 岐阜弁についての考察論文を見かけたのですけど…
 岐阜県独自と言うよりは、
 隣接地域の方言が混ざり合っているので、
 結構面白いなと思いました。
 それでも最近は…
 遣われなくなってきている方言も増えてきているみたいで…」
朝倉
「愛知県とくに名古屋へ出稼ぎ・働きに来る人も多いせいか…
 名古屋弁に影響された言葉も結構多いだろ…」
与那嶺
「そうですね。
 そればかりなら岐阜弁と言う感じで言ってしまうのも…
 違和感があるのですけど…
 どうもそればかりではないみたいで…
 関西や長野あたりの言葉も混じっている感じですね。」
「あと…
 少ないながらも飛騨地域独自の方言もあるようです。」
朝倉
「共通語からみると誤用に見える表現も方言としてあるよな…
 二つの動作の言葉とか隣り合った意味の言葉が混ざり合ったり…
 深掘りしてみると…興味深い表現があるなあ…」
「また、共通語とは違った意味で遣われている方言もあるな…
 不用意に方言を出すと喧嘩になるのは…
 そもそも話す相手との意味の取り違いもあるのだな…」
与那嶺
「面白い反面、この地域で方言遣うのを躊躇いますね…」

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