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FF16感想(ネタバレ有)

FF14の零式をはじめとしたイベントやリアル事情と被ってしまい、
なかなかプレイする時間を確保できなかったのですが、
先日ようやくクリアしました。
拙い文章ですが感想をチラシの裏に。
※本記事はFF16のネタバレを含みます。

■シナリオ

近年のFFシリーズの文脈を考えると、16のシナリオは最も評価すべき点かと思います。
具体的には、「誰もが状況を容易に理解でき、入り込みやすいシナリオにした」という点を最も評価しています。

近年のFF(いつからを近年とするかは個人に寄りますが)も、戦闘、キャラ、システム、グラフィックは個人的には素晴らしく良ゲーだと思います。
一方、シナリオについては少し癖があり、「何のために戦ってたんだっけ?」というプレイヤーが置いてけぼりな状況になりがちだったかと思います。
そのようなシナリオの方向性が、一定層のネガティブな評価に繋がってしまった印象は否めません。

今作は「人が人として生きられる場所を作る、そのためにマザークリスタルを破壊する」という目的が明確で理解しやすいストーリーとなっています。(パート毎に発生するヴィヴィアン先生の講義や、アクティブタイムロアという良システムも、それをアシストしていると思います。)
元々FFのシナリオは、今回のように目的が明確であり、その達成に向けて進んでいく、というシナリオが評価されてきたと思っています。
そのため、今回シナリオの路線が軌道修正されたことは、個人的には歓迎すべき点です。

目的がはっきりしていたため、賛否両論(主にクライヴ・ジョシュアの生死)のエンディングも個人的には納得がいくものでした。
「クライヴが望む、人が人として生きられる場所」を実現した最後の家族のシーンで〆る、というのはこれ以上ない結末かと思います。
(ちなみに二人の生死については、個人的にはクライヴが生存して、ジョシュアの名前で「ファイナルファンタジー」を記した説が一番しっくりきます。)

また、それまでに至るストーリーも吉Pの「ジェットコースターのような展開」という言葉に偽り無しだったかと思います。
リアルで「ええっ!?」と驚きの言葉が出てしまう展開が多々あり、退屈せずに最後までプレイできるものでした。
特にクライヴとジョシュア(&ジル、トルガル)の再開シーン、そしてそこに至るまでのバハムート戦はFFシリーズ屈指の名シーンだと思います。

強いて言えば、キャラクターの心理描写はもう少し掘り下げても良かったかも。
その最もたる例として、マザークリスタルを破壊することについては、目先のことを考えると明らかな弊害があるわけです。(魔法が使えなくなり、仕事を失うという一般住民の会話があったかと思います。)
そのため、この点についてクライヴ始めメインキャラクターの葛藤や、掘り下げるサブクエがあっても良かったかなと。
細かく心理描写を描きすぎると冗長化するので読み取ってくれ、というのがライターの言い分だと思いますので、バランスを保つのは難しい所ですが。

■戦闘

FFの戦闘は近年ずっとクオリティが高いため心配はしていませんでしたが、期待以上に爽快感のあるアクションRPGになっていたかと思います。
召喚獣とスキルの組み合わせで戦闘スタイルが自由に変えられるシステムもシンプルながら良いシステムだと思います。
バランスについては、一部ぶっ壊れ性能のフィート・スキルはあるものの、許容範囲かなと。ラムウのフィートだけ使いどころ難しいですが。
また、いくら戦闘が面白くても敵が硬すぎて時間が長くなりすぎると苦痛になってしまうものですが、こちらも丁度良い塩梅だったのではと思います。
なお、自分はストーリーフォーカスモードをプレイしていませんが、某Vtuberの配信を見る限りかなり親切設計のようです。
アクションが苦手な人も安心してプレイできるのではないでしょうか。

強いて言えば、自分はFF7RのようにPTメンバーも操作できるシステムの方が好みですので、ジルやジョシュアも動かしたかったなと。
ただ、召喚獣を吸収して戦うスタイルという設定上、クライヴのみがプレイアブルとなるのは仕方ないというのは理解できます。(召喚獣チェンジがFF7Rのキャラクターチェンジみたいなものだし)
DLCでいいのでジルやジョシュアを操作できるストーリーをリリースしてくれたら嬉しいのですが、スクエニさんいかがでしょうか。

■グラフィック

言うまでもないでしょう。特に召喚獣バトルのグラフィックは圧巻だと思います。
旧FF14の失敗を知っているスタッフの作品であることもあり、「グラフィックが主役!」という印象のゲームでは決してありません。
それでも美しいフィールド・街の風景やおどろおどろしいモンスターの描写がうまくストーリーと調和していたと思います。

■BGM

祖堅さんは今後FFのコンポーザーとして、植松さんに変わるアイコン的存在になっていくのだと思います。
全てのBGMが、物語を彩る素晴らしいBGMでした。
Find the Flameが一番好きなのですが、個人的にはFF1のメインテーマ(フィールド曲)のフレーズが入っているBGMも胸熱でした。
相変わらず激務のようですが、末永く健康でいてもらいたいものです。

■キャラ

ミドの可愛さは異常、とだけ言いたいところですが隠れ家のメンバーは全員キャラが立っていて好きです。
クライヴに関しては見た目含め歴代主人公で1,2を争うカッコよさではないでしょうか。
僕は内面的にヘタレ部分が強い方が推せるのでクラウドが歴代主人公で一番好きなのですが、クライヴは別の理由で魅力的に感じました。
背負っているものが大きすぎて無意識のうちに偉大さを感じていたからかも。

敵キャラだとバルナバス、アナベラが印象に残りました。

バルナバスは強キャラ感に溢れているのですが、自我を否定しているのに、本人は自我丸出しで矛盾に満ち溢れている人間味が凄く好きですね。

アナベラは行動に深い背景があるのかなと考えながらプレイしていましたが、結局ただのサイコBBAだったのは笑いました。(本人が言うように、彼女なりに周りからのプレッシャーや劣等感がかなりあったのでしょうけど)
ただ、悪役としては最高の位置づけだったかと思います。
(ただ、あんな母親でもクライヴやジョシュアにとっては最後まで「母上」であったことは残酷さを感じます。現実でもあり得ることですからね。)

■快適さ(UI等)

不便に感じた点はあまり無かったです。
強いていえば隠れ家は道が立体的で少し移動が面倒なので、各所にエーテライト的なものが欲しいと思ったことが多々、、、(FF14脳)

アクティブタイムロアは画期的で、全RPGに導入してほしいシステムですね。
ただ、サブクエでは機能しないのが残念でした。
続き物のサブクエだと時間が空きがちで誰が誰だか解らなくなるので、むしろサブクエで使いたかった感はあります。
(というかRPGというより海外ドラマを見る際にこのシステムが欲しいのですが、、、頭ニワトリだとこいつ誰だっけ?が多すぎる、、、)

■その他

・ウェイドの相棒であるタイラーが人物相関図で死亡扱いになっていないのが最後まで気になっていたんだけど、何もないんかい、ってなった。ただの行方不明?
・名前だけ出てきて一切登場しない可哀想なリヴァイアサンはDLCか何かで語られるのか。今後の展開に期待。
・ロウェナ商会、エッダ、召喚獣・敵の技名、その他戦闘時のAOE要素など、FF14プレイヤー向けのファンサービスは予想以上に多かった。
・予約特典のFF1の装備(ブレイブハート)、強いけどデザインが世界観に全然合ってなくて早く装備交換したくて泣いた。(ファミコン時代当時のデザインだから仕方ないけど。)

■まとめ

単純な好みの問題や細かい不満点もあるものの、総評して、良作であることは間違いない、という印象です。
何よりもシナリオの項目に記載したとおり、FFのシナリオはこういう路線の方が個人的には共感できます。
だからこそ売上という目に見える結果は出てほしいですし、今後伸びてほしいと思います。
様々な事情により今はプラットフォームがPS5に限定されてしまっていますが、現在はハードの供給も落ち着いてきています。
また、近年のスクエニ作品の傾向を見る限り遅かれ早かれPC版(Steam版)は必ず発売されると思います。
そのため、より多くの人にプレイしてもらえると嬉しいなあとFF信者の自分は願うばかりです。

長くなりましたが、チラシの裏終わり。


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