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ライフリンク・メディア報道・2007年7月~2008年3月・自死遺族支援全国キャラバン②

ライフリンクが2007年7月から始めた「自死遺族支援全国キャラバン」は、各地で大きな反響を呼びました。内閣府や専門家とタッグを組んでのぞんだイベントでは、自死遺族支援をめぐって熱い議論が交わされ、充実した内容になりました。メディアも多くの観点から自死遺族支援を考え、濃密な報道を展開しました。

2007年7月1日、東京で第一弾のシンポジウムを開いて「出発宣言」をした後、最初の地方開催は秋田でした。当時のプログラムをみると、自死遺族支援にあたる官民の強い決意が伺えます。秋田県知事のあいさつ(副知事代読)、内閣府政策統括官のあいさつの後、官民の団体代表者によるパネルディスカッション「自死遺族支援の総合対策を考える」が行われ、休憩をはさんだ後、民間の団体代表者による二つ目のパネルディスカッション「自殺対策における民間団体の役割と今後の課題」が行われました。

会場で配布された資料からも担当者の熱意が伝わってきました。内閣府作成の資料では「3つの基本認識」として、①自殺は追い込まれた末の死②自殺は防ぐことができる③自殺を考えている人は悩みを抱え込みながらもサインを発している――が挙げられました。これをもとに「6つの基本的考え方」が示されました。

内閣府の配布資料

秋田県で長年自殺対策を担ってきた「NPO法人蜘蛛の糸」の資料には「ゆっくり → きっちり → じっくり → そして再チェレンジ」という、これまでの活動実績が示され、多くの人を勇気づけました。 

NPO法人蜘蛛の糸の配布資料

キャラバン開始にあたって、清水康之代表へのインタビュー記事が掲載されました。「死にたい、と思い悩むことは誰にでもある。だからこそ『自殺に無関係』と言い切れる人はいない」2007年7月3日 新潟日報)▽「1日90人も自殺しなければならない社会は、一員として容認できない」「自殺者を出さない社会は、だれにとっても生き心地の良い社会であるはず」2007年7月10日 読売新聞)。内閣府参事官の高橋広幸さんの発言「自殺は長らく個人の問題とされてきた。自殺者が急増してからも、個人の問題に公が立ち入っていいのかという認識はなかなか変わらず、結果的に対応が遅れたことには忸怩たる思いがある」(2007年7月17日 新潟日報)も紹介され、官民一体で取り組むキャラバンに、メディアの関心も高まっていきました。

自死遺族支援全国キャラバンの開催日一覧
東京都   2007/07/01
秋田県   2007/07/15
京都府   2007/08/11
長崎県   2007/08/18
新潟県   2007/08/19
佐賀県   2007/08/25
神奈川県  2007/09/01
宮崎県   2007/09/08
宮城県   2007/09/20
東京・西多摩2007/09/22
和歌山県  2007/09/24
福島県   2007/09/29
岩手県   2007/09/30
青森県   2007/10/06
広島市   2007/10/07
滋賀県   2007/10/08
兵庫県   2007/10/14
徳島県   2007/11/15
岡山県   2007/11/28
三重県   2007/12/09
広島県   2007/12/11
山形県   2007/12/15
島根県   2007/12/22
千葉県   2008/01/12
岐阜県   2008/01/19
埼玉県   2008/01/20
福岡県   2008/01/25
沖縄県   2008/01/26
栃木県   2008/01/27
愛知県   2008/02/03
熊本県   2008/02/07
鹿児島県  2008/02/09
石川県   2008/02/11
奈良県   2008/02/15
富山県   2008/02/16
高知県   2008/02/17
茨城県   2008/02/23
長野県   2008/02/24
北海道   2008/03/02
鳥取県   2008/03/09
大分県   2008/03/09
愛媛県   2008/03/15
香川県   2008/03/16
山口県   2008/03/17
群馬県   2008/03/20
山梨県   2008/03/22
福井県   2008/03/25
静岡県   2008/03/23
大阪府   2008/03/30

写真は、東京・六本木の森美術館にて。

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