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ライフリンク・メディア報道・「かくれてしまえばいいのです」④        

2024年5月3日の東京新聞は、こちら特報部の記事「『つらくなったら「かくれてしまえばいいのです』 生きるのがしんどい子のためのやさしいウェブサイトを取材した」を掲載しました。

東京新聞「こちら特報部」の記者も、アバターになってサイトに入ってみた。まずは「むきあうエリア」の「むかんけいばあちゃんの部屋」に。管理人のばあちゃんが「家族でも、先生でも、上司でも、クラスメートでもない。何を話しても大丈夫」と呼びかけてくれる。ここではヨシタケさんの描き下ろしで、つらい気持ちに寄り添う17話の小話を読める。
 同じエリアの「ロボとおしゃべりコーナー」は気持ちを打ち込むと人工知能(AI)と会話でき、悩みを打ち明けられる。「まずは自分の思いを外に出すことが大切。相談する練習の場」と清水さんは言う。
 「やりすごすエリア」には、ミニゲームが楽しめる「ゲーム自習室」、著名人がおすすめの映画や場所、つらいときのやり過ごし方を紹介する「オススメ市場」といったコーナーも。清水さんは「死にたい気持ちからとにかく一瞬でも別の気持ちになって、『もう少し生きるか』『生きてていいかも』と思ってもらいたい」と語る。

東京新聞の記事は反響も大きく、LINEニュースのトップでも扱われました。大谷翔平選手のニュースよりも上位でした。

2024年5月2日の河北新報は、子どもの自殺の深刻さにも言及しました。

「無関係だから私には何を話しても大丈夫」と語るキャラクター「むかんけいばあちゃん」からの「小話」が読める部屋や、苦しさを抱えてきた著名人の経験が聞ける「センパイ横丁」などがある。トラブル対策として利用者同士はコミュニケーションが取れない仕組みだ。
 厚生労働省のまとめでは、2023年の小中高生の自殺者数は513人となり、新型コロナウィルス流行以降、高水準が続いている。ライフリンクによると、運営する交流サイト(SNS)の相談窓口には毎月1万人前後のアクセスがあるものの対応しきれないケースもあるという。相談をためらう子も含め、受け皿の拡充が課題となっている。

2024年5月12日、ゲームの話題を中心に発信しているネットメディア「4Gamer」は、「かくれてしまえばいいのです」の開発の舞台裏をひり下げる記事をアップしました。

「4Gamer」では,ライフリンク代表の清水康之氏と「かくれてしまえばいいのです」の開発で中心的な役割を担った阿部氏に取材する機会を得て,サービス制作の裏側をうかがった。命をつなぐセーフティーネットの場において,ゲームが果たし得る可能性に考えを巡らせつつ,ご覧いただければ幸いだ。

4Gamer:
 ユーザーの利用が特に増える時間帯はありますか。またサービス内のコンテンツで,特にアクセス数の多いものを教えてください。

阿部氏:
 時間帯では夜が最も多く,18時から22時ごろにかけてユーザー数が増えていく傾向にあります。日付が変わるあたりには減り始めるのですが。

清水氏:
 学校や仕事が終わってひとりになり,翌朝への不安感のようなものが夜は高まりやすいかなと思います。コンテンツでは,最初に訪れることを推奨している「むかんけいばあちゃんの部屋」が一番アクセス数が多くなっていますね。この部屋では死にたい気持ちと向き合うための短い物語が,イラストを添えた“小話”という形式でいくつも描かれています。
4Gamer:
 「こっそりハッキリ発表ルーム」のように,生々しい自殺願望の投稿や閲覧が可能なコーナーもあります。こうした発信がユーザーに与える影響も少なくないかと想像しますが,安全な空間作りにおいて意識されていることをお聞かせください。

清水氏:
 リスク管理という意味では,ユーザー間での会話ができない仕様になっている点がまず挙げられます。「こっそりハッキリ発表ルーム」に関しては,運営側で承認した投稿のみが閲覧できる許可制の形を取っています。

 「死にたい」「消えたい」といった気持ちを吐露する内容はOKですが,人を傷つけたり自殺を誘うもの,あるいは自殺の決意表明みたいなものはNG,という基準で承認作業を行っています。
清水氏:
 自殺念慮を抱えている時には,何か別のものに意識を向けることによって,死にたい気持ちから少し距離を置くということも大切です。ゲームに熱中したり没頭したりしている間も同様で,これが死にたい気持ちをやり過ごすための効果的な手段のひとつになると考えました。

 「かくれが」は地上と地下に分かれていて,地上は「死にたい気持ちと向き合う場所」,地下は「死にたい気持ちをやり過ごす場所」になっています。地下には世界各地のほっこりする動画に出会える「ふにゃふにゃニュースセンター」や,お気に入りの映画やマンガなどの作品を共有できる「あなたのオススメおしえてルーム」といった部屋があります。

 ゲームについても,死にたい気持ちを考えずに済む時間を過ごすコンテンツの一環として,「ゲーム自習室」という名前で同じくこの部分に配置しています。
阿部氏:
 ゲームには刺激や興奮,あるいは射幸心や敵対心,優越感といったものを煽ることで娯楽として機能している側面もあると思います。ですが,このサービスのユーザーはしんどさを抱えている可能性があるという前提を踏まえ,あくまでも落ち着いてもらえることを目的に制作を進めました。

 いずれも数十秒ぐらいでクリア可能な規模で,敵が登場しないのも特徴です。攻撃をしたりされたりといった描写は一切なく,銃やナイフなどの武器もありません。また,アイテムによるインフレや成長して能力が強化されるような設定もないですね。

 それから,“ゲームオーバー”という表現も使っておらず,“リトライ”と言い換えています。ライフが3つあるというのは「3回の死」を意味することにもなりますよね。なので失敗したらリトライをして,何度もやり直していく。ちょっとした腕試しを行うぐらいの感覚で触れてもらえるよう,そうした細かい箇所に気を配っています。

これからも随時、「かくれてしまえばいいのです」の報道を紹介していきます。


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