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思考の枠を超える

■書籍情報

書籍名:思考の枠を超える~自分の「思い込み」の外にある「アイデア」を見つける方法
著者:篠原 信
レポート作成者:白井優衣

■選定理由

先日、ハイパーソニックのテレアポを行いました。
いただいたリストでは、アポが取れにくいと判断し、インバウンドリストや失注リストに切り替えて担当者の名前を知っているところに荷電しました。

次の日にさやかさんから、与えられたリストではアポが取れにくいと考えて「どうやったらアポが取れるのか考え抜いて進めていたことがすごいと思った」と言っていただきました。

これはコンサルタントとしてとても大切な考え方で、できる方法を考えてどうやったらできるのか、考え抜いてやり遂げることが重要なのだと教えていただきました。
また、商品を売るためにどうするのかをいくつもの仮説を持って考え抜くことが重要だと教えていただきました。

そして、現場に出て意見を出すときは自分の意見を持ち、仮説思考を考えていくことを優衣にはして欲しいと言っていただきました。

そのため、いくつもの仮説を持って考え抜くことが重要だと感じたため、この本を選定しました。

■はじめに

私たちは予想外のことが起こるとどうすればいいのかわからなくなり、混乱してしまう。
これは味覚などの五感でも起こることらしい。見た目で甘そうと思ったらしょうゆ味、そんな想定外のことが起こると本当は美味しくてもまずいと感じる。

人間は行動を起こす前にこれから起こるだろうことを無意識に想定し、五感や筋肉、思考をスタンバイさせているらしい。ところが想定と違うことが起きたらとっさに対応できなくなる。

こうした事例の想定を思惑という。この言葉なかなか含蓄が深い。想定と違って戸惑うと読めるからだ。
私たちは何かしらの行動に移るとき思考の枠組みを無意識のうちに準備する。
そして、その枠と違う事態になると戸惑いまさに、思惑と言う字のとおりになってしまう。

そんな時に大切になってくるのが、機転を利かせて次から次へと思考を改める柔軟な思考が必要になってくる。

思考の枠組み、「思枠」がキーワードなのである。不器用な人は思枠に囚われやすい。「柔軟な発想」をすることに意識するだけで相当の改善が図れるのではないかと考える。


仮説的思考 観察眼を磨く仮説の力


「観察」を鋭くするのに大変有効な方法がある。
それは「仮説を立てる」ということだ。特にこれは未知の現象を相手にするときに威力を発揮する。

学校で習うことはすでに知っていること(既知)ばかり。まだ誰も知らないこと、正解のないことにはどう取り組めば良いのかさえわからない。
特に不器用な人間は、正解のないことが大の苦手。
正解がわかっていれば丸暗記すれば良いが、マニュアルもないことは器用者でも尻込みする。

しかし、未知と向き合う方法が実はある。しかもそれは赤ちゃんが本能的に行う思考法であり不器用者でも実戦可能な方法だ。
それが仮説的思考だ。

■昔は誰でも仮説的思考ができていた

赤ちゃんは生まれたときから未知の中に投げ込まれる。なにしろ赤ちゃんは言葉が通じないから教えようがない。言葉さえ赤ちゃんには未知のもの。親もどうしようもない。

しかし、赤ちゃんは教えられなくても言葉や歩行をマスターしてしまう。
赤ちゃんは頭の中で「こういう声ならお腹が減ったとわかってもらえるかも」という仮説に気がつく。その仮説に基づいて意識的に声を発している。気づいてもらえたら次から同じ声を発してミルクをもらおうと考えるようになる。こうして次第に言葉を習得していく。

「こうしたらこうなるかも」「こういうインプットならこんなアウトプットが返ってくるかも」そうした仮説を立て、実際に試して上手くいくかどうかを検証する。こうした試行錯誤を繰り返して子供は次第に言葉を獲得していく。

■仮説的思考をビジネスで使う場合


これはビジネスでも同じだ。お客さんでいっぱいのレストランを始めたければまずは人気のレストランを片っ端から観察し、人気の秘密を探る。流行の内装や人気メニューはこれじゃないかと仮説を立てる。

その仮説を元に次は不人気な店を観察すると仮説通りの特徴なのに人気のないレストランの存在に気づく。すると新たな仮説に切り替える。

こうして仮説の精度を上げ、実際にレストランを立ち上げる。するとお客さんの入りが少ない。どうやら立地がお年寄りが多い地域で若者向けの内装とメニューが合わない様子。

お年寄り向けの料理を増やし座り心地の良いクッションを用意してみたら、と仮説を立て、徐々に顧客の要望に近づいていく。

少しずつどうすればよいのかを明らかにしていくには、仮説を立てることが有効だ。仮説を立てると自然に観察眼が鋭くなる。仮説とどこか違うかを目安に観察できるからだ。

「こうじゃないか?」と感じた感覚を大切にし、「だとしたらこうすると上手くいくかも」と仮説を立て、その仮説に基づいて行動してみる。
そうした試行錯誤を繰り返すとだんだんと知らないを知るに変えていくことができる。

■仮説的思考のステップ

実は、この仮説的思考は科学の方法そのものだ。科学では五段階ステップを踏む。
観察・推論・仮説・検証・考察だ。


先ほどのレストランの事例なら、まずは人気のレストランをたくさん観察する。観察から「これが人気の秘密ではないか」という推論が自然と湧き上がる。
そうしたら、「こういう特徴を備えれば人気が出るのでは」と仮説を立てる。今度はその仮説を検証するため、あえて不人気のレストランを観察しまくり、仮説通りなのに不人気な店はあり得るのか検証する。

もし仮説が上手くいかないなら原因を考察し再び観察に戻り、仮説の精度を上げていく。私はこの方法を科学の五段階法と呼んでいる。

私と同様、不器用な人はそもそも答えのない事に向き合うのが苦手だ。けれど、仮説的思考(科学の五段階法)を行えば未知は少しずつ既知にすり替わっていく。すると不思議なもので、仮説の立て方もだんだんとうまくなり、大外れが少なくなっていく。「勘が働く」ようになる。

■失敗を繰り返えして仮説の精度を上げる

人工知能は「深層学習」という新たな手法で何度も試行錯誤を繰り返すうちこうした方が勝つ確率が高くなるかもという一種の勘が働き、世界的な碁の猛者にも勝つようになった。
勘とは、数多くの失敗を経験することで浮かび上がる、以外に精度の高い仮説なのかもしれない。

「仮説」をたて、失敗してもまたそこから新たな仮説を立てる。こうした仮説的思考を繰り返していくとだんだんとひどい失敗もしなくなる。
失敗したとしても適切な仮説を見つけるのが早くなり、早期に失敗を繰り返すこともできるようになる。

「仮説的思考」は思考の中にとどまり続ける事がなくなり観察対象から新たな思考の存在を教わる方法だといえる。赤ちゃんの頃を思い出し、仮説的思考を少しずつ練習してみて欲しい。

慣れてくると想定外の未知の現象が起きてもむしろ新しい発見ができると感じて嬉しいと思うようになる。そんな思考法をマスターできるだろう。

■まとめ


・「仮説的思考」は、不器用者がもっと苦手とする未知との向き合い方を可能にする方法
・観察し、仮説を立てるという「仮説的思考」は観察眼を磨き上げ、精度を高めるのに非常に有効な方法

■1週間の取り組み

テーマを決めて仮説的思考の五段階ステップを使い考える。

月曜日→観察:人気のカフェや売れている商品、成功した企業など、どのテーマで取り組むのかを選定する

火曜日→推論:これが人気の秘密ではないか、成功した秘密ではないかと考える

水曜日→仮説:こういう特徴を備えていたから人気が出たのでは、と仮説を立てる

木曜日→検証:実際に検索して人気が出た秘密を調べる

金曜日→考察:そこから考えられる考察と振り返りをする

・ドキュメントにまとめて次回の振り返りレポートの際に提出します





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