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安全安心な製品をお届けするために

重倉桃子(技術開発部・エンジニア)

LIFESCAPESに入るまで

高校生の頃、進路を考えているときにあった2つの出来事が全てのきっかけです。一つはテレビ番組に牛場先生が出ていたこと。念じて物を動かす、という技術を知り、元々ゲームが好きということもありますが、ゲームに応用できたら面白そうだと思いました。そしてもう一つは、同じ頃に祖母が倒れて、一命は取り留めたものの、日々の生活に困る状態になってしまいました。それでも、リハビリを通じて機能を回復させていく過程を間近でみて、リハビリ、特に脳と運動の関係性に興味を持つようになりました。

そこで大学では、生命情報学科という生命現象を科学的に捉える学科に進学し、脳や神経難病に対する化合物の探索を研究テーマとしていました。やはりその時も軸足は、脳と運動の関係性、神経系に興味がありました。

大学院では牛場研究室でブレイン・マシン・インターフェース(BMI)を使った脳波の変化を調べていました。今のBMIはERDという特定の周波数の変化を見ていますが、脳波の特徴量は他にも色々あります。私はその中でも、運動を始めようとする意図を表すMRCPという脳波に着目し、その変化を調べていました。研究室レベルでの結果ですが、BMIを使っていくとその運動意図を示す脳波も大きくなっていくことが分かり、BMIの上達に伴って、運動イメージだけでなくその準備も上手くなっているということが示唆されました。

大学院の時にやっていた研究は一区切りを迎え、次は実際にどう患者さんに届けていくか、というフェーズに移りたいと思い、帝人ファーマという、医薬品・在宅医療事業を提供する会社に4年半勤務していました。東京都にある医療技術研究所で、リハビリや呼吸器などの分野で研究企画に従事していました。帝人ファーマはリハビリの分野に力を入れていれており、私の脳と運動の関係性への興味を活かせる職場だったと思います。

LIFESCAPESへの転職

2019年に、牛場先生から声をかけていただいたことがきっかけでConnect(現LIFESCAPES)に入社しました。ちょうど前職で取り組んでいたプロジェクトも終わりが見えてきていたタイミングで、医療機器開発の最初から最後まで、一気通貫で携われることに魅力を感じて転職を決めました。やはりまた、学生の時に取り組んでいたBMIにまた再び携わることができることは、とても嬉しいことでした。

脳卒中の患者さんがいらっしゃる中で、BMIとリハビリの組み合わせの魅力は、これまで諦めるしかなかったことを諦めなくてよくなるお手伝いができることです。最先端の技術、サイエンスが好きというよりは、医療機器は家族や大切な人にも適用することができ、人のためになることに、包括的に携われる実感が持てるのが私にとってのやりがいです。
 

現在は、とにかく今開発中の第1号機を医療機器として世の中に出すことのために日々尽力をしています。私個人としては、世の中に製品として上市することができた時、そのプロセスに携わることができたと、自信をもって言えることを目標にしています。

医療機器は、品質管理が大事です。どのようなプロセスで設計をしたか、製造の過程で実施される検査の内容とその保管など、安全安心な製品をお届けするためのQMS(Quality Management System、品質管理)を担当しています。日々わからないことも多く、調べたり、有識者の方にご相談をさせていただきながら、少しでも製品化された後にも効率的な運用となるように考えながら前に進めています。BMIという新しいテクノロジーだからこそ、客観的に正しい情報を提供することを心がけています。日々勉強、という感じです。周囲の環境も、仕事の内容も大変恵まれていて、日々楽しくお仕事ができることに感謝をしています。

2019年当時のオフィス。全ての家具がレンタルで何もないオフィスから始まりました。

趣味・特技

リアル脱出ゲーム、ボードゲーム、オンラインゲームなど
最近は猫とごろごろするのも好きです。

最近飼い始めたアルファくん(初代なのでアルファと名付けました)
2016年 脱出ゲーム(イギリス)

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