なぜ今、オンラインコミュニティを?-「ライトケアサロン」に込めた想い-
地域包括支援センターの社会福祉士として働く中で、また介護保険に関する情報発信者として活動する中で、常に感じていたことがある。それは、支援者と介護者、特に家族との間に微妙な距離感が存在するということだ。この距離感は、決して無視できるものではなく、支援の質にも影響を与えるのではないかと、日々感じていた。
支援者同士が集まり、経験や知識を共有することはもちろん有意義である。しかし、そこにはどうしても限界がある。介護者、特に家族が日々抱えている感情や思いは、支援者の側からは見えにくいことが多い。だからこそ、介護者自身の声を直接聞くことが重要なのだと思った。介護の現場で向き合う家族の思いに寄り添い、その声を支援に反映させることで、より本質的な支援が可能になると信じている。
そこで、支援者と介護者が本音で語り合える場を提供し、互いに歩幅を合わせて二人三脚で歩むような関係を築きたいと強く願った。この距離を埋め、共に歩むことができれば、より効果的な支援が実現するだろう。そうした思いから、オンラインコミュニティ”ライトケアサロン”を立ち上げるに至った。
このnoteでは、ぼくが”ライトケアサロン”に込める想いや、その詳細について丁寧に綴っていくつもりだ。支援者と介護者の間にある距離を少しでも縮めるために、そして本当の意味での支援を実現するために、ぜひ最後まで読んでもらいたいと思う。
すべてのきっかけはインスタグラムから
まず、ぼくの自己紹介をさせていただこう。
ぼくはこれまで高齢者施設や病院で、社会福祉士として相談支援の仕事に従事してきた。現在は、地域包括支援センターで同じく社会福祉士として働いている。地域包括支援センターとは、行政から委託を受け、地域の高齢者の総合的な相談窓口として機能している施設だ。ここで、ぼくは高齢者の相談に対応し、必要な制度や機関、地域資源に繋げる役割を担っている。
社会福祉士としての実践経験を積んできた一方で、プライベートでは3人の娘を持つ父親として、5人家族で賑やかに暮らしている。そして、地域包括支援センターで働くの傍ら「ライト」という名前で、SNSを中心に個人活動を行っている。特に介護保険の専門家として、インスタグラムとVoicyを中心に情報発信を行い、複雑でわかりにくい介護保険制度を「世界一わかりやすく解説する」ことをテーマに掲げている。
この活動を始めたのは2021年9月。インスタグラムで、主に家族介護者向けに情報を発信し始めた。当初は、100人ほどにフォローしてもらえれば成功だと思っていたが、蓋を開けてみれば予想を超える多くの専門職の方々にフォローされ、瞬く間にフォロワーは1年で1万人を突破した。現在では2.9万人もの方々にフォローしてもらっている。インスタグラムでは、通常キラキラしたライフスタイルを発信するアカウントが多い中、「介護保険」という超絶ニッチなテーマでありながら、多くの支持を得ていることは大きな驚きと共に、自信にも繋がっている。
さらに、Voicyでは審査を通過し、毎日配信を続けている。(Voicyは毎月約1000件の応募があり、その中で通過するのはわずか3~5%という狭き門!)他にもこちらのnoteやTikTok、X(旧Twitter)、Threadsなど複数のSNSを運用しているが、特にアクティブに動かしているのはインスタグラムとVoicyである。
個人の活動としては、昨年には介護保険サービスの教科書や解説動画をリリースし、500件以上のダウンロードを達成。また、地元のビジネスコンテストでは、介護離職防止に関するビジネスプランを提案し、審査員特別賞をいただいた。さらには、日本プライマリケア連合学会学術大会に広報チームとして参加し、公式アンバサダーとして医師たちと肩を並べながら活動した。この学会は、内科系の医師が多く所属するものでありながら、ぼくのような社会福祉士も受け入れてくれる温かい場であった。
これまでの実績はすべて、インスタグラムを起点にしている。Webメディアの記事執筆や監修、タイアップ、雑誌掲載など、多岐にわたる活動はすべてこのSNSから始まり、徐々にコンテンツとして昇華されていったのだ。インスタグラムがぼくの個人活動の幅を広げ、そして人生そのものを変えてくれたと言っても過言ではない。
仲間がほしい
「仲間がほしい」——
この強い想いを胸に、ぼくは今、新たな挑戦へと踏み出そうとしている。
2024年9月でインスタグラムのアカウントを開設してから3年が経つ。これまで「複雑でわかりにくい介護保険を、世界一わかりやすく解説する」ことをコンセプトに情報発信を続けてきた。その中で、「誰かの役に立ちたい」と思って発信を続けていたけれど、気づけば一番の恩恵を受けていたのは自分自身だった。
発信者のもとに情報が集まるというのは真理だ。介護保険の複雑さを解説するために、ぼく自身の知識を整理し、深めることができた。また、発信を通して、多くの仲間と出会い、繋がることができた。SNSを使った情報発信こそ、最強の勉強法だと確信している。
しかし、ここにきて次のフェーズに進むときが来たと感じている。これまで一人で走り続けてきたけれど、一人では到達できない高みがある。だからこそ、仲間がほしい。ぼくと同じ志を持ち、共に成長し、支援の質を高めていける人たちと一緒に歩んでいきたい。その思いで、新たにオンラインコミュニティ”ライトケアサロン”を立ち上げることにした。
ライトケアサロンは、介護保険や制度についてもっと知識を深めたい人、家族のリアルな声を聞いて支援の質を高めたい人、様々な職種の支援者と繋がりたい人、そして職場で相談できない悩みを共有したい人に向けた場だ。相談援助を始めて1~2年目の人や、支援に自信が持てない人も大歓迎。ここでの交流を通じて、支援に自信を持てるようになり、家族介護者の声に寄り添ったより深い支援ができるようになるはずだ。
具体的には、毎月の勉強会や交流会への参加、チャットでの悩みや体験の共有、ライトとなつゆめの有料コンテンツが無料で見放題、さらには登壇者向けの報酬制度など、様々なコンテンツを用意している。そして、支援者と家族介護当事者が交流することで、新たな課題や支援のヒントを得ることができるのも大きなメリットだ。
支援の現場で、当事者と接する中で気づくこと、得られる力や癒し。それは、支援者としての在り方を根本から変えるきっかけとなるだろう。ぼくは、このライトケアサロンを通じて、支援者同士が力を合わせ、支援の幅を広げ、より良い支援ができるような場を提供したいと思っている。
たくさんの気づきがここで生まれることを、心から期待している。
家族介護者と繋がりたい
インスタグラムアカウントを始めた当初、ぼくは家族介護者に向けて情報発信を行っていた。介護保険や介護の現場で役立つ知識を、少しでも家族介護者に届けたいという思いが強かった。しかし、蓋を開けてみると、フォローしてくれるのは医療介護系の専門職の人たちだった。それはそれで大きな励みとなり、嬉しいことではあったが、家族介護者に対しての発信が届いていないという現実に直面した。ぼくの発信の根幹である「支援者と介護者の橋渡し」という目標が、まだ達成できていないという大きな課題を抱えているのだ。
その課題を乗り越えるために、ぼくは”ライトケアサロン”というオンラインコミュニティを立ち上げた。ぼく一人では限界があることは分かっているからこそ、元若者ケアラーであるなつゆめちゃんと一緒に運営していく。当事者である彼女と共に、家族介護者も安心して参加できる、専門職と介護者が垣根を越えて繋がれる場を作りたいと考えている。
この”ライトケアサロン”は、次のような人たちにとって理想的な場所だ。
まず、介護に関する悩みを共有できる仲間が欲しい人。介護の基礎知識を学びたい人。そして、介護の悩みに関して専門職の意見を聞いてみたい人や、担当の支援者には言えない悩みを抱えている人。また、自分の経験を共有したいが、SNSでの発信に抵抗があるという人にも、このオンラインコミュニティはぴったりだ。ここでは、誰にも言えない介護の悩みを安心して共有できる場を提供し、難解な介護制度や基礎知識を手軽に学ぶことができる。
さらに、チャットや月1回の交流会では、さまざまな体験談を見聞きできるため、同じ悩みを抱える介護家族だけでなく、支援者とも気軽に交流ができる。これにより、心に余裕が生まれ、支援の質も高まるだろう。また、担当の支援者には言いにくい相談ごとも、ここなら気軽にできる環境が整っている。
家族介護者への多様な支援が求められている
今、なぜ家族介護者への多様な支援が求められているのか。
それは、これまでの介護支援が高齢者本人の状態改善に焦点を当てることが中心だったため、介護を行う家族に対して十分なサポートが提供されてこなかったという背景がある。しかし、介護離職ゼロの取り組みや、ヤングケアラーへの関心が高まる中で、これまで見過ごされてきた多様な家族介護者の存在に、ようやく光が当たり始めた。国の検討会でも、家族介護者支援の重要性が議論されている今、まさに支援が必要なタイミングだ。
家族介護者が同じ境遇の人たちとつながり、悩みを共有できる場は、孤立を防ぎ、精神的な負担を軽減する効果がある。話すことで気持ちが楽になり、介護に対する向き合い方も変わり、余裕を持った介護ができるようになる。また、他の介護者の経験から得る情報や知識も、自分の介護に役立つことが多い。こうした場の提供が、家族介護者にとってどれほど重要かを痛感している。
そして、家族介護者とのつながりは、支援者である専門職にも大きなメリットをもたらす。家族介護者との交流を通じて、新たな課題や支援策を見出すことができ、普段の実践では気づけない視点を得ることができる。さらには、介護者の主体性を理解した支援を行うきっかけにもなり、専門職自身も癒され、力をもらえる場になるのだ。
しかし、こうした「つどいの場」が現実にはまだ少ない。だからこそ、”ライトケアサロン”を作った。このコミュニティが、支援者と家族介護者を結びつけ、互いに学び合い、支え合える場所になることを心から願っている。
ぶっちゃけやりたくなかった
白状する。
正直なところ、ぼくはコミュニティの運営をやりたくなかった。なぜなら、それがどれほど大変なことか、容易に想像できたからだ。地域包括支援センターでの仕事に加え、発信活動にも取り組んでいる現状で、さらにコミュニティを運営するとなると、負担がますます増えるだろうと感じた。(好きでやっていることだから「負担」という表現は不適切かもしれない。)そんな思いから、最初はどうしても踏み出す勇気が持てなかったのだ。
しかし、一人での活動に限界を感じ始めた。そして、もっと遠くに行きたいという強い願望が芽生えた。そこで、仲間の必要性を痛感するようになった。単に支援者だけではなく、家族介護者も含む多様な仲間が共にいることが、ぼくの目指す未来にとって重要だと感じたのだ。
「大変そうだ」と感じていた不安は確かにあった。しかし、その不安を上回るワクワク感が一瞬にして心を支配した。その瞬間、ぼくはコミュニティを作ることを決意した。今後もぼくは全力で走り続けるつもりだ。
だから、ぼくは仲間を求めている。共に走ってくれる人でも、ぼくをリードしてくれる人でも、後ろから見守ってくれる人でも構わない。どんな形であれ、一緒に歩んでくれる仲間がいてくれたら、これほど心強いことはない。
ぼくらは共に、明るい未来を迎えに行こう。あなたとその道を共に歩けることを、心から楽しみにしている。
正直、めちゃくちゃビビってる
正直に言うと、ぼくは今、めちゃくちゃビビっている。
オンラインコミュニティを始めると宣言したものの、本当に参加してくれる人がいるのか?まだ形になっていない、いわば曖昧な状態のコミュニティに対して、どれだけの人が興味を持ってくれるのか?そういった不安が頭をよぎる。
実際にコミュニティを走らせてみないとわからないことは山ほどある。ぼくが今伝えられるのは、これにかける熱意くらいだ。それでも、すでにお知らせを出した段階で、楽しみにしているというメッセージをたくさんいただいた。これは本当に嬉しく、勇気づけられることだ。
もちろん、ここで満足するわけにはいかない。コミュニティに価値を感じてもらえるように、その魅力をあらゆる方法で伝えていきたいと思っている。どれだけ熱意を持っていても、それを形にして届ける努力を怠ってはいけない。ぼくはこれからも全力で取り組み、”ライトケアサロン”のメンバーが心からよかったと思える場所にしていく。絶対に損はさせない。
どんなコミュニティなの?
これまでコミュニティの話をたくさんしてきたが、具体的にどんなコミュニティなのか、ここで改めて紹介したいと思う。
まず、このコミュニティは”ライトケアサロン”という名前で、主に支援者や家族介護者が気軽に集い、交流できる場所だ。日々の悩みや喜び、経験を共有し、学び合いながら支え合うことを目指している。
① チャットで日々の悩みや体験を共有できる場
ライトケアサロンでは、複数のチャットルームがあり、それぞれのテーマに沿って参加者が交流できる。「お悩み相談部屋」「嬉しいこと共有部屋」「体験談共有部屋」「支援者交流部屋」など、多彩なトピックに基づいたチャットが用意されているため、支援者と家族介護者の垣根を越えて、自由に意見や経験を共有することができる。
② 毎月の勉強会や交流会に参加できる
月に1回、介護に関する勉強会や、支援者と当事者が一緒に参加できる交流会が開催される。介護保険制度やサービスに関する基礎知識を学べるだけでなく、他の参加者との対話を通じて新たな視点や気付きを得ることができ、不安や悩みの解消に繋がることもある。知識だけでなく、心のケアも大切にした場となっている。
③ 有料コンテンツが無料で見放題
コミュニティのメンバーは、通常は有料で提供されているコンテンツを無料で楽しむことができる。例えば、「世界一わかりやすい介護保険の教科書」や、リアルな介護体験談といった有益な情報が含まれており、これからもコンテンツは増えていく予定だ。まるでサブスクリプションのように、継続的に新しい知識を得ることができる。
④ 勉強会で登壇者として参加でき、報酬が得られる
毎月開催される勉強会には、専門職によるセミナーや、当事者家族の講演、支援者と当事者の対談など、メンバーが主体となって参加できる形式のものがある。登壇者として自分の知識や経験をシェアしてくれた方には、報酬制度も設けている。「SNSで発信してみたいけれど、なかなか勇気が出ない」という方にも、安心して自分の声を届けられる場となっている。
このコミュニティは、単なる情報共有の場にとどまらず、支援者と当事者が共に学び、成長し合う「心の拠り所」を目指している。どんな形でも、あなたの参加を心から歓迎する。
申し込み方法&スペシャル特典
”ライトケアサロン”へのお申込方法は、公式LINEからとなる。まだLINE登録を済ませていない方には、ぜひご登録いただきたい。お手数をおかけするかわりに、LINE登録をしてくれた方には、特別なプレゼントを用意した。 \\\LINE登録はこちらから///
LINE登録の三大特典を以下に紹介する。
①地域包括支援センター完全解説
ライトが提供する、地域包括支援センターの解説動画だ。地域包括支援センターについて「名前は聞いたことがあるけど、実際何をしているのかわからない」という疑問を抱えている方にぴったりの内容となっている。世界一わかりやすく解説しており、短時間でその役割や重要性を理解できるように作られている。
②仕事と介護の両立支援セミナー
2023年7月21日に、京都大学発のベンチャー企業「株式会社Wicker」と共同開催したセミナーのアーカイブ動画。このセミナーは、これから親の介護を控えている方々に向けて、仕事と介護の両立について楽しくわかりやすく解説している。
・抑えておくべき基本ポイントの完全解説
・介護保険や介護に備えるための基礎知識の丁寧な説明
一般の方にも理解しやすい内容となっており、専門職の方には物足りないかもしれないが、家族に説明する際に役立つ情報が詰まっている。セミナーの質疑応答も収録されており、ライブ感を味わうことができる。
③老人ホーム紹介業者ってぶっちゃけどう?
元若者ケアラーのなつゆめちゃんとライトによる対談ラジオ。このラジオは、老人ホーム紹介業者について支援者と家族の双方の視点から切り込んだ、かなり率直な内容だ。表ではなかなか話せないことが語られているため、ぜひ小さい音量で聴いてほしい(笑)。普段は聞けないリアルな裏話が満載だ。
これらの特典を通じて、参加者にとって価値のある情報を届けることを目指している。さらに、ライトケアサロンでは今後もこうしたコンテンツをどんどん配信していく予定だ。ライトとなつゆめの強力なコンテンツ力で、コミュニティを活気づけていくので、ぜひ楽しみにしていてほしい。
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ライトケアサロンに関する疑問
ライトケアサロンに関するよくある質問について、以下のようにまとめることができる。
まず、理学療法士や看護師をはじめとする様々な専門職、例えば介護福祉士やケアマネージャー、MSW、医師など、介護に関心を持つ方であれば、どなたでも参加可能である。入会後には介護に関する具体的な相談ができるかとの質問に対しては、サロン自体は交流や悩みの共有を目的としており、物理的な解決策を提供する場ではないため、具体的な相談は地域包括支援センターや担当のケアマネジャーに委ねるべきである。
勉強会の参加については、必ずしも出席する必要はなく、自分のペースで自由に活用できる。アーカイブも基本的には残す予定だが、ゲストの意向やテーマによっては保存されないことがある点に注意が必要だ。
サロンでは、月々の勉強会や交流会、チャットでの悩みや体験の共有、ライト&なつゆめの有料コンテンツの無料視聴など、多岐にわたる活動が行える。また、勉強会で登壇することも可能であり、登壇者には報酬制度が設けられているため、自身の知識や経験を共有したい方には大いに機会がある。
支援者と家族介護者が交流するメリットとしては、新たな支援策や課題発見、異なる視点からの気づきが得られること、さらに家族介護者の主体性を理解した支援が実現できる可能性が挙げられる。加えて、支援者自身が癒しやエネルギーを得ることも期待できる。
オンラインコミュニティへの参加が初めての方に対しても安心して参加できるよう、しっかりとサポート体制が整備されており、全員が安心して交流できる環境を提供する。
退会はいつでも可能で、詳細な手続きについては別途お問い合わせが必要となる。また、個人情報の取り扱いについては、コミュニティ運営の目的以外には使用されず、プライバシーポリシーに基づいて適切に管理される。
申込期間は9月30日から10月2日までの3日間に限られており、それ以降の募集は未定である。まずは入会者の満足度を重視し、体制を整えることが最優先事項である。内部の体制が整っていないことから月額会費も初回募集ではディスカウントさせていただく。つまり、初期メンバーになればずーっとお得にライトケアサロンに入会していられる。また、初回入会者に対しては特典として、先日リリースされた「世界一わかりやすい介護保険サービスの教科書2024改訂版」をプレゼントさせていただく。
さいごに-ライトの想い-
ぼくは定期的に断酒会に参加させてもらっている。断酒会とは、お酒に悩む酒害者が互いに支え合う自助組織だ。参加者たちが壮絶な体験を淡々と語る姿は、いつも心を打つ。当事者の苦しみや思いは、外部の者が完全に理解することは難しい。しかし、直接その声を聴くことで、少しでもその苦しみに寄り添い、理解しようとする気持ちが育まれていく。
ぼくは断酒会だけでなく、他の当事者団体の集まりにも時折参加している。支援者として、このような場に参加することは大きな学びにつながる。特に、当事者の声を聴くことは、自分の支援の引き出しを増やすことに直結していると感じる。断酒会の会長が家族の参加意義についてこんなことを言っていたことがある。「まずは家族が癒されることが大切だ」その言葉には深い衝撃を受けた。ぼくの中で支援者としての視点が広がる瞬間だった。
支援者が家族介護当事者と交流することで、得られる効果は多岐にわたる。新たな課題や支援策が見出され、異なる視点に気づくことができるだけでなく、家族介護者の主体性を理解した支援のきっかけともなる。そして、支援者自身が癒され、力をもらえる瞬間も少なくない。
一方で、家族介護者同士が集まることの意義も非常に大きい。孤立しがちな介護者にとっては、安心して悩みを共有できる場が重要であり、精神的な負担を軽減するだけでなく、介護に対する向き合い方を変え、余裕を持った介護ができるようになる。また、こうした集まりを通じて得られる情報は、日々の介護に役立つ。
ここでひとつの疑問が浮かんだ。支援者同士が学び合う場はよく見かけるが、支援者と家族介護者が気軽に繋がる場は少ないのではないか?そこで、元若者ケアラーであるなつゆめちゃんを巻き込み、家族介護者と支援者が共に繋がるコミュニティを作った。ぼくは支援者として、なつゆめちゃんは家族介護当事者として、共にコミュニティを盛り上げていく。
ぼくは支援について教科書通りのきれいごとを伝える。それに対して、なつゆめちゃんはライターならではの圧倒的な言語化力で、現実の厳しさを伝えてくれる。この二人の発信による相乗効果で、圧倒的なコンテンツを提供したいと考えている。
しかし、二人だけで語っていては視点が偏ってしまう。多様なメンバーが参加し、異なる意見や視点が交わることで、さらに深い気づきや救いが生まれることを期待している。クローズドなコミュニティだからこそ、安心して交流できる場所を提供したい。
あなたの参加を心からお待ちしている!
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