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今さら爆ボンバーマン2を遊んだ話

第一章:『ハドソンのプレイヤーキラー』って何?


皆さんは『爆ボンバーマン2』をご存じだろうか?


「え、知らない…まずボンバーマンって何?」

「つーか章タイトルのハドソンって何?」

それはそう。という訳でWikiろう。

ボンバーマンシリーズ は、ハドソンのコンピュータゲームシリーズ。 1998年時点でシリーズ累計1000万本を達成。 株式会社ハドソンは2012年にコナミデジタルエンタテインメント に吸収合併され、以降KDEがシリーズの著作権を保有している。

Wikipedia日本語版『ボンバーマンシリーズ』より引用

簡単に言うと爆弾を置いたり蹴飛ばしたりデカくして投げつけたりリモート爆破したりすることで、仕掛けを解除したりエネミーを倒して進んでいくアクションゲームシリーズである。

ボムの爆発に巻き込まれると自分もダメージを受ける(何なら普通に死ぬ)ので、爆風の範囲とか爆発までの時間を考慮してボムを仕掛けていくパズルゲームのようなテクニカルさ一筋縄ではいかないピリ辛な難しさが味のシリーズなのだ。

書いてて思ったけど、病みつきになるラーメンだなこれ。


ボンバーマンは知らなくても『ボンバーガール』は知ってる人は多いかもしれない。
Twitterでバズったグリムアロエの参戦で有名になった感があるが、ボンバーマンシリーズの系譜となるアーケードゲームなのだ。

「どうしてそんなskbゲームになっちゃったんですかぁ?」


「まじめにやってきたからよ、ねっ」サイエンス


ちなみにグリム・アロエ自身は別のアーケードゲーム『クイズマジックアカデミー』出身である。
これだけははっきりと真実を伝えたかった。


さて、今回のタイトルにある『爆ボンバーマン2』と『ボンバーガール』がどう関係するか分からない方もいるだろう。
こちらを見ていただきたい。

かわいいけど、今回のお題は右の人じゃないです


こちらの左側の人相悪そうなマスコット。
名を『セイジャ』という。

彼は爆ボン2の真ラスボス『聖邪の天使』が元ネタではないかと言われているのだ。

「我 全テヲ 生ミ 消シ去ル 者ナリ」

何だよ宇宙の創造者って。
ふわっとしたゲームタイトルから女神転生みたいなキャラをお出しされると温度差で風邪を引いてしまうぞ。

そして、読んでくれている方の中にはこんな話を聞いたことのある方もいるかもしれない。


爆ボン2はN64最強のラスボスを輩出したゲームである」と……。


あまりのぐう畜な強さに付いた異名は『ハドソンのプレイヤーキラー』。

それ本当だろうか?
誰かが適当フカしてるんじゃないのか?

聞いた事を聞いたままで終わらせるのはあまりにもニワカな所業。やはりこの目で確かめなければ。

真相を突き止めるべく我々はブラックホールの奥地へ向かった……。


第二章:ブラックホールに消えたやつがいる


あらすじ

温泉惑星Ksa2に旅行途中だった『ボンバーマン』だったが、謎の男『ルキフェルス』率いるB.H.B団が作り出した人工ブラックホールに飲み込まれてしまう。

ルキフェルスの目的は全宇宙に散らばる8つのエレメンタルを集めること。そのために炎のエレメンタルを持つボンバーマンを捕らえたのだ。

謎の軟体生物ポミュの助けを受けて炎のエレメンタルを取り戻したボンバーマンは、ブラックホールから脱出するべくルキフェルスの配下『時空の七騎士』と激闘を繰り広げるのだった…。

温泉惑星U-finとかありそう


進め方

「トラクタービームに捕まってる」という方がニュアンスとしては近そう

プレイヤーは7つのステージを巡り、
道中のボス『時空の七騎士』を倒してエレメンタルを手に入れつつ、その先の部屋にあるブラックホール発生装置を破壊。
画像中央のラストステージ『巨大戦艦ノア』に乗り込む事になる。

(※実は後半の2ステージは行かなくても良いのだが、その場合は真ラスボスとは戦えないノーマルエンディングになってしまう)


遊んでて面白いと思ったところ

ストーリー進行で手に入るエレメンタルだがこちら、ボンバーマンが使えるボムのレパートリーに関わってくる

例えば、2面のボスを倒して『氷のエレメンタル』を手に入れるとアイスボムが使えるようになる……と言った具合だ。

単純にボムに色が付いただけという訳ではなく、

  • 爆風の持続時間が長い

  • 水やマグマに投下すると足場を作れる

と言った感じで、個性豊かなボムを敵や仕掛けに応じて使い分けるのが爆ボン2攻略の鍵であり醍醐味になっている。

また、メインウェポンとなるボムが強くなっていく楽しみ以外にも、

7つのステージに散らばる隠しアイテム『ガーディアンスーツ』を揃えると
リモコンボム・ボムグローブ・ボムキックといった道中で特殊アイテムを拾わないと使えない特殊コマンドを最初から使えるようになったり、

ショップに行くことでお金でライフの上限を増やせたりとアクションRPGの基本をカッチリ押さえた骨太な作りになっている。


遊んでて「ヤベえ……」と思ったところ

本ゲームを語る上でよく話題になる点として、
ボスがアホほど強い』というのがある。
特に強かったボスも含めてこのゲームよヤベーところについて紹介していこう。

紅蓮の炎 ベルフェル
最初のボスにして最強候補。このゲーム大丈夫?

⇒周囲全部柵なし(=落ちたら即死)の狭いステージをボンバーマンと同等以上のスピードで駆け回るので体当たりを食らいやすい上に、
足場の1/4を占める脅威的な範囲のMAP兵器を繰り出してくるため、ゲームを始めたばかりで操作の覚束ないプレイヤーは必死に逃げ惑うことになる。
ちなみに初期ライフは5である。

⇒予備動作こそあるものの基本的に全てのボスが即死攻撃を持っているので、うっかり被弾してゲームオーバーになってしまうと道中ゲットしたアイテムを全没収されてステージ最初に戻されることになる。

⇒これも全てのボス戦に言えることだが、ボス戦では遠隔爆破の『リモコンボム』が封印されるのも高難易度化に拍車をかけている。

●怒れる大地 モロク
⇒誇り高き武人系のおっさんなのだが、やってる事が大変にセコいため紹介。

足場である金網を揺らして頻繁にボンバーマンの気絶を狙ってくるのだが問題はそこから。
気絶したボンバーマンに駆け寄ってブンブン振り回して投げ飛ばしたと思えば、ダメージを受けて気絶継続中のボンバーマンをふたたび投げ飛ばして気絶させて……というまさかの投げハメループを噛ましてくる。

⇒壁に激突するころには無敵時間が切れてダメージを受けつつまた気絶してしまうので、プレイヤーは必死にレバガチャして復帰を狙うのだがレバガチャが間に合わない場合はお察しである

完全にコレ。まさに投げの鬼スプリーム。


●闇の吐息 ベルゼバル

⇒終盤に差し掛かり、ゲームに慣れてきたプレイヤーに差し向けられる恐怖の刺客。

⇒いつかのベルフェルと同じように足場の周囲全てに壁がないので落ちれば即死。
これはまだ良いとして、その上でベルゼバルは足場の1/4を占める追尾型ブラックホールを放ってくる。

⇒飲み込まれれば即死の超範囲攻撃にじりじりと追い詰められながらベルゼバルの高速移動&高速攻撃に食らいついていく必要があるので、足場端に追い詰められて落下死ブラックホールに呑み込まれて死普通に殴り殺され死瀕死時の高速突進即死攻撃が直撃して死がしょっちゅう頻発する。


●強制ウイニングラン

⇒こんなにも大変なボス戦だが、実は各ステージの中間地点という位置付けでしかなかったりする。

[スタート地点]→[道中A]→[ボス部屋]→[道中B]→[重力発生装置=ゴール地点]…といった具合。

そして驚くなかれ。なんとステージに入った後での途中セーブスタート地点に引き返して出直しセーブなどと言った概念は存在しない。

⇒つまりどういう事かというと、
ボスを倒してエレメンタルを手に入れたからといってステージから一旦抜けてしまったらもう一度やり直しという事である。

一度ステージに突入したが最後、攻略完了まで立ち止まることも引き返すことも許されない耐久戦を強いられる。往年のレトロゲームらしさを残す難易度の高さだ。


第三章:「宇宙の平和のため、命をかけて戦え!!」


この章タイトルの台詞、公式攻略本における真ラスボス攻略法の記述である…らしい。どうしてそこで諦めるんだよそこで!
(※「どうして伝聞形なの?」と言われれば「攻略本を持ってないから」としか答えられない。ソースを提示できない投稿者ですまない…)


ボンバーマンらしからぬ壮大なストーリー

7つのエレメンタルを集めたプレイヤーが最後に向かうのはラストステージ『巨大戦艦ノア』。

過酷な道中を抜け、女神ミハールが憑依して立ちはだかる中ボス・リリーも魔神サートゥスに操られたルキフェルスも打ち倒し、

遂に現れた黒幕・魔神サートゥスを撃破したボンバーマンの前に現れた最大最後の存在。
女神ミハールと魔神サートゥスが融合し本来の姿となったのが当ゲームの真ラスボス『聖邪の天使』だ。

何故、彼がプレイヤーキラーと呼ばれるのか

宇宙の創造者だけありその攻撃パターンは豊富。

プレイヤーを追尾して振りまく火炎放射、
極悪までの速度で飛来する3wayレーザービーム、
唐突にブチかまされる突進攻撃、
四方への飛び散りを繰り返す回避が困難な雷撃、
カーブを描き飛んでくるパワーゲイザー、
そして闇ボムを当てて相殺しないと無限にこちらを追尾し続ける巨大な光の弾。

4ダメージを与えていく毎にこれらの攻撃が織り交ぜられ最大3連まで飛んでくるようになる。(第一から第三形態まである)
同じ攻撃は1セット内で連発されず、光の弾も第三形態までは飛んでこないが、回避方法の異なる攻撃が組み合わされる事で避けきれず被弾を重ねる負けパターンがよくあった。

その中でも鬼門として挙げられるのは、
画面上から下まで瞬時に到達する速度で偏差射撃してくる3wayレーザービームと、
エフェクトが小さめなせいで微妙に視認しにくいクセに四方八方に飛び散る雷の2つ。

終盤になると大体どちらか(もしくは両方)は3連コンボに組み込まれるので、この2つをきちんと避けられないとまず勝てない

ダメージを与えられる機会に関しても一連の猛攻が終わった後の僅かな時間しかないので、回避に精一杯だとロクに当てられず、無闇に当てようとしたら被弾する必然的にプレイヤーに練達を強いるスタイルとなっている。


死に覚えでのプレイスキルパワーレベリングと精神の強靭さを求められる凶悪な真ラスボスだが、
そもそもラストステージ自体が1時間以上は優に掛かる道のりである上に、
真ラスボスとの戦闘中に死んだ場合は前座の魔神サートゥスとの戦いからやり直しという大変に時間の掛かる仕様になっている。
リセットを掛けたら当然ながらステージ最初からやり直し。しんどい。とてもしんどい。

ラストステージに挑む際は、半日分のプレイ時間が取れる休日でのプレイを強く推奨する。

そして真ラスボス・聖邪の天使を倒した後の画像がこちら。

再びまみえるつもりはないぞ

深夜12時にラストステージの攻略を開始して、
撃破したのが午前3時過ぎだったので翌日のまぁしんどいこと。
そのぶんグッドエンディングのカタルシスは素晴らしいものだった。

宇宙の平和は、ボムで守られたのだ。


最終章:伝説は本当だったのか?


正直に言うと確かに難しいは難しいが、
何だかんだ『ニンテンドー64のゲーム』という範囲内での最強ラスボスの座として収まっていると感じた。

筆者はプレイした事はないが、フロムソフトウェアのソウルシリーズに代表されるように世の中難しいゲームはいくらでもある。
それらに比べれば多分だいぶ優しい方だろう。

にも関わらず『ハドソンのプレイヤーキラー』の異名を何故戴くこととなったかと言えば、
ライト層向けのゲームに定評がある任天堂のハードで遊べるゲームだったからと筆者は勝手に考えている。

何だかんだ簡単にクリアできるものが多い任天堂ハードのゲームにおいて、1999年当時これほどまでに凶悪な難易度のゲームはそうそうないレベルである。

小学生を中心としたファミリー層がメインだった当時のプレイヤーとすれば、大きな衝撃だったのではないだろうか。


ポップなタイトルに似合わない壮大なストーリー。
そしてライトなハードに似合わない骨太の難易度。
偽りの皮を被るのが必然だったならば、ハドソンのプレイヤーキラーが生まれたのも必然だったのかもしれない……。



余談その1

落ちたら即死の狭い足場広範囲攻撃が飛んできて即死攻撃も飛んでくる」で『新生FF14』を思い出した方もいるかもしれないが、それもそのはず、爆ボン2開発陣にはあの吉田直樹氏がいるのである。
やっぱりプレイヤーキラーは必然だった…?

余談その2

爆ボン2のコンポーザーは、なんも『クロノ・トリガー』『クロノ・クロス』『ゼノギアス』『ゼノブレイド2』『ゼノブレイド3』と名だたる名作のBGMを手掛けた光田康典氏が担当している。
本当に良曲しか作らない凄い方なので是非色々聴いてみて欲しい。
CHRONO CROSS ~時の傷痕~』はいいぞ

(終わり)


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