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資源循環としての堆肥

農家が利用する肥料の役割としての堆肥づくり。しかし堆肥はもっと多くの社会的な役割があります。

最近取り組みが全国的に広がっている生ごみリサイクル堆肥化→家庭菜園、かつては家畜の糞尿を耕作地に循環する「耕畜連携」などが有名です。畜産農家はイナワラを敷料としてもらい、冬期間に水田に牛フン堆肥を撒布する仕組みです。

しかし畜産農家も家庭生ごみも処理に困った有機物を誰かに、何処かで処理する発想です。良質な生ごみや家畜フンを腐らせないで発酵管理した完熟堆肥づくりではなく、半分くらい熟成したものが使われています。

そのため家庭菜園でミミズが発生→モグラの発生→野ネズミによる野菜の食害、また未熟有機による土壌の腐敗化(病原菌が増えること)によって野菜の病虫害の発生することは有機農家でさえ理解されていません。

有機栽培始めて10年目に私はこのことに気がつき、土壌のもつ微生物の多様性や、免疫力を高めるための堆肥化を目指してきました。

処理に困った有機物を資源循環として堆肥化を進めることは社会的ニーズがあり、自給肥料の確保は大切です。
食糧自給率が37%ということは、海外から農作物、畜産物、フルーツ、花など輸入され、日本に有機物が溜まり、富栄養化した農地と近海が壊れて行きます。

伊勢湾が海の富栄養化によって赤潮、青潮が起こり、小女子、カキ、タコ、アワビの生産が殆ど消失しつつあります。
つまり漁業と農業と林業が、地域の生態を守っていくためには、産業基盤を再構築しなければならないのです。本来行政が指導して事業計画を進めなければならないのです。

話を有機農家に帰ると、有機農家が利用する未熟糞尿、ぼかし肥料、生ごみ堆肥などは地域の環境汚染につながっていることを自覚したいものです。

散布した養分を流さないために、私はかべ土を混合しているのですが、かべ土はCNBM分類のMにあたります。

写真のタマネギ苗は、2月1日定植で、培養土も自家製です。

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