【社員インタビュー】大手企業のAI研究開発職から50代でスタートアップへ!(CTO)
CTO 森川 幸治
新しい価値はテクノロジー/サイエンスから生まれる
LIFESCAPES以前のキャリア
小さい時から工作やパソコンが好きで小学生の時からプログラミングをしていました。そのまま大学生になっても、学校の教材のプログラミングのアルバイトをするなど、好きなことを仕事につなげてくることができたと感じています。ロボットに興味があったので、電気と機械の両方が学べる工学部の電子機械工学科へ進学し、よりロボットの“脳”に興味がシフトして、大学院では今でいう人工知能関係の研究室に進みました。
卒業後はパナソニックへの進路を選び先端研究部門に配属されました。家電、デバイスそして半導体など多種多様な製品を生み出す会社には、専門としていた情報処理だけでなく、物理や化学、デバイス、ソフトウェア開発など多岐にわたる様々な社内の専門家がいて、よく研究の議論をしていました。新しい商品を生み出すために議論を重ね、研究開発を進めていくことは、今振り返っても楽しかったです。
私の研究テーマとしては、情報処理、機械学習などを専門としていました。その中で、脳の情報処理の仕組みについての興味が出てきて、2003年頃から脳波計を用いて脳波の信号処理手法の研究をしていました。様々な状況での脳波を計測して、信号解析し、その結果を様々な部門の機器や開発に役立てる。その中で、脳波計の半導体チップの開発などにも取り組んだりもして、脳波のセンシングから信号処理、機器への組込までの一通りの経験をしてきました。そういう意味では最初からリハビリを意識していたのではないのですが、脳波の可能性を活かせる分野として様々な応用にチャレンジしてきた中で、リハビリとの出会いがありました。
牛場/LIFESCAPESとの出会い
LIFESCAPESが創業されるよりもずっと前の2014年に慶應大学との共同研究として脳波を用いたリハビリテーションの開発プロジェクトが立ち上がった時以来の付き合いになります。この当時、脳波の可能性を活かせる分野として医療分野も調べていて、ご縁があって一緒にリハビリテーション機器の開発を進めることになり、これが最初の共同の仕事になりました。リハビリテーション機器の試作品の開発完了となった後には一区切りとなり、社内では他のテーマに取り組んでいました。
久しぶりに再会したのが2019年7月に新潟で開催の第42回日本神経科学大会で、たまたま同じパネルセッションに招待されていて私と牛場さんが順番に講演しました。この時、よかったら会社の見学に来ませんか、とお声がけをいただき、私は見学や新しいものが大好きなので、今の青山オフィスを訪問して話を再開させました。最初から一緒に働きませんか、とお誘いをいただいていたのですが、簡単にYESとお答えした訳ではありません。最初は休日に手伝う兼業のイメージでいたのですが、会社には兼業の制度もなくどうしようかなっていう状況でした。
私はもともと、新しいもの、新しいことが好きで、パナソニックでも脳波や人工知能技術の研究開発という新しい分野にチャレンジをさせてもらっていたので、まったく不満はなかったのですが、牛場さんの話を聞いているうちに、「新しいし、おもしろそうかも」って思い始めたんですよね。
製品開発においては、研究所の基礎研究から、技術開発、量産開発を経て、製品へつながっていく訳ですが、商品化されるまでのすべてのプロセスに関われる訳でなく、あるポイント以降は事業部門へ引継がれていきます。大きな会社ですので、成果がバトンパスされていくうちに、手触り感がなくなっていってしまうという感覚はありました。ですので、自分の手で、最初から最後まで作り上げること。そしてその成果が社会のためになる可能性があること、そしてその時にやっていた研究がそのまま活かせることに強く惹かれてLIFESCAPESへの入社を決めました。
入ってみて、これまでの比較的均質な環境から、まだ人数は少ないですが多様な考えの人がいるということを実感しています。新しいことを生み出すためには、様々な意見が必要で、それがないと面白くないですよね。
テクノロジー・サイエンスの役割
今私はCTOという立場を頂いていますが、新しいことはテクノロジーやサイエンスから生まれると思っています。
テクノロジー、サイエンスベースドじゃないとできないことがたくさんあり、桁違いな変化、質的な変化はテクノロジーによってのみ実現できると思っています。それが自分達で作ったものだったらさらに面白い。反対に人が作った方法や、誰かが作ったものをなぞらえるプロセスはあまりワクワクしないですね。
やっぱりせっかく自分で取組むなら、脳にまつわることで、役に立つこと、世のためになることを追求したいと思っています。現在は、脳卒中のように脳が不調になった状況からのリハビリテーションを対象に取り組んでいますが、脳が不調になる前の段階で何らかの予兆を捉え、不調を未然に防止するということができたら社会に一石を投じることになるなと思って日々開発を進めています。
趣味・特技
学生時代:ボート部。去年は東京五輪でボート競技のボランティアをしました。
子育て時代:キャンプ。自転車、自動車、キャンピングカーとかで。国内外問わず。
近頃:自転車であちこち、輪行で電車や飛行機で遠征も行きました。
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