5.果たすべき使命はあるか?

 GWにゴールデンカムイを見に半年ぶりに映画館に足を運んだ。山崎賢人が名優であることは疑いようないが日露戦争帰りの「不死身の杉本」のイメージとは結びつかなかった。原作の熱量、肉弾戦、狩猟を高い精度で再現できるはずがない、、、と思っていたが、それは誤りだった。
 まず冒頭と終幕にアイヌ語が使用される箇所は相当にメッセージ性を含む表現であった。また映画を見ながら、私も自分の使命とは何かということを考えた。
 
 この映画がもたらす若い世代への影響力も大きいと感じた。例えばアイヌの伝統的な食作法ひとつで彼らの有する精神性を描写している点も卓越していた。更に俳優が着用する衣装や、使用する小道具は一年かけて準備したものもあるというほどの手の込みようだそうだ。
 
 ちなみにカムイはアイヌ語で神の意味で、タイトルは「黄金伝説」とか「魔性の金塊」と意訳せる。ちなみに霊魂はカムイモシリとアイヌモシリを生死を通じて往来するとされる。世界中の先住民の多くが伝統とは何かとか、混血割合などに葛藤を抱いていると聞くが、立場により受け止め方が相違しがちな歴史よりも、料理や衣装、狩猟や祭祀など身近なものを学ぶのも有意義だ。(500文字)

 「天から役目なしに降ろされたものはひとつもない」(コミック見開きにも記されているアイヌのことわざ)。


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