制作日記　8月某日(三)

今週の進捗お盆休みの成果を発表しましょう。しかし、いいお知らせが2つと悪いお知らせが1つあります。まずはいいお知らせから。

いいお知らせ①

ミニゲーム3つ目ができました

ゲームに登場する書類のなかには、光っている箇所があります。これをクリックすると……

しゃ、喋った！

このように、書類のなかのキーワードをクリックしながらキャラクターと会話し、手がかりを集めていくシステムです。オーソドックスなポイントアンドクリックという感じですね。書類全体をそんなにしっかり読まなくても、特定の箇所さえクリックしていけば何となく内容が入ってくる構成にしたいと思っています。この場面、こんなにもシンプルな画面なのですがゲームの裏側はというと……

きたなっ

こんなにクチャクチャだったりする。設計は難しいですね。動いているので良しとしましょう。

いいお知らせ②

シナリオ初稿ができた

大変でした。シナリオを書くのが苦手です。キャラクター同士の掛け合いを書くのは好きなのですが、それを繋げて一連のストーリーにする作業となるとドツボにハマってしまいます。パズルのピースを作るのは得意だけど、組み立てるのは苦手なんですね。今回も七転八倒しながら書いたのですが、最終的には……気合い？　で何とかしました。

コツを1つ挙げるとすれば、「三幕構成を気にしない」ことでしょうか。ご存知ですか、三幕構成。シナリオ指南書を読むと必ずといっていいほど書かれている、ストーリー設計の基本的な構造ですね。ざっくり言うと、物語を3つのパートに分けて組み立てるやり方です。かつて自分はシナリオへの苦手意識を克服するためにストーリー構築のハウツー本を読み込んだことがあり、どの本にも「三幕構成さえ守れば必ず面白くなる！」と書かれていました（※主観アリ）。そのため今でもシナリオに取り掛かるときは「三幕構成……三幕構成……」とブツブツ言いながら着手しがちです。

が、なんか、自分にはめっぽう肌に合わないんですよね、三幕構成。どんなアイデアが頭の中にあっても、三幕構成に当てはめようとすると途端に硬直して動かなくなってしまいます。三幕構成を使う目的はシナリオを書きやすくする補助線であるはずですが、三幕構成を使おうとするほどかえって縛られて書けなくなってしまうのです。今回はむしろ、「やっぱりムリだ三幕構成！」とサジを投げたあたりからお話が固まり出した気がしました。コツは三幕構成を気にしないこと、すなわち「皆が使っていても自分には合わないやり方がある」と認めることだった気がします。

悪いお知らせ

ミニゲームをあと4個作らないといけなくなった

増えとるがな！！　はい。シナリオを書き上げたところ「ここはセリフが続きすぎるのでは？」「何かミニゲームを入れた方がプレイヤーが没入しやすいのでは？」という箇所がいくつか浮上し、新たに設計する必要が出てきました。そもそもの悩みどころどして、シナリオ初稿がかなり長いんですよね。ゲームの肝心の部分は書類整理ミニゲームなのですが、そこに至るまでのキャラクター描写に必要なストーリーパートが冗長になっています。このままだと、売り文句として考えていた書類考察アドベンチャーではなくなってしまうのでは？

………………。

しばらく考えたのですが、やはりシナリオは初稿をベースに進めようと思います。なぜここまで悩んでいたかというと、「ゲーム開発者」ならキャラクターなどのフレーバーよりゲームの遊びを優先すべきではないかという固定観念があったからです。

しかし本当のところ自分はゲーム開発者なのか？　と自問すると、まあゲームを作っているので開発者ではあるのですが、もっと辿ると開発者である以前にキャラクター大好き創作オタクなのです。自分の強みという観点からいっても、ゲームシステムよりもキャラクター描写の方が長年培ってきた経験値があります。今回はゲームありきのキャラクターというより、キャラクターを好き放題動かしてオマケにちょっとゲーム要素もあるくらいの心持ちで自由に作ろうと思います。

これにてシナリオは決定稿へ……というわけでは残念ながらなく、もう少し調整を加えます。具体的には、実際にゲームに会話を実装してみて、不要な会話や矛盾点が生じないかチェックする段階となります。その後は新しい4つのミニゲームを（ゼエ）設計し（ハア）実装する予定です（ゼエ）。

連休終了にともないちょっとペースは落ちそうですが、次のこたつシーズンが終わらないうちにリリースできればと考えています。よろしくお願いします。

今週の絵

フローライトのホタルを、オコルス産標本っぽい塗りにしたくて研究していました。塗り方としては結構満足しているのですが、それはそうとこの絵は棒立ちで証明写真すぎる。

それではまた来週。