【日中外交】習近平国家主席、安倍晋三元総理逝去に伴い岸田文雄総理に対して弔電を送る
【翻訳】
2022年7月9日、習近平国家主席は安倍晋三日本国元総理逝去に伴い、岸田文雄総理に対して弔電を送りました。
習近平国家主席は中国政府と中国人民を代表し、個人の名義で、安倍晋三元総理が突然不幸に遭い逝去したことに対して深い哀悼の意を示し、安倍晋三元総理の親族に対して弔問の意を示しました。
習近平国家主席は安倍晋三元総理は在任中、日中関係の改善を推し進めるために努力し、有益な貢献をしたと指摘しました。私(習主席)はかつて新時代の要請に合致した日中関係の構築について、彼(安倍元総理)と重要なコンセンサスに達しました。私(習主席)は彼(安倍元総理)が突然世を去ったことに対して深い哀惜の念を感じます。私は総理閣下と共に、日中間の四つの政治文書が確立した様々な原則に基づき、日中の善隣友好協力関係を発展し続けていきたいと思います。
同日、習近平国家主席と主席夫人である彭麗媛教授は安倍晋三元総理と安倍昭恵夫人に向けて哀悼と弔問の意を示しました。
原文引用元:中国外交部HP(2022年07月09日12時44分)
https://www.fmprc.gov.cn/zyxw/202207/t20220709_10717924.shtml
【一言】
・李克強国務院総理も弔電を発表している。以下訳文:「安倍晋三元総理はかつて日中関係の改善と発展を推し進めるために積極的な貢献を行なった。私は彼と何度も会談を行い、両国関係を促進させ有益な交流を行なった。私は岸田総理とのコミュニケーションを強化し、日中関係の持続的で健全かつ安定的な発展を推し進めたいと思う。」
・安倍元総理の突然の逝去に対する中国の反応は日本国内で様々報道されている通りである。日中関係の推進に貢献した、残念だとの同情の声がある一方で祝福の日だとするコメントもあり、この事件に対する中国国民の反応は二分化していると言えよう。そうした中で、中国政府が弔電を送ったと公表したことは安倍元総理が日中関係に大きく貢献したと中国政府が公に認めたということでもある。
・原文の「构建契合新时代要求的中日关系」の訳文は「新時代の要請に合致した日中関係の構築」と中国駐日大使館HPの翻訳に準じた。
・なお、7月11日の外交部定例記者会見にて安倍元総理の告別式への参加について記者が質問したところ、「中国側はまだ日本政府から(告別式の)スケジュールについて正式に通達されていない。日本から正式に知らされた後、関連事項を検討するつもりだ。」と回答している。なお、同日馬朝旭外交部副部長は北京の日本大使館に中国政府を代表して弔問しに訪れている。
・さらに7月12日の安倍前首相の告別式に頼清徳台湾副総統が参加したことに対して、中国外交部は12日の外交部定例記者会見で「台湾は中国の一部であり、いわゆる『副総統』ではないということを断っておく。日本の安倍晋三元総理が不幸に亡くなった後、台湾当局は機会を利用して政治操作や政治文章を作成したが、その政治陰謀は絶対に実現不可能である。中国はすでに北京と東京で日本側に厳正な申入れを行い、我々の立場を明確に表明した。」と表明している。
【安倍総理と中国首脳との会談経歴】(外務省HPより集計)
習近平国家主席(10回)
・令和元年12月23日(日中韓サミット@成都)
・令和元年6月27日(G20大阪サミット)
・平成30年11月30日(G20ブエノスアイレスサミット)
・平成30年5月4日(電話会談)
・平成29年11月11日(APEC首脳会議@ベナン)
・平成29年7月8日(G20ハンブルクサミット)
・平成28年11月20日(APEC首脳会議@リマ)
・平成28年9月5日(G20杭州サミット)
・平成27年4月23日(バンドン会議60周年行事)
・平成26年11月10日(APEC首脳会議@北京)
李克強国務院総理(6回)
・令和元年12月25日(日中韓サミット@成都)
・令和元年11月4日(ASEAN関連首脳会議)
・平成30年5月9日(李克強国務院総理訪日)
・平成29年11月13日(ASEAN関連首脳会議)
・平成28年7月15日(ASEM首脳会合@ウランバートル)
・平成27年11月1日(日中韓サミット@ソウル)
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