23.12.31 すべりだい

今年も残すところあと数時間。年末はいつも浮き足だって酒を飲み、二日酔いで呆けているうちに終わってしまう。そのせいもあって、今月は日記を書く暇がなかった。折角なので、年が明ける前にこの一ヶ月間を振り返ってみる。

上旬。友人とハコが大きいので有名なゲイバーに行き、酔って気分が良くなりそのまま2丁目に移動する。翌日に新規リアルの予定があったので早く帰るつもりだったのに、結局朝まで飲み明かした。案の定、ほぼ睡眠も取れず最悪のコンディションで待ち合わせ場所に向かう。相手は事前にアプリで見た通りタイプの顔で、会話の広がり方もいい感じだった。ただ、ランチの後に喫茶店でコーヒーを飲み、ウィンドウショッピングを終えたあたりで眠気が限界に達した。そして、正直に昨日あまり寝てないと白状した上で、眠すぎるので帰りたいと伝える羽目になった。もっと気の利いた言い訳があっただろうと今なら思うが、それだけの頭も回っておらず、最悪の選択を取ってしまった。

中旬。推しとバーで一緒にカラオケを歌った。自分の好きな人と、好きな曲を一緒に歌えるというのは本当に素晴らしいことで、心が幸福感で一杯に満たされる。自分は付き合った相手に対しても、アイドルとファンの関係のように、偶像化して崇拝してしまう癖がある。推しの人、なら相手が嫌がらない限りはいいかも知れないが、恋人ともなると対等な関係を結べないと長続きしないというのはこの一年で学んだ。そしてたぶん、この一方的に崇拝する癖も直さないといけないよな、と思いつつ、とりあえずそんなことはどうでも良くなるくらい、思い出すだけでキュンとする幸せな時間だった。

下旬。元彼と飲みに出る。好きなお笑い芸人のこと、地元の友達とのやりとり、など他愛もない話をするだけなのだが、それがすごく楽しい。彼とは今の関係性がやっぱり丁度心地いいなと思う。翌日、彼を交えて友達数人で酒を飲む。そこで酒に酔った彼の振る舞いは、昨日にも増して自由奔放で、天真爛漫だった。そんな彼を見て、僕は「お前のことを一番よく分かっているのは自分だ」と態度に表すことで、なんとか心のバランスを保っていた。でも、正直なところ今までに見たことがない自由な姿を見せつけられて、バッチリ彼に惚れなおしていた。彼はそんな気持ちを見透かしているかのように、気にも留めない態度でいながら、都合のいい時だけ甘えてきた。彼がキラキラ輝いて見える一方で、この日の僕は一つも魅力的な人間じゃなかった。結局、一度好きになった人は、いつまで経っても好きなままだなと思う。自分が相手を勝手に高い位置に置いているだけなのだろうが。

一昨日。高校の友達と年末恒例のフットサルをした。学生時代の悪ノリのまま、3時間コートを貸し切ってゲームをし続けるので、終わった頃にはもう立ち上がれない程に身体がボロボロになる。そのまま銭湯に行き、居酒屋でしこたま酒を飲み、ふと気づくとなぜか中野富士見町の駅にいた。終電もとうに無くなっており、仕方なくタクシーに乗って家に帰る。翌日、重い頭を引きずりながら、せっかく集まったのだから写真くらい撮っておけば良かったな、とフォルダを覗くと、撮った覚えのない写真が沢山溢れていた。意識を無くしても、写真だけはしっかりと撮る自分をちょっと褒めたくなりつつ、来年こそはもう少し酒量を控えたいと反省するのだった。

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