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注意欠陥多動性障がいの子どもとの出会い

 私が、小学3年生の担任をしたときでした。

 初日から、良くしゃべる、ずっと音が出る、すぐに席を立つ・・・・
毎時間、注意をしなければならないのはもちろんですが、子ども同士のトラブルも絶えず起こり、親とは、毎日のように電話や連絡帳、時には学校に来てもらって話をすることもあり、ほんとに密に連絡を取っていました。

 お母さんも障がいのことをある程度理解していて、私が出会った時には、3つの病院の予約をしていました。
その頃、発達障がいについての診察予約は、半年や1年待ちが当たり前でした。

 予想していた通り、「注意欠陥多動性障がい」の診断がおりました。

 しかし、診断がおりたからと言って、何が変わることもありません。
 しばらくは、「やっぱり・・・・」という気持ちが変わっただけで、毎日お母さんとのやり取りを続けてしていました。

 変化があったのは、薬が処方されてからでした。
 あ母さんは、副作用を心配されていましたが、服用することになり、飲んできた日のその子の行動は、全く別人のように落ち着いた行動をとることができました。

 副作用もあって、本人も家族も苦しい想いがあったのかもしれませんが、学校での様子が変わり、学習に対しての集中力もどんどん伸びていきました。
 5年生の時には、教室をのぞいても、その子を探すのに時間がものすごくかかるくらい、目立つことなく集中して取り組めていました。
 何よりも、本人の自信が3年生のころと違って、自信をもって活動で来ていたと思います。

 薬の服用については、賛否両論あり、実際に目の前の子どもの親御さんが、服用を迷っているという相談を受けると、私自身には答えを出すことはできません。
 やってみないことには・・・・
 メリットとデメリットを確かめてみて、メリットの方が本人と親御さんにとって大きいと思った時に服用をするということは、将来を考えたときにものすごく有効だと思いますが、デメリットを辛い想いをして我慢してまで服用することは、幸せな未来を創造することができないからです。

 風邪をひいたときに、すぐに病院へ行って薬をもらって早く治すことも悪いことではないと思うし、我慢できないほどの熱などの症状がでないならば、自分の免疫力を信じて病院へ行かず、治すということも悪いことではないと思います。

 どちらを選ぶかは、本人や家族の気持ち次第です。

 私が相談を受けたときには、本人の気持ちがどうなのかを親御さんがどう受け止めているか、親御さんは、服用することについてどう思っているのかを聞くようにしています。
 親御さんが、よりよい将来を見通せる道を選ぶことができるようにお手伝いできればと思っています。

 小学3年生で出会った注意欠陥多動性障がいの子どもは、今、大人になって社会の中でしっかり働いていると聞きました。

 たくさんの子どもたちが、自分自身に自信をもって成長していってほしいと願っています。


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「発達障がいの事例Ⅲ」https://youtu.be/HEhkaFCiO7k?t=10

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