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羽化したちょうちょのような藤井風。私はちょうちょが舞う庭でのんびり待つよ。(「花」MV感想)

 「花」MVは、こちらの気持ちを熟成させないと受け止められない作品だと思った。同じタイプの作品では、樹木希林が「オフィーリア」を模した宝島社の広告が私の中では最高傑作。藤井風は棺桶に入るには若すぎて見るのがつらい。でも見てしまう。
 この不健全をどうにかしたいと思っていたところ、ある感想に出会った。 

『黒いスーツの藤井風はアゲハの幼虫のよう』

『さなぎからちょうちょになるように棺桶から起き上がる』

『ちょうちょになった藤井風は、自由に舞い踊る』

と、ある人がこんな感じのことを書いていた。

 その感想を読んでからMVを見るとあら不思議。ちょうちょの世界だ。藤井風は実年齢的に、ちょうちょでいえば羽化してはばたき始めたあたりになると思う。今はアサギマダラのようなすごい旅をしているのかもしれない。

 私は庭にちょうちょが舞う姿を見るのが大好き。アゲハが好む柑橘類、まだアサギマダラは訪れていないフジバカマ、ほかにも花が咲いていればいろんなちょうちょが寄ってくれる。
 これからも庭仕事でもしながら、ちょうちょも藤井風の作品ものんびり待つよ。「花」MV中の藤井風はちょうちょのように自由で軽やかで美しいよ。

 という気持ちに落ち着いた。

 擬人化ならぬ擬ちょうちょ化でのMV鑑賞はちょっと邪道かもしれないけれど、今はそれで良い。数十年後に鑑賞したときに、真っすぐな感想が出てくるような気がする。