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原因は自分にある。2024生誕コンセプト【げんじぶ考察】

こんにちは、タスカットルです。

2024年3月より始まった原因は自分にある。の生誕企画は本日公開された要人を含め現時点で光咲、雅哉、空人、和人の5名が公開されています。この5作品が全てシェイクスピア戯曲の台詞がモチーフとされていることから、凌大、潤も同様に何らかの戯曲が起用されると推測しています。

今回はこの生誕コンセプトが今後のげんじぶにどのような影響をもたらすのか光咲と和人の気になる発言も混じえて追求していきます。


生誕コンセプト

5名の生誕コンセプトを、コンセプトフォト、起用戯曲・台詞、翻訳、解説、の順でメンバーごとにまとめました。

1.小泉光咲

小泉光咲
原因は自分にある。- Instagram

恋は目で見るのではなく心が見たいように見る。だから、絵に描かれたキューピッドはいつも目隠しをしてるんだわ。

『夏の夜の夢』

『夏の夜の夢』第1幕第1場より
小田島雄志訳

『夏の夜の夢』は四角関係の男女がいたずら好きの妖精の浮気薬により4人の関係性がガラッと変わってしまうドタバタ劇です。
この台詞はヘレナの好きな男(ディミートリアス)が惚れている女(ハーミア)に嫉妬する場面で登場します。

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この台詞通り光咲のコンセプトフォトも片目を隠していることから、光咲のモチーフはキューピットであることがわかります。

恋の神様には分別なんてありゃしない。
翼があって目が見えないのは、せっかちで無鉄砲な印じゃない?だからよく言うのよ、キューピッドは子供だって。だって、とんでもない間違いばかり、いつだって。まるで嘘つきのいたずらな子供。戯れに嘘の誓いを立てるんだわ、何度も。

『夏の夜の夢』第1幕第1場より
河合祥一郎訳

ヘレナの台詞はこのように続き、キューピットについても言及しています。
また『ロミオとジュリエット』にも恋の神としてキューピットが登場します。

両作を扱いキューピットに関する考察を行った文献が面白かったので以下掲載させていただきます。

澤丈太郎「シェイクスピア作品における キューピッドの重要性」

http://human.kanagawa-u.ac.jp/gakkai/student/pdf/i14/140316.pdf

『幽かな夜の夢』といえば光咲の楽曲です。そのモチーフとなった戯曲を生誕コンセプトとして起用する制作陣の強い思想と美意識が見える作品ですね。


2.桜木雅哉

桜木雅哉
原因は自分にある。- Instagram

我々は夢と同じ糸で織り上げられている、ささやかな一生をしめくくるのは眠りなのだ

『テンペスト(第4幕)』

『テンペスト』第4幕第1場より
松岡和子訳

『テンペスト』は、シェイクスピア単独による最後の戯曲で、ロマンス劇とも呼ばれる喜劇の復讐劇です。
この台詞は、妖精たちによる祝福の余興が物悲しげに途絶えたあと、「この地上に在るいっさいのものは、結局は溶け去って、いま消え失せた幻影と同様に、あとには一片の浮き雲も残しはしない。」に続く言葉です。その後「はかない一生の仕上げをするのは眠りなのだ」と悟るように語ります。
魔法や妖精が作り出した「幻想の世界」と同じく「地上に在るいっさいのもの」は霧すら残らず跡形もなく無くなる。「我々(人生)」と「夢」を織物・糸に例えその最後は「眠り」によって完成するといった意味です。

筆者は、「この世は舞台、人はみな役者」の考え方のようにこの台詞からも「我々」が何者かによって生涯を終える運命であると解釈しました。キリストの教義では万物は神によって作られた(創世記1章)とありますが、ここでは織物に例えています。シェイクスピアがカトリックを信仰していた可能性は濃厚とされていますが戯曲に直接的な表現が見られないのは信仰に囚われず人間の深層心理を描きたかったからかもしれません。

少々話が脱線しましたが、雅哉のコンセプトに深みのある台詞を引用したのは驚愕と興奮でした。また雅哉のみ『Act IV of The Tempest』と第4幕に絞られている点は意図でしょうか。制作陣の拘りが見えますね。


3.大倉空人

大倉空人
原因は自分にある。- Instagram

ああ、恋の春は変わりやすい四月の空に似ている

『ヴェローナの二紳士』

『ヴェローナの二紳士』第1幕第3場より
小田島雄志訳


この場面は父に恋人の存在を隠そうとしたら逆手を取られ遠距離恋愛となってしまったプローテュースの台詞です。今の恋心を晴れたり曇ったり移り変わりやすい4月の天気に例えた言葉で、「恋の始まりは晴れたり曇ったりの4月のようだ」という翻訳が有名です。
天気の移り変わりやすさでいえば9月ではないか、という意見もありますが、恋の初々しさや危うさ、華やかさが感じられることから4月に例えたのではないでしょうか。4月生まれの空人に相応しいコンセプトですね。

そんなプローテュースですが、恋人を裏切り、
友人を嵌めて追放、と目的(友人の想い人)のためなら手段を選ばない男です。余談でしたが、恐らくプローテュースではなく台詞の美しさをコンセプトにしたと思います。


4.杢代和人

杢代和人
原因は自分にある。- Instagram

バラという花にどんな名前をつけようとも
その香りに変わりはないはずよ

『ロミオとジュリエット』

『ロミオとジュリエット』第2幕第2場より
中野好夫訳

前回の記事でも紹介しましたが、名前や立場ではなく本質が大切であることをバラの花に例え、ロミオへの愛を訴えるジュリエットの台詞です。つまり杢代和人という人にどんな名前をつけようともその美しさに変わりはないということですね。これもまた和人に相応しい台詞です。


5.吉澤要人

吉澤要人
原因は自分にある。- Instagram

この世界すべてが一つの舞台、人はみな男も女も役者にすぎない
それぞれに登場があり、退場がある、出場がくれば一人一人がさまざまな役を演じる、年齢に応じて、七幕に別れているのだ

『お気に召すまま』

『お気に召すまま』第2幕第7場より
松岡和子訳

こちらも前回の記事で紹介した「この世は舞台、人はみな役者」という有名な台詞です。スピ恋では戯曲のタイトルも歌詞として登場しました。
「七幕に別れているのだ」は、第1幕から赤ん坊、泣き虫の小学生、恋する男、軍人、裁判官、痩せこけてスリッパをはいた耄碌じじい、そして第7幕は二度目の赤ん坊、完全な忘却、歯も無く、目も無く、味も無く、何も無し。(松岡訳)です。人生を7つの階段に例えたジェイクイズの長尺な独白でこの世の全てを表現した訴えが感じられます。そんな人間の真理をつくような台詞を要人のコンセプトとして起用したようです。


(他2名随時更新予定)

〈類似点〉
・キューピット(恋の神)が登場する戯曲(夏の夜の夢/ロミオとジュリエット)
・劇薬により物語が展開される戯曲(夏の夜の夢/ロミオとジュリエット)
・楽曲で登場した戯曲(夏の夜の夢/ロミオとジュリエット/お気に召すまま)
・「夢」に関する戯曲(夏の夜の夢/テンペスト)
・誘導役が最後に役から下りて観客に語りかけるエピローグのある戯曲(夏の夜の夢/テンペスト)

〈相違点〉
・喜劇(光咲/空人/要人)、悲劇(和人)、ロマンス劇(雅哉)と時代や内容が異なる
・雅哉のみ戯曲の場面が絞られている
・空人起用戯曲は他戯曲との共通項がない

類似点と相違点をまとめたところ、生誕コンセプトに起用された台詞は一部世界観を通して類似している点もありましたが、シェイクスピアの戯曲という共通項以外見つけることはできませんでした。また、楽曲に通ずる戯曲の台詞を光咲が演じたり、恋を4月の天気に例えた台詞を4月生まれの空人が演じたり、としていたことから恐らく戯曲の振り分けはメンバーの個性を優先して選択されたものです。今後、この戯曲が何らかの形で継続される可能性も考えられますが、現時点でそのような他意は見つけることができませんでした。
加えて、和人は悲劇の戯曲ですが、死がなければ笑劇ともいえる『ロミオとジュリエット』であることから四大悲劇が他2名の生誕コンセプトとして登場する可能性は低いと思います。


光咲と和人の気になる発言

今年の5月16日に行われたインスタライブにて光咲と和人が生誕コンセプトについて以下のように言及していました。

光咲:あのFCのやつさ~なんかコン、コンセプトじゃないけど
和人:言っていいの?
光咲:コンセプトっていうか、どういう感じ
和人:今回のFCくじ、あれがですね。ロミオとジュリエットのコンセプトになっていて...光咲さん..はダメだよね?それ言っていいの?
光咲:え?なになんもないよ
和人:なんもないわけないでしょ(笑) 無理だよもう(笑) だからもう、光咲さんと僕の世界線は..繋がってるんすよ
光咲:繋がってるらしいっすね~ いやもしかしたらもしかする
和人:いやとぼけるのうますぎやろ!いや!もしかしたら!えっもしかしたらその世界線が?
光咲:混じり合う世界線がいつかくるかもしれないね
和人:世界線がいつかくるかもね?その杢代和人のロミジュリと光咲のロミジュリが~?
~茶番~
和人:まあそうなんですよ。交わる世界線がね。来る、んで!楽しみに、待っていてください。

2024.05.16 インスタライブより

一応訂正しますが、光咲のコンセプトは『ロミオとジュリエット』ではなく『夏の夜の夢』です。
光咲の「コンセプトっていうか、どういう感じ」という発言からは現在公開されているコンセプトとは別のコンセプトが秘められている可能性が伺えます。

スタッフに確認を取りながらの発言であることや「来る、んで!楽しみに」という和人の予告から『ロミオとジュリエット』と『夏の夜の夢』が混ざり合う世界線は現在進行中の企画である可能性が高いです。
またこれらは過去に、「シェイクスピアに学ぶ恋愛定理」で『ロミオとジュリエット』、「幽かな夜の夢」で『夏の夜の夢』と楽曲コンセプトとして扱った戯曲で、両楽曲はラブストーリーを描いた二部構成の作品でもあります。約4年ぶりに過去作品に関連する楽曲が公開されるのか、また異なる世界線が映像・ライブとして見られるのか、想像することしかできませんが、シェイクスピア戯曲を扱った何かが始まっていると期待して良いのではないでしょうか。今後のげんじぶの活躍に期待です。



p.s.

個人的な欲望ですが、秋頃にMuseum:0を筆頭としたアルバムが発売されることを願っています。









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