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心理学入門(スクーリング修了試験)

本講義で最も興味・関心を持ったテーマは何か?なぜそのテーマなのか?具体例を用いて説明して下さい。

この講義で最も興味・関心を持ったのは、記憶についてのテーマである。記憶には感覚記憶、短期記憶、長期記憶の3つがあるが、その中でも長期記憶について私はとても関心を思った。

長期記憶は半永久的に消えないという。例えば小学生の頃、地元の仲良しだった子の家によく電話をかけていたのだが、その頃の私は、何度も電話を掛けるうちに電話番号を覚えるようになっていた。これは長期記憶にあたる。つまり、その子の家の電話番号は、今はもう思い出せなくても、私の頭には記憶されているということになる。

長期記憶の種類の中に、手続き記憶というものがある。スポーツなどの運動を通して学習された記憶は、高齢になっても消えない。確かに自転車の乗り方は、長年乗っていなくても運転出来る。

私はこれを利用して、友達の電話番号が思い出せるかもしれないとして、紙に電話のボタン(図1)を書き、その友達の顔を想像しながら電話を掛けるフリをしてみた。

驚いた事に、市内局番(998)を押した後の流れで、次のボタン(0)に自然と指が移った。そこから次の数字の記憶を絞り出そうとすると、最後までの番号が蘇ってきた。この蘇ってきた記憶の番号が本当に正しければ、やはり長期記憶の半永久的に残るという理論は正しいのかもしれないと思った。そこで私は答え合わせをする為に、その友達に連絡し、電話番号が何番だったか聞いてみた。

結果は残念ながら不正解だった。私が思い出していた下4桁の電話番号は、自分の地元の郵便番号の下4桁(0513)だったのだ。しかし、友達の正しい電話番号は8の次に0が来る番号だった事から、私の指が自然と0に移ったという動作の記憶は正しかったと言える。そして友達に答えを聞いた時に「あぁそうだった!」とようやく正しい番号を思い出したので、確かに記憶は消えていなかったということになる。

記憶を辿るとき、頭の中では「検索」という情報へのアクセスが行われる。電話番号を思い出す手がかりとして電話のボタンを押すという動き(手続き記憶)が思い出したい電話番号へアクセスすることを活性化させたが、正しい情報を思い出す事は失敗に終わった。

これは、類似した情報が記憶に干渉したからである。郵便番号と電話番号は数字の配列が同じ(◯◯◯-◯◯◯◯)であること、友達の電話番号を思い出す事が地元を思い出す事と同じである事などの類似性が、逆向抑制を引き起こしたと言える。
今回、記憶については特に、長期記憶について述べた。今までは思い出せないと決めつけていた事を、記憶のメカニズムを知る事によって、忘れている事は思い出せるものだ、というマインドセットを持つ事ができた。
これは今後生きる上でも大切なのではないかと感じた。それと同時に、どうでもいい事をいつまでも覚えていたり、大事な事をすぐに忘れてしまったりと、記憶とは不思議な存在だとさらに興味を持った。

図1


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