見出し画像

研究報告ガイドライン

研究の計画や報告、論文執筆の際に参考になるガイドラインについて、まとめます。

EQUATOR Network
EQUATORは、研究の透明性と正確な報告を促進するための国際的なイニシアチブであり、研究結果を論文で報告する際のガイドラインの提供や研究報告の質のモニタリングを行っている。EQUATORが提唱するガイドラインには、ランダム化比較試験を対象とした CONSORT、診断精度試験を対象とした STARD、疫学研究を対象としたSTROBE、無作為化比較試験のメタアナリシスを対象としたPRISMA などがある。

Consolidated Standards for Reporting Trials (CONSORT)
CONSORTは、ランダム化対照試験の研究報告の指針である。25項目のチェックリストとフローチャートからなる。CONSORT声明は、The Lancet、Annals of Internal Medicine、Journal of the American Medical Associationなどの多くの医学雑誌に支持されており、これらのジャーナルでは論文投稿時にチェックリストとフローチャートの提出が義務づけられている。

Standards for Reporting of Diagnostic Accuracy (STARD)
STARDは、診断に関する研究報告の指針である。30項目のチェックリストとフローチャートからなる。診断精度が正しく評価され、結果の一般化が可能となることを目的とする。

Strengthening the Reporting of Observational Studies in Epidemiology Statement (STROBE)
STROBEは、観察的疫学研究報告の指針である。コホート(cohort)研究、症例対照(case-control)研究、横断(cross-sectional)研究の各研究別のチェックリストと、22項目からなる統合チェックリストがある。

Meta-analysis of Observational Studies in Epidemiology (MOOSE)
MOOSEは、観察的疫学研究のメタ解析の報告の指針である。35項目のチェックリストからなる

Preferred Reporting Items for Systematic Reviews and Meta-Analyses (PRISMA)
PRISMAは、システマティックレビューおよびメタアナリシスの報告の指針であり、以前のQuality of Reporting of Meta-analyses (QUOROM)声明の更新・拡張版である。27項目のチェックリストと4段階のフローチャートからなる。主にランダム化比較試験に焦点を当てているが、それ以外の研究にも使用できる。

Standard Protocol Items: Recommendations for Interventional Trials (SPIRIT)
SPIRITは、介入試験のプロトコールに関する指針。33項目のチェックリストからなる。

【学習者のつぶやき】
CONSORTは臨床試験報告の執筆者にはおなじみのガイドラインで、チェックリストとフローチャートの提出を義務づける雑誌も増えてきています。その他のガイドラインは、まだそれほど浸透していないような気がしますが、以前1度だけPRISMAチェックリストの提出が求められたケースがありました。研究者を取り巻く状況を反映し、各ガイドラインとも改訂版や拡張版が出ていますので、随時把握しておきたいところです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?