ゼロからのMPRE対策(ざっくり受験体験記)

〜はじめに〜

MPREは法曹倫理に関する選択式のテスト(2時間で60問)で、米国弁護士資格を得るためには、各州で設定された最低点を上回る必要があります(点数調整後のスコアで、ニューヨークは85/150、カリフォルニアは86/150の得点が必要)。合格最低点を取るには6割以上正解すればいいとされており、留学生の間では、まあ落ちることはない、簡単な試験であると評価されることがあります。

ただ、私のように非法曹の政治学科卒で、実務経験も全くないというど素人の状態だと、なかなか厳しい試験になると思います。受験機会は一年に3回あり(3月、8月、11月)、受験回数に制限はありませんが、試験費用もそこそこ高く、一発で合格したいところです。

本稿では、法律学ど素人、Professional Responsibilityって見当もつかないよ?というレベルの人向けに、どうやって合格スコアを取ったのか、私の体験談(103/150、約7割の正答率)を残しておきます。

1 受験時期の検討

ほとんどのLLM生は1年のコースで、8月に入学→翌年5月(or6月)に卒業→7月末にBar受験というスケジュール感で動くことになるかと思います。周りのLLM生では11月(9月上旬申込締切)に受験する人がほんのり多く、次に3月(1月下旬締切)に受験する人が多いイメージです。

MPREの受験は、なんだかんだ直近2〜3週間は集中的に対策する必要があります。Bar本体の勉強を余裕を持って進めたい場合は、この期間は対策がストップしてしまうため、11月に早めに済ませておくのが望ましいように思います。また、3月受験の場合、試験結果が出る時期がロースクールの期末試験と被るため、変なところにメンタルを割かれてしまうというデメリットがあります。

次の考慮事項として、個人的には、Professional Responsibilityの授業を受講中の頭がフレッシュな時期に受験することをお勧めします。私は未受講の状態で受験したのですが、代わりにアウトラインを読んで勉強しても、なんだかどの箇所もぼやっと同じようなことを言っているような気がしてしまい、非常に効率が悪かったです。

2 各合格体験記を読む→勉強の着手

ネットをいくらか検索すると、日本人の書いた体験記が色々出てくるので、いくつか読んで相場感を得ておくと良いです。

受験の1ヶ月前から対策すれば十分、という意見が大勢といった印象ですが、弁護士としての経験がそもそもゼロで、ローでの授業も未受講という場合は、極力早め、2ヶ月ほど前からはスタートした方が良いです。ある程度やるべきことが分かっていても、要領が悪く勉強がうまく進まないということが、少なくとも私は多々ありました。

3 知識をインプットする

MPREでは、主にMRPC(Model Rules of Professional Conduct)とMCJC (Model Code of Judicial Conduct)の内容が出題され、究極的にはルールそのものを全部覚えれば受かりますが、膨大な量の無味乾燥な文章を暗記するのは至難の業です。また、各予備校から出ているアウトラインをただ読み進めるのは一度はやっていいですが、大抵は頭に残らず使い物になりません。私はアウトラインを適当に(とは言いつつ、そこそこ時間をかけて)読んでから問題を解いたところ5割弱しか取れず、相当焦りました。

オススメはJD Advisingから出ているOne sheetで、無料で会員登録することで入手できます。計2ページにまとまっており、足りない部分は当然あるものの、これを繰り返し丸暗記するだけでスコアが急速に改善しました。

4 とにかく問題演習する(+各予備校の活用)

MPREは6割取れれば合格ラインと言われますが、6割はギリギリで、点数調整の結果次第では不合格スコアになる可能性があります。問題演習を繰り返し、7割は取れるレベルまで対策すると安心です。

とにかく点数が取れないことには意味がないので、まずは問題をどんどん解いてみて、解けなかった部分はOne sheetと照らし合わせ、知識の足りていない部分はメモしました。問題演習→One sheet(orその他インプット用教材)へのメモ→暗記→問題演習…のサイクルで、徐々に手応えがついてきます。

問題は各予備校が無料でパッケージを展開しているので、どこかを選んで愚直に解き進めれば良いと思います。周りのJD生曰くBarbriの評価が高い(=問題が難しく、本試験が簡単に感じるようになる)そうなので、こだわりがなければBarbriを選んでおけば無難だと思われます。
ちなみに、私はBar本体の対策講座を買ったこともありQuimbeeにしましたが、ときたま微妙なクオリティの問題が入っていました…

問題演習量は、大体見ていると200〜300問程度こなしている方が多い印象です。私は300問超やったところで7〜8割弱得点できるようになり、あとは間違った問題の復習に充てました。

5 試験当日、しっかり無事に到着する

試験はPearson AVEというテストセンターで行い、開始20分前に着いたところ一番目に受付してもらえ、すんなり受験開始できました。試験日は不慮のトラブルも想定され、心理的に平穏に受験するためにも、持ち物等の最終確認、時間前行動などの当たり前を順守します。

〜おわりに〜

要すれば、とにかく問題演習を繰り返すべし!ということに尽きます。
試験後は手応えがなく不安でしたが、蓋を開けてみれば並の酷くはない結果だったので、自信がない人ほど量をこなすことを強くおすすめします。

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