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SNSを使って「想い」を売る-社会福祉士の新しい「稼ぎ方」-

稼ぎ方———
 この言葉に拒否反応を示す人がいることは理解している。特に、医療福祉業界に身を置く人たちにとって、「お金を稼ぐこと」に対しては、どこか悪いイメージを感じざるを得ないこともある。この業界では、講師に謝礼を用意しても受け取らない人がいるほど、お金よりも自己研鑽や奉仕の精神が重んじられがちである。
 社会的な使命感や奉仕の精神を重んじるこの業界では、金銭を追求する行為が時には批判の対象になることもある。それでも、お金を稼ぐこと自体が悪であるとはぼくは思わない。なぜなら、適切にマネタイズすることで得られる資金は、より大きな価値を生み出し、社会に貢献するための資源にもなり得るからだ。

 2023年9月、ぼくは自分の経験と知識を活かして「世界一わかりやすい介護保険サービスの教科書・解説動画」をリリースした。

 このプロジェクトは、知識を形にしてマネタイズする試みの一つであり、多くの人々に受け入れられることとなった。制作過程やSNSを活用した宣伝手法、そしてその成果としての実際の収益に至るまで、成功も失敗も含めた全てをこの有料noteに詳細に記載している。
 成功するための情報はあふれているが、真の成功は失敗を避け、失敗から学ぶことにある。このnoteで描かれるのは、ぼく自身の過去の経験だ。泥臭いかもしれないが、このリアルな体験が、あなたに何かしらのインスピレーションを与えることができれば、それは作者として大きな喜びとなる。
 このnoteは、意図的に有料で提供している。リアルな収益の数字を公開する勇気を無料で示すことはできなかったが、この決断が、医療や福祉業界における小さなパラダイムシフトの始まりとなれば、これ以上の幸せはない。このnoteには、ぼく自身の強い決意と覚悟が込められている。読んで終わるのではなく、ぜひ読者の皆さんにも行動に移していただきたい。あなたの挑戦が、福祉業界に新しい風を吹き込むことを心から願っている。
 特別な購入者特典として、「あなたの活動を応援させてください」というオファーを用意している。ぼくのインスタグラムアカウントを通じて、あなたの活動や商品、SNSアカウント、さらにはその背景にある想いまでを積極的に応援させていただく。限定ECサイトを通じて提供する「ベーシックプラン」「スタンダードプラン」「プレミアムプラン」という3つのプランから選択していただく。ぼくのフォロワーとしては家族介護者や医療福祉の専門職が多いため、効果的にターゲットにリーチすることが可能である。この特典を活用していただくことで、医療介護の専門職をはじめとする幅広い層にあなたの活動を紹介し、支援の輪を広げていくことができるだろう。
 この購入者特典は、ただの追加価値ではない。ぼく自身が過去に戻ることができるなら、自分のために誰かがこうしてくれることを望んでいただろうという深い思いから提供している。インスタグラムを通じて、あなたの活動や情熱をぼくのフォロワーに届けることは、単に情報を共有するだけではなく、医療福祉業界における新しい価値創造の一環となる。
 このnoteを手に取ってくださる方々には、さまざまな背景や目的があると思う。個人で活動をしている方、自身の発信力を強化しマネタイズしたい方、またはSNSを利用して自分のアイデアやサービスを広めたいと考えている方にとって、このnoteは実践的なヒントやインスピレーションを提供する。そして、ぼくの活動に共感し、支援してくださるすべての人にとっても、このnoteは有益な情報源となるだろう。
 このnoteを読むことで、ただ「稼ぎ方」について知るだけでなく、その背後にある哲学や考え方、そして実際に行動を起こすための具体的なマーケティングのステップを学ぶことができる。購入者特典を活用することで、あなた自身の活動やビジョンをさらに推し進めることができるだろう。

 最後に、このnoteを読んで感じたこと、学んだことを実生活に取り入れていただきたい。読み物としての価値もあるが、もっと大切なのはこの内容を活かして、あなた自身の挑戦や成長につなげていくことである。「稼ぎ方」を深く掘り下げ、それを自分自身の成長や社会貢献につなげていく旅に出ていただきたい。あなたがこのnoteからインスピレーションを受け、新たな一歩を踏み出すことを心から願っている。


第1章『導入:介護保険への挑戦』

 まずはじめに、ぼくがどのような職に就いているのか、具体的にお話ししたい。現在、地域包括支援センターで社会福祉士として勤めており、地域の高齢者が直面する様々な課題に対する総合的な相談窓口を提供している。この職務の中で、介護保険に関する案内や支援を提供することが主要な業務の一つである。しかし、それだけではなく、他にも多岐にわたる業務が存在していることを付け加えておきたい。介護保険制度に関しては、その複雑さゆえに専門知識が必要とされるが、ぼくはその制度に精通しているだけでなく、それを理解していない人々にもわかりやすく説明することに長けている。そこで、自分のこの特技を活かせないかと考えた結果、2年前の2021年9月に、インスタグラム上で介護保険に関する情報発信を開始した。

 介護保険というテーマは、一般的にはインスタグラムのキラキラとした世界観とは異なる、いわばニッチなジャンルである。当初は、もし1、000フォロワーを達成できれば成功だと考えていたが、実際に投稿を開始してみると、医療や介護の専門職からのフォローが想定以上に多く、彼らから「解説がわかりやすい」という多くの肯定的なフィードバックを受け取った。ぼくが最初に想定していた家族介護者向けの情報提供という目的は変わらなかったが、気が付けば専門職の方々からの関心が高く、特に「介護保険についてはなんとなく知っているけれど、今さら聞けない」という層に訴求することができた。介護保険制度の難解さをわかりやすく解きほぐしていくことを心がけ、その結果として2年間の情報発信活動を経て、2023年9月2日には「世界一わかりやすい介護保険サービスの教科書」と「世界一わかりやすい介護保険サービスの解説動画」をリリースするに至った。

インスタアカウント成長過程


 このnoteでは、そのリリースに至るまでの裏話や、リリースを決めた理由、さらには実際の売上げについても触れていくつもりだ。ぼくのような一般の人が情報発信から商品販売に至る過程は、稀有な体験であると考えている。この経験を赤裸々に記録することで、情報発信に取り組む他の人々にとって有益な情報源となることを願っている。もしかすると、これがあなたにとってのブレイクスルーとなるかもしれない。また、単純にぼくの活動を応援してくれている人々(実際にそういった方々がいるかは分からないが)にとっても、非常に興味深い内容となるだろうと思う。
 
 ぼくの情報発信活動は、ただの趣味からスタートしたわけではない。介護保険という、多くの人々がその存在は知っているものの、実際にはその内容や利用方法について深く理解していないという問題を解決したいという強い動機があったからだ。特に、地域包括支援センターの社会福祉士として働く中で、高齢者やその家族が直面するさまざまな課題に触れ、もっと手軽に、もっと理解しやすい形で介護保険に関する情報を提供できないかという思いが強くなった。

 インスタグラムというプラットフォームを選んだのは、その視覚的な魅力と、幅広い年齢層にリーチできる可能性があったからである。確かに、介護保険というテーマはインスタグラムでよく見る軽やかなトピックスとは一線を画している。しかし、まさにその「ニッチさ」が、意外性として機能し、専門職だけでなく、より広い層の興味を引くことができた。フォロワーからの反響を受けて、ぼくはさらに内容を深め、質の高い情報提供を心がけるようになった。その結果、専門職からだけでなく、一般の人々からも高い評価を受けることに成功した。

 リリースした「世界一わかりやすい介護保険サービスの教科書」および解説動画は、ぼくがこれまでに蓄積してきた知識と経験の集大成である。このプロジェクトを通じて、介護保険制度の理解を深めたいと考えるすべての人々に、その複雑な制度をより身近でわかりやすいものにすることを目指した。この教材が、医療介護の専門職にとって有益な情報源となることを願っている。

 情報発信を通じて商品を販売する過程には、多くの挑戦が伴う。しかし、そのプロセス自体が、ぼくにとっては大きな学びと成長の機会であった。このnoteを通じて、その経験を共有することで、同じような道を歩もうとしている他の情報発信者に対して、何らかの助けやインスピレーションを提供できればと思っている。そして、もしぼくの活動に興味を持ってくれている人がいるならば、この記録があなたにとって、ぼくとのより深いつながりを築く手段となることを願っている。

第2章『動機:なぜこのプロジェクトをスタートしたのか』

 2022年9月のある日、ぼくは自分がこれまでインスタグラムで投稿してきた内容を、1冊の電子書籍にまとめたいと考えた。このアイデアは、昨年のインスタグラムのアカウントで公に宣言したものだ。計画はシンプルだった。まず、介護保険サービスに関するフィード投稿で、誰にでも理解しやすい解説を行う。次に、そのフィード投稿の内容をインスタライブでさらに詳しく、そしてわかりやすく解説する。ライブでは参加者からのフィードバックを得て、内容をさらにブラッシュアップする。そして、これらのプロセスを基に、介護保険サービスの解説本を作成するというものだ。

 市場には介護保険について詳しく、丁寧に解説している書籍やウェブサイトが数多く存在する。しかし、多くの場合、誤解を恐れて細かく説明しすぎる結果、読者にとってはかえって理解しづらくなってしまう。地域包括支援センターでの業務経験や、インスタグラムでの情報発信を通じて、人々が本当に知りたいのは、そうした複雑な説明ではなく、もっとシンプルで本質的な内容だということに気付いた。そこで、1つの介護保険サービスに焦点を当て、それをシンプルにワンペーパーにまとめる形式を取ることにした。このアプローチは、情報を簡潔に、かつ明確に伝えることを目的としている。 
 
 このプロジェクトをスタートさせたのは、ただ単に情報を提供するためだけではない。それ以上に、介護保険の複雑さを解きほぐし、より多くの人々がその利点を理解し、活用できるようにすることが目的だった。介護保険に関する知識を、よりアクセスしやすく、理解しやすい形で提供することで、誰もが介護保険のサービスを最適に利用できる社会を目指している。この電子書籍と解説動画のリリースは、その一歩として計画された。
 
 この一歩は、多くの人々にとって介護保険の複雑な制度を身近なものに変えることができれば、という願いから始まった。ぼくは、介護保険の利用が必要な瞬間に、誰もが迷わず、不安を感じることなく、必要な情報を得られるようにしたいと考えた。そのためには、介護保険に関する情報をもっと手軽に、もっと直感的に理解できる形で提供する必要があると感じたのだ。インスタグラムでの活動を通じて、ぼくはさまざまな人々と交流し、彼らから直接、介護保険に関する質問や悩みを聞いてきた。その経験から、人々が本当に求めているのは、難解な専門用語を解きほぐし、生活に直結する形での情報提供だと痛感した。このプロジェクトを通じて、そうしたニーズに応えたいと思った。

 また、このプロジェクトは、ぼく自身にとっても大きな挑戦である。独立して社会福祉士として活動する上で、自分の専門性を活かし、社会に貢献する方法を模索してきた。この電子書籍と解説動画のリリースは、その一環として、自分の知識と経験を活かして、より多くの人々の役に立ちたいという思いから生まれたものだ。

 リリース後、ぼくは様々な反響を受け取った。介護を必要とする家族を持つ人々、介護の現場で働く専門職の人々、そしてこれから介護保険を利用するかもしれないと考えている人々からの声。それらの声は、このプロジェクトが確かに必要とされていること、そして正しい方向へ進んでいることを示してくれた。

 このプロジェクトは終わりではなく、新たな旅立ちである。介護保険に関する情報提供はもちろん、これからも福祉の分野で必要とされる情報を、よりわかりやすく、よりアクセスしやすい形で提供し続けていく。そして、ぼく自身の成長とともに、社会に貢献していくことが、これからの目標だ。

第3章『逆境の中の試練:挫折の瞬間とその克服』

 プロジェクトを成功に導くためには、綿密な計画が不可欠だという信念のもと、ぼくは進捗管理を徹底して行うことにした。解説本の構成を緻密に考え上げ、その内容を踏まえたフィード投稿を計画的に作成することにした。具体的には、投稿日を明確に設定し、第2、第4月曜日をインスタライブを実施する日と定めた。2022年8月1日にこのプロジェクトを開始し、2023年10月24日には全てのプロセスを完了させる予定だった。フィード投稿を行い、インスタライブを実施することで、インスタグラム上でのエンゲージメントを高め、フォロワーを巻き込むことで見込み客を獲得する計画だった。この一連の作業は全て、解説本制作へと繋がり、そして見込み客の獲得にも寄与するものだった。この計画を立てた時、ぼくは自分なりに完璧なプランを立てたと確信していた。

 クオリティの追求を忘れずに、挿絵のイラスト依頼も行った。その依頼先は、在宅医療に関する情報発信をインスタグラムで行っている【そぬ】だった。彼女は同じ情報発信者として、ぼくとは良い関係を築いており、発信ジャンルも似ていたため、彼女以上の適任者はいないと確信していた。

そぬ氏のアカウント

 しかし、すべてが順調に進むと思っていたぼくの予想とは裏腹に、現実は厳しいものだった。フィード投稿とインスタライブを並行して行いながら、解説本の制作も進めていく中で、時間が圧倒的に不足していることに気づいた。はじめは、すべてがスムーズに進むと楽観視していたが、日中の地域包括支援センターでの仕事と3人の小さな子供の世話という私生活の中で、プロジェクトを進めることが想像以上に困難であることを痛感した。フィード投稿とインスタライブはなんとか予定通りに進めることができたが、解説本の制作、特にデザイン作業に関しては全く進展がなかった。

 ぼくは以前からインスタグラムでのスライド投稿が好評で、「わかりやすい」という声を多くいただいていたため、その自信が過信につながっていたのかもしれない。最初は、インスタグラムのスライドをそのままワンペーパーにまとめれば良いと考えていたが、実際にはそれが全く機能しなかった。「見やすく、わかりやすく」をテーマにしたが、素人にはその実現が困難だった。そぬ氏ともデザインについて一緒に頭を悩ませたが、なかなか納得のいくものを作り出すことができなかった。ぼくが思うイラストのイメージを具体的に提案することができず、彼女も一度は描いてくれたものの「期待に応えられないかもしれない」ということで離脱することになってしまった。
 仕事を依頼する難しさを知った。これは、普通のサラリーマンをしていただけでは経験できなかっただろう。

 このプロジェクトを始めた当初の熱意「解説本をみんなで作る!」という想いは、徐々に薄れていき、最終的にはフォロワーたちもこのプロジェクトの存在を忘れ去ってしまったようだった。そうして、ぼくは完全に挫折したと感じた。

 それでも、インスタグラムでの情報発信活動は、ぼくにとってのライフワークであったため、挫折後も続けることを決意した。挫折からの克服は、予期せぬきっかけから訪れた。具体的な詳細は後ほど触れるが、このきっかけがぼくに新たな視点をもたらし、プロジェクトに対する新しいアプローチを考え出すきっかけとなった。ぼくは再び、解説本の制作に向けて情熱を燃やし始めた。今度は、以前の失敗から学んだ教訓を活かし、より現実的で実行可能な計画を立てることに重点を置いた。

 この経験は、ぼくにとって非常に価値のあるものとなった。失敗から学ぶことの大切さ、そして何よりも、挑戦を続けることの重要性を改めて実感したのだ。ぼくは、この挑戦を通じて、自分自身の限界を超えて成長することができたと感じている。そして、この経験を通じて得た教訓を、解説本の内容にも反映させることができた。これは、単に介護保険サービスに関する情報を提供するだけではなく、挑戦し続けることの大切さを伝える機会ともなった。

 最終的に、ぼくはこのプロジェクトを通じて、多くの困難を乗り越え、目標を達成することができた。これは、単なる介護保険サービスの解説本を超えた、ぼく自身の成長物語でもある。そして、この物語を通じて、ぼくは他の人々にも希望とインスピレーションを与えることができると信じている。


第4章『9/2のリリース日選定の背景』

 挫折の経験を背負いながらも、「いつかはやらなければ」という思いは心の奥底でずっとくすぶり続けていた。その中で、介護保険に関する情報を発信している【とりさん】というアカウントを運営する男性との出会いがあった。彼は独立してして活躍するという共通の目標を持っており、有料老人ホームの施設長を務めながらも、YouTubeでの情報発信やホームページの制作など、様々な分野でその才能を発揮している。彼とは年齢も近く、家族構成も同じ(3姉妹を持つ!)という共通点があり、互いに意見を交わす良き相談相手となっていた。お互いに住んでいる場所が遠いため、主にオンラインでの飲み会や打ち合わせを通じてコミュニケーションを取っていた。

とり氏アカウント


 ある日、Zoomでの打ち合わせ兼飲み会の際に、ぼくが「解説本を作りたいと思っているけれど、なかなか手をつけられない」と漠然とした悩みを打ち明けたところ、彼からは「今すぐやれ!言い訳をしていないで、ケツ決めたらあとは根性でやり切れ!」という力強い激励を受けた。実際にはもっと穏やかで優しいアドバイスだったかもしれないが、ぼくにはそれがまるで戦士を鼓舞するかのように聞こえた。その瞬間、「これまで言い訳ばかりしてきたな」と反省し、すぐに行動計画を立て始めた。

 その後の話し合いで、2024年4月には診療報酬、介護報酬、障害福祉サービス等の報酬が一斉に改定される、いわゆるトリプル改定が予定されていることが話題に上がった。この改定前に解説本をリリースすることで、多くの人々に情報を届け、改定に合わせて新たなプロジェクトを立ち上げる機会を作りたいと考えた。改定前に解説本を出版することは、まさに「今」しかないラストチャンスだということが明らかになった。そして、偶然にもリリース予定日の2023年9月2日は、ぼくの35回目の誕生日であることが判明した。このタイミングでリリースすることは、まるで運命のように感じられ、バースデーバッシュを兼ねた盛大なお祭り騒ぎで解説本のリリースを祝おうという計画が立てられた。

 そうして2023年6月にこの重要な決断を下してから、解説本リリースに向けた激しい追い込みが始まったのだった。この決意のもと、ぼくは再び挑戦の火を灯し、解説本完成に向けて日々奮闘することになった。この期間は、ぼくにとって新たな試練の連続だったが、とりさんから受けた激励の言葉が心の支えとなり、前進し続ける原動力となった。解説本の執筆にあたり、以前の挫折から得た教訓を活かし、計画的にかつ効率的に作業を進めることを心掛けた。同時に、とりさんや他の支援者たちとのコミュニケーションを密に取りながら、彼らの意見やアドバイスを積極的に取り入れていった。

 この期間、ぼくは解説本の内容だけでなく、デザインやレイアウトにもこだわり、読者にとって最もわかりやすく、かつ視覚的にも魅力的な本を作ることを目指した。そのために、イラストレーターとも協力し、解説本のクオリティを一層高めるための作業にも力を注いだ。また、解説本のプロモーションにおいても、インスタグラムをフル活用して情報発信を行い、リリース前から関心を集めるよう努めた。

 リリース日が近づくにつれて、ぼくの中での期待と緊張は高まる一方だった。しかし、そのすべてがリリース日の到来とともに、大きな喜びと達成感へと変わった。2023年9月2日、35歳の誕生日に解説本をリリースするという目標は、多くの支援と努力の結果、無事達成されたのだ。この日は、解説本の成功を祝うとともに、ぼく自身の新たなスタートを祝う記念日ともなった。バースデーバッシュとして企画したリリースイベントは、オンライン上で多くの人々が参加し、解説本のコンセプトや内容について共有し、議論する場となった。このイベントを通じて、ぼくはさらに多くの人々とつながり、解説本がこれからも多くの人々の手に取られ、役立てられることを心から願っている。

 このようにして、9月2日のリリース日選定は、ただの偶然ではなく、ぼくの人生における重要な節目となった。そして、この日は介護保険に関する情報をより多くの人々に届けるための新たな一歩となり、ぼくの挑戦と成長の物語において、忘れられない一章として記憶されることになった。

第5章『戦略会議:プロジェクトの心臓部』

 どのような作品ラインナップにするか、また値段設定について、ぼくは非常に悩んだ。悩みの中心にあったのは、消費者のニーズにどう応えるか、そしてそのニーズをどのように価格に反映させるかという点だった。まず考えたのは、解説本と解説動画、そして個別のZoom面談をラインナップに加えることだった。この3つのラインナップは、事前にストーリーズのアンケート機能を用いて、ユーザーのニーズを確認し、それに基づいて選ばれたものである。解説本を入口として、動画と個別面談へと顧客を誘導するアップセル戦略を考えたのだ。特に解説本に関しては、多くの人に手に取ってもらいたいという強い願いから、無料配布も検討したが、最終的には有料とすることで、自分自身の覚悟を示すことにした。それは格安価格の500円と設定し、この価格は製作への緊張感を持つためのものでもあった。

 リリース直後の価格戦略に関しては、初期の3日間を500円とし、その後1週間は1,000円、更にその後は1,500円と段階的に価格を上げることで、締め切り効果を利用し、顕在層の顧客を獲得する計画を立てた。この初期3日間が、プロジェクト成功の鍵を握る勝負の時である。もし、この期間に失敗すれば、プロジェクト全体が挫折に終わるリスクがある。このリスクを避けるために、広く多くの人にリーチするための効果的なプロモーション戦略が必要不可欠だ。

 さらに、作品の内容をより高品質なものにするため、インスタ医療介護界隈で知名度のある5人の専門家に監修を依頼した。これは、製品の品質向上に絶対に必要な決断だった。彼らに監修を依頼しなかったら、作品は市場で受け入れられる水準に達していなかっただろう。誤字脱字の修正はもちろん、異なる視点からのフィードバックは作品をより豊かなものにした。しかし、あまりに多くの意見を取り入れると、作品のオリジナリティが失われかねない。この微妙なバランスを保つために、きめ細やかな注意を払う必要があった。監修者たちには些少ではあるが対価を支払い、仕事を任せた。これもぼくの覚悟のあらわれである。このような信頼できる人材に監修を依頼することには、もう一つの目的があった。それは集客効果である。直接的な集客を依頼したわけではないが、彼らを通じて自然と集客が行われることを期待していた。監修を依頼したことが、間接的にでもプロジェクトの認知度を高め、より多くの潜在顧客にリーチする手助けになると考えていたのだ。

 そして、プロジェクトにおける1年越しのリベンジとして挿絵の依頼を再び進めた。前回、全体の挿絵を依頼した際には、期待していたイメージとのギャップが生じてしまったが、今回は福祉用具に限定して依頼することにした。そぬさんに改めてオファーを出したとき、断られるのではないかと内心不安に思っていた。しかし、彼女はオファーを喜んで快諾してくれたのだ。そぬさんがこのオファーを受けてくれたことで、プロジェクトへの自信と期待が一層高まった。

監修者、デザイナー紹介

 最も難しい課題の一つであった解説本のデザインについても、長期間にわたり様々なデザインを集め、研究してきた。良いデザインを見つけるためには、相応の時間とお金が必要だったが、それによって素人では難しいゼロからのデザイン作りを避け、少しずつ模倣することでベースのデザインを完成させることができた。このプロセスを通じて、プロジェクトに対する熱意とこだわりを形にすることができた。

採用されなかったデザイン

 解説本の完成を7月に、解説動画の完成を8月に控え、2023年9月2日のリリースを目指してざっくりとした計画を立てた。しかし、単に本と動画を作るだけではプロジェクトの成功は保証されない。どのようにして顧客に届けるか、どのような決済手段を提供するか、購入後のフォロー体制はどうするか、プロモーション戦略はどう立てるか、そして何より赤字にならないようにすること。これらはすべて、プロジェクトを成功に導くために考慮しなければならない重要な要素であり、それぞれについて綿密な計画と準備が必要だった。これらの課題に対して、ぼくは一つ一つ慎重に考え、解決策を見出していくことになる。プロジェクトの成功に向けて、考えるべきことは山積みであり、それぞれの問題に対して最適な策を講じるためには、チーム全体の協力と、時には外部の専門家の意見を取り入れる柔軟性も必要になるだろう。

第6章『プロジェクトブループリント:詳細な計画段階』

 このプロジェクトを解説本の制作、解説動画の制作、システムまわりの構築、そしてプロモーション活動の4つの大きなカテゴリーに分けて取り組んだ。この分類はプロジェクトの全体像を明確にし、各セクションに対する具体的なアプローチを計画するための基盤となった。

解説本の制作

 解説本に関しては、掲載する内容を31項目に厳選した。この31項目は、自分自身がインスタグラムで投稿したコンテンツを基に、さらにわかりやすいビジュアルと内容で刷新することに決めた。このプロセスは、ただ単に内容をアップデートするだけではなく、その各項目をフィード投稿として再利用し、さらにそれを基にリールの台本を作成し、さらにはChatGPTを用いてnote記事を書くという、一つのコンテンツから複数の異なる形式のコンテンツを生み出す作業だった。このようにして、限られたリソースの中で最大限の成果を生み出そうとする効率的な作業方法を実践した。最終的に、2023年7月30日までにこれら31項目の内容を完成させ、同時に関連するコンテンツも量産するという野心的な計画を立てた。

解説動画の制作

 動画編集に関しては、かなり得意としている。一般的な編集技術から簡単なアニメーション作成まで、手早くこなすことができる。このスキルは、スキルマーケットプラットフォーム「ココナラ」でウェディングムービーの制作を請け負い、その販売実績と顧客満足度から最高ランクのプラチナを獲得した経験に裏打ちされている。さらに、音の編集も得意で、長年クラブDJとして活動し、DTMソフトを用いたミックス制作にも慣れ親しんでいる。このような背景から、素材さえあれば動画も音も問題なく編集できる自信がある。そのため、解説動画の制作においても、2023年7月30日に解説本の内容が完成した後、それを基に2023年8月15日までに解説動画の制作を完了させる計画を立てた。

システムまわりの構築

 販売サイトの選定では、Shopify、BASE、Storesの大手ECサイト3社を検討し、手数料の安さと操作性の良さからStoresを選択した。コンテンツ制作に集中したいという思いから、システムまわりはできるだけ簡単に構築できる方法を選んだ。購入後のフォローやアップセル提案、顧客管理を効率化するためにはLINE公式アカウントの活用が不可欠であり、インスタグラムよりもLINEでのセールス活動のハードルが低いと判断した。さらに、登録時に実施したアンケートに基づいてタグ付けを行うことで、顧客ごとに最適なセールスアプローチを実現できるようになる。このようにして、セグメントを細分化し、より効率的かつ効果的なマーケティング活動を展開できる体制を整えた。たとえば、「インスタグラム運用中」と回答した人には、特にSNSコンサルティングのサービスを提案するなど、ターゲットに合わせたセールスが可能になる。この計画を実現するために必要なLINEの構築作業は、信頼しているとりさんに全てを任せることにした。長年にわたる関係性から築いた信頼を背景に、彼に依頼を快諾してもらえたことは、本当にありがたかった。これまでの経験と信頼関係が、この重要なタスクを円滑に進めるための基盤となった。

プロモーション活動

 プロジェクトの成功は、どのようにして販売活動を行うかにかかっている。販売戦略として、最初の3日間限定で解説本を500円、解説本と動画のセットを4,500円で販売し、その後1週間は解説本を1,000円、セットを5,000円で販売する計画を立てた。この初動での売り上げ戦略は、新規顧客を獲得し、顧客リストを構築するための重要なステップだ。SNSを通じて製品を販売するためには、フォロワーに自分のプロジェクトを自分ごととして感じてもらうことが不可欠である。そのために、デザインやタイトルをフォロワーと一緒に決めることで、彼らとの共犯関係を築き、購入意欲を高める。さらに、プロジェクトが盛り上がっているように見せるためのお祭り感の演出も計画した。これは、単に製品を販売するだけでなく、イベントとしての体験を提供し、参加意欲を高めるための工夫だ。

ストーリーズでフォロワーと共犯関係を築く

 このようにして、解説本の制作から解説動画の制作、システムまわりの構築、そしてプロモーション活動に至るまで、プロジェクトの各フェーズを詳細に計画し、それぞれの段階で必要な作業を丁寧に実行していく。プロジェクトの成功は、これらの細かい計画とそれを実行に移すための努力に依存している。各段階での取り組みを通じて、最終的には目標とするプロジェクトの成果を実現することを目指している。

第7章『製作の苦悩:制作の裏側の真実』

 解説本を1ページ作ることで、一見するとフィード投稿、リール、noteの3つのコンテンツが同時に生み出せるように見えた。このような効率的な制作プロセスは、まさに多くのクリエイターが憧れる夢のような物語である。しかし、この夢物語は、実際に制作に取りかかるとあっさりと崩れ去った。頭の中で完璧にイメージできていたものの、実際にそれを形にする作業の負担についての計算が甘かったのだ。フィード投稿、リール、noteを同時に作り出すことはおろか、解説本を作成すること自体が精一杯の状態になってしまった。

 ダラダラとずれ込んだ予定ではあるが、最終的には2023年7月30日を目処に31項目全ての完成を目指すという計画を立てた。しかし、計画は想定通りに進むどころか、フィード投稿の同時作成作戦も全くうまくいかなかった。このように計画が狂うと、精神的にも大きな打撃を受けるが、ここからが本当の挑戦だと自分に言い聞かせた。

 そこで、気合いを入れ直し、4時起きの朝活を始めた。朝活で作業が進まなければ、仕事終わりにもう一度作業に取り組むという習慣をつけた。この期間、ぼくはおそらくかなり狂気じみたほどに作業に没頭していたと思う。その結果、ワイフにも相当な迷惑をかけた。本当に申し訳ないと思っている。

 このような苦悩の時期を、ぼくはインスタのチャンネル機能「ライトチャンネル」でリアルタイムにアップしていった。購読してくれている一部のフォロワーたちには、ぼくのかっこ悪いところも、泥臭いところも含め、全てをさらけ出した。スマートにサクッとリリースすることがかっこいいとされるかもしれないが、ぼくはかっこ悪いところを見せることにも大きな価値があると考えている。なぜなら、人生の全てをコンテンツにして、皆さんに今回のリリースを自分事として深く感じてもらうことが、ぼくの目指すところだからだ。確かに、この道のりは本当に大変だった。しかし、その全てが今、ここに綴られている。

泥臭い日々を綴ったライトチャンネル

第8章『リリース直前の熱気:8/31リリース直前スペシャルライブ』

 リリースが目前に迫る中、インスタライブでのカウントダウンを企画し、これを「リリース直前ライブ」「カウントダウンライブ」「リリースお祝いライブ」という三部作で行うことに決めた。自分が一人で話すことに苦手意識を持ちながらも、この大切な瞬間をフォロワーと共有するためには、ライブ配信が最適だと感じていた。言葉を選びながらゆっくりと話す自分のスタイル(話し方がゆっくりでアホっぽい)に不安を感じつつも、このイベントを成功させるために、特別なゲストを招くことにした。

 リリース直前ライブのゲストとして招いたのは、児童若者支援に特化した訪問看護ステーション「リカバリー」の代表、植村さんだった。植村さんとの事前打ち合わせを通じて、ライブ配信の内容を綿密に計画した。植村さんは、ぼくのプロジェクトについて詳しくインタビューしてくれ、その過程で非常に話しやすい雰囲気を作ってくれた。時には植村さんの鋭い洞察に驚かされることもあったが、その丁寧な対応には安心感を覚えた。

 ライブ配信では、ぼくがこれまでにストーリーズで伝えてきたリリースへの思いを、改めて自分の言葉でフォロワーに直接伝える機会を得た。植村さんがぼくの活動を熱心に追ってくれていたことを実感し、その支援に心から感謝した。プロフェッショナルな植村さんの仕事ぶりに触れることができ、インスタライブの可能性と魅力を再認識した。言葉にすることの重要性を改めて感じ、自分の想いを直接伝えることの価値を理解した瞬間だった。

 このスペシャルライブを通じて、リリースに向けた一歩を踏み出すことができ、プロジェクトのスタートを飾るにふさわしい、幸先の良い始まりとなった。フォロワーとの共感を深め、プロジェクトへの期待を高めることができたこのライブ配信は、リリースへの道のりにおいて忘れられない貴重な体験となった。

リリース直前ライブ

⬇︎リリース直前ライブのアーカイブはこちらから。

第9章『舞台裏の高まる緊張:9/2カウントダウンライブ』

 リリース当日のカウントダウンライブを行うというのは、ずっとやりたかったことの一つだった。インスタライブを利用して、フォロワーたちと一緒にリリースの瞬間を迎えるという計画は、ただのライブ配信以上の意味を持っていた。しかし、SNS上での集客は決して簡単な作業ではない。単に「ライブをするので来てください」と一度ストーリーズで告知するだけでは、十分な視聴者を確保することはできない。そこで、しつこいくらいに何度も告知を行い、さらにその告知を一段階引き上げる必要があった。この過程で、おそらくは「もうわかったから何度も言わないで」と思われることもあるかもしれないが、必要以上の告知をすることで初めてリーチできる層が存在するのがSNSの世界だ。

 このような繰り返しの告知は、ただ単に視聴者を増やすためだけではなく、「お祭り感」を演出するためにも重要だった。お祭り感、つまりは「盛り上がっている雰囲気を作り出すこと」は、フォロワーたちをプロジェクトの一部として巻き込むことで、彼らに当事者意識を持ってもらうための戦略だった。DMをシェアすることで、たとえ小さな声であっても、「みんなでリリースを待ち望んでいる」という印象を強くすることができた。

 ライブ当日は、通常のインスタライブに比べて格段に緊張した。ライブ中には多くの人からお祝いの言葉をいただき、その日が誕生日であったこともあり、感慨深いものがあった。販売開始と同時に購入方法を案内し、直後からスマートフォンに届く購入通知には、オンラインであっても、目の前で購入してもらっているような臨場感があった。通知が絶え間なく続く中で、これまでの努力が報われたと感じ、感動のあまり涙が止まらなかった。インスタライブのアーカイブが残されていないため、それを見られた人は幸運だったと言えるだろう。

 リリース初日には124のダウンロードがあり、売上は207,000円に達した。これは想像以上の満足のいく結果であり、かつての苦労が一瞬にして報われた瞬間だった。そして、この日を皮切りに、更なるダウンロードの波が押し寄せることになる。

第10章『勝利の瞬間:9/4祝リリース記念ライブ』

 リリースを祝う特別な日、9月4日にシオン訪問看護ステーションの管理者である山本ひとみさんをゲストに迎えて、記念ライブを開催した。山本さんはしゃべくり上手で知られる大阪のお姉さんで、彼女の明るくて人懐っこい性格は、まるで大阪のおばちゃんのような温かみがある。リリース直前ライブと同様に、このライブでもゲストにインタビューしてもらうという、少し変わった設定で進行した。

 ライブは、山本さんが札束を持って登場するという、彼女らしいユーモア溢れる演出からスタートした。その出オチ感はあったものの、続くインタビューでは山本さんの真摯な姿勢が光り、ふざけた雰囲気の中にも本質を突く丁寧な仕事をしてくれた。山本さんにこの話をすると、「営業妨害だ」と笑いながら突っ込まれることだろう。

リリース記念ライブ

 ライブ中は、購入通知が次々と届き、多くの人々に作品が届いている実感を持ちながら進行することができた。特に、ライブ配信中にスマートフォンに届く購入通知には、「あ!また売れた!」と何度も反応し、そのたびにフォロワーたちとの一体感を感じることができた。このライブは、みんなと共に作品のリリースを祝い、共感と喜びを分かち合える、楽しい時間となった。
 インスタライブのアーカイブは現在も残っており、時間のある人にはぜひ視聴してもらいたい。リリース記念ライブを通じて、私たちが共有した喜びや、作品への熱い想い、そして何よりも、フォロワーたちとの間に生まれた特別な絆を感じ取ってもらえるはずだ。この日は、ぼくにとっても、フォロワーにとっても忘れられない勝利の瞬間となった。

⬇︎リリース記念ライブアーカイブはこちらから。


第11章『初動の成果:リリース直後3日間の売り上げ分析』

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