米国債務上限問題とは - 過去の推移 -

さて、ここ最近も注目を集めている米国債務上限問題。

この問題はどういう問題なのか。

そして過去どのような推移をたどってきているのか。

簡単に整理したいと思います。


まず、そもそも米国債務上限問題とはなんなのでしょうか。

米国政府は、米国国債を発行することで借金をします。

米国政府が借金をする主な理由は、税収が足りない場合に支出をまかなうためです。

米国政府は膨大な予算を必要とし、国内の様々な分野において公共サービスやインフラの維持・整備、社会保障、国防などへの資金を必要とします。税収だけではこれらの支出をまかなえない場合、借金によって不足分を賄います。

また、経済の低迷や不況時には、政府は経済刺激策として公共事業や雇用創出などの支出を行うことがあります。このような経済刺激策には追加の財源が必要となり、借金が利用されることがあります。

これがまさに2021年の債務上限引き上げの背景(コロナ対策)ですね。


次に、なぜ世界で”米国”の債務上限問題が取り沙汰されるのかについて確認しましょう。

米国のみならず、例えば日本政府も債務上限の設定があります。

しかし、米国の経済力・政治力、そして、ドルの地位、米国債に信用不安が走った場合の債券市場・金融市場・株式市場への甚大な悪影響、ひいては実体経済への波及などの影響の大きさが他国のそれに比べて甚大であるため、ことさら”米国”の債務上限問題に世界が注目している。そういう構図になっています。


ここで、過去の米国債務上限引き上げの推移をまとめてみましょう。

上限設定来を表にするととてもbusyな表になってしまうので、2000年以降を切り出してみましょう。


2000年代に入ってから、過去20数少しの間にも、米国の債務上限は5倍程度も引上げられていることが分かります。

債務上限の推移を可視化してみます。

うなぎ登りで上限額が引上げられていることが分かります。

政府の債務上限と相関のあるGDPをプロットしてみましょう。

GDPの成長とともに、債務上限がぐんぐん引上げられていることが分かります。


足下の債務上限問題も漸く収束を迎えそうな中、「プロレス」「茶番」と揶揄される向きもありますが、その背景には毎度毎度、そして、過去右肩あがりでずんずんと上限が引上げられてきた経緯があることが分かります。

米国のGDPは堅調に推移・成長しており、これからも成長が見込まれています。

そうであれば、今後も債務上限は引上げられ続ける可能性が高いわけですね。

そのような視点で、向こう数年内にまた出現するであろう債務上限問題への耐性をつけていくのもありかもしれませんね。

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