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きょう心にしみた言葉・2023年10月23日

まずは、「語る」ことで、秘密の出来事を「現実」にすることです。
「現実」にすることで、それを処理すること、感情を表現することが可能にになります。
「語る」ことで、トラウマを「悲しい出来事」に変換して心にとどめることができます。
沈黙はつねに回復の敵です。
沈黙を破ることは、前に進む方法のひとつなのです。
人の話を聞くのに特殊な能力はいりません。
魔法の言葉があるのでは、とか考える必要はないのです。
「あなたが話してくれるのであれば、私は聞きたい」と伝えるだけでいい。
苦しみに耳を傾けるだけでいいのです。

スウェーデンの心理療法士、アンデシュ・ニューマンさんの言葉 
2023年10月17日放送のNHKニュースから

ジャーニーズ事務所の問題は、これまで日本社会が目を向けてこなかった少年への性加害の深刻さを浮かび上がらせました。一方、欧州では30年以上も前から、性的虐待を受けた少年たちへのケアが実践されてきました。アンデシュ・ニューマンさんは、少年たちの治療機関の代表格であるスウェーデンのボーイズ・クリニックで、傷ついた少年たちと向き合ってきた心理療法士です。1998年、ボーイズ・クリニックは加害少年も治療の対象とするようになります。加害行為に及んだ少年たちへの治療を通じて、当人自身の回復と、新たな被害者を生み出す危険の回避を目指したのです。
NHKニュースのインタビューを受けたアンデシュ・ニューマンさんの言葉は、性的虐待に苦しむ少年たちだけでなく、生きづらさを抱えるすべての人の胸に届く重さと深さがあります。「語る」こと、そして耳を傾けることの大切さが込められています。
アンデシュ・ニューマンさんは、治療のプロセスを「DELTA」という言葉に置き換えます。「D」は「Describe」=「自らの言葉で語る」。「E」は「Express」=「感情を表現する」。「L」は「Life skill」、「T」は「Training」=「拒否する / 境界線を引く」。「A」は「Acceptance」=「受け入れる」。語り、感情を表現し、意に染まないことははっきりと断る術を身につけ、最後は傷ついた自分自身を受け入れるというものです。
「性的虐待を受けた少年たち―ボーイズ・クリニックの治療記録」(新評論)などアンデシュ・ニューマンさんの著書は、広く世界で読まれています。

「性的虐待を受けた少年たち―ボーイズ・クリニックの治療記録」(新評論)


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