【原油】3月15日、WTIは一時65ドル台

原油価格が急落しています。

ブレント: 73.69 USD(3/15)
WTI : 67.61 USD(3/15)

前月末比▲10%超の下落。

SVB銀行の破綻→Credit Suisse銀行の経営危機問題で株式市場が暴落するとともに、欧米での景気後退懸念が急伸、原油消費量の下押し懸念を受けて原油価格も急落した格好です。

IEAの最新の月報(3月)は、以下報じています。

・足元原油需要はまだ本調子ではない
・ロシア産原油の供給は引き続き堅調
 →上記踏まえて、22年後半から供給過剰の状態が続いている

・世界の原油在庫は1年半年ぶりの高水準
・1月には+5,290万bblの在庫増
 →23年上期は引き続き供給過剰の状態が継続することが見込まれる

「需要が本調子に戻れば23年後半にかけて需給はタイト化する」との基本線に変更はありませんが、

ここ2年程ずーっとあてにされている中国需要の回復(ゼロコロナ政策が解禁されれば中国需要は復活する!)は今だその兆しを見せておらず、これまでのところ原油価格は下げ続け、

また、同じく中国の復活が見込まれていたガス価格も急落しています

(ガス価格に関しては、中国の復活はネガティブ要素としてとらえられていた節がある=ロシア産ガスを失った欧州との獲得競争の激化が懸念されていたので、

むしろこの文脈では欧州諸国、そして、欧州ガスショックによって吊り上げられた価格で苦労していたアジア諸国もすっと胸をなでおろしていることかと思いますが)。

いずれにせよ、石油の需給=23年後半タイト説、というのは日増しに勢いを失っている傾向にあります。

尚、Goldman Sachsは、米国が1年以内にリセッション入りする確率を上昇修正しています(15%→35%)




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