日記 2023/12/11〜2023/12/17

2023/12/11

昨日は仕事が終わってブックスキューブリックで小山田浩子のトークショー。ブックスキューブリックでのトークショーではお決まりの、子どもの頃からのことを遡って話すスタイルで、とても興味深い話がたくさん聞けた。

箱崎はブックスキューブリックのイベントで行くことしかないのだけれど、箱崎宮前駅あたりの雰囲気は歩くたびにいつもうっとりする。特にイベントが終わったあと、21時くらいの箱崎宮前駅前は独特の空気感があって、ゆっくり歩きながら辺りを見渡すだけで心が洗われる感覚がある。

猫が亡くなって1週間が経とうとしているが、いまだに猫がいない世界を受け入れるのが難しい。ふとしたときにいつも猫のことが思い浮かんでぼーっとしてしまう。

小山田浩子さんのトークショーの中で、養老孟司さんの逸話も交えながら、人間のことが一番わからない、わかりあえなさから昆虫や草を観察するようなことが語られていたけれど、その話を聞きながら僕は猫のことを考えていた。動けなくなる前日、前々日であったのにあんなにも元気な姿を、ここ1年でも一番しっかりとした足取りで歩く姿だったのは、僕や妻や娘に何か訴えていたのではないか、きっとそうなんじゃないかと思わずにいられない。意地悪なんて一切しない猫だったし、朝自分が先に起きていようと母が起きるまでは動かないような優しさと忍耐強さを持った猫だったから、僕らのために元気な姿を見せてくれた考えるのは無理矢理なものではないし、本当のところはやはりわからないのだけれど、最後に元気な姿を見せてくれたのは猫の優しさと忍耐強さがよく表れているように思う。

猫は人間とは違う、猫の考えていることは人間にはわかり得ないともよく言われることではあるが、人間の言葉に当てはめて考えようとすればそうだろうとは思うけれど、シニフィアンとシニフィエの関係性を取っ払って、つまり人間の言葉の枠を一旦外して考えてみれば、何かの行為をするにあたって人間が感じることと猫が感じることにそう違いがないものもあるはずで、久しぶりに会った誰かに顔を見せたいとう気持ちはきっと人間にも猫にも共通してあるように思うのだ。

今日は仕事しながらシャッフルで音楽を聴いていたのだけれど、そこで寺尾紗穂や冬にわかれてがよく流れてきて、忙しい中でも寺尾紗穂の声がすっと入ってきた。それもあって、箱崎のあたりを歩いていたら、頭の中で勝手に寺尾紗穂の歌声が鳴り始め、あぁ箱崎には寺尾紗穂の歌が合いそうだなぁとスマホで寺尾紗穂の音楽を聴こうと思って、ブックスキューブリックから地下鉄に乗って家に帰るまで「余白のメロディ」を聴いた。

「僕の片割れ」が終わったところでちょうど家に着いたのだけれど、「森の小径」から「僕の片割れ」までの3曲は、今の言葉にならない思いに寄り添ってくれているようで、聴きながら電車の中で泣きそうになってしまった。

あの日のさよなら
あの角でわかれた僕らは
ひとまわりしたとこさ
喜びも悲しみも混ざって

寺尾紗穂「僕の片割れ」

亡くなったばかりだから死のことを考えてしまうのは仕方がないんだろうが、いなくなったことは存在していたことの裏返しというのか、死んだからといって猫と一緒に過ごした日々がなくなるわけでもないし、死が遠ざかりつつある今、改めて在りし日の生に光を当てて、しかし死をもなお受け入れて「喜びも悲しみも混ざって」。悲しい気持ちはどこにもいかないし、生きていた日々のことで思い出し笑いすることもあるし、だから喜びも悲しみも混ざり合う。

しんどいときに入ってくるのはいつも音楽だ。「余白のメロディ」はこれまでも好きなアルバムだったけれど、今日の箱崎宮前で見た景色、考えたこと、聴きながら思ったこと全てがこのアルバムに入っていった。

2023/12/12

自分がどういう状態にあろうと12月は師走という言葉のままに猛スピードで時が過ぎていく。早くも2週間が経過しようとしている。この間忙しくしていた気はするが、いろいろあったというか、大阪行ったりイベントがいくつかあったことには間違いないのだけれど、猫がなくなったことのショックが大きすぎて、12月のことをあまり思い出すことができない。そんな中でも忘年会の予定はどんどん決まっている。忘年会は断りづらい。どれも嬉しい誘いではあるので断る必要もないのだけれど、楽しめるのかなぁと不安にもなる。しかし12月は本当にこの勢いのまま過ぎていきそうだ。いつの間にか年末になっていそう。

この数日間はとても暖かくて、トレーナー1枚でも十分なほど。去年の今頃は壱岐旅行に行っていて、そこそこ寒かった記憶がある。そもそも12月にトレーナー1枚で十分だったっことはこれまであっただろうか。

現役ドラフトが終わってストーブリーグの話題も落ち着いてきた。あっても契約更改の話題くらい。山川のFAがどうなっているのかもよく分からないし、新しい外国人選手調査の話もない。山川は一体どうなるのだろう。獲得に賛成というわけではないけれど、獲得するとしても年内に決まらないのであれば、人的補償のこともある。もともと獲得には懐疑的ではあったけれど、ここまで伸びてしまったからにはもう獲得を見送ってほしい。キャンプ前に人的補償で移籍する選手はしんどいだろうし、一ファンとしても今在籍している選手がこれ以上他に移籍するのを見たくはない。今年は増田をはじめショックな退団が多すぎた。

他球団では新外国人獲得のニュースが続いているが、ホークスではトレードでウォーカーを獲得して以来、新外国人の話題はない。エンジェルスのキャベッジ獲得調査の噂もあったが、それはどうなったのだろう。モイネロ、オスナ、ヘルナンデス、スチュアート、ウォーカーがいるので、外国人枠を考えると獲得するとしてもあと1人か。

個人的な実感として、野球ニュースが少ないのも、この時期は慌ただしい感じを助長させている気がする。野球ニュースを見ているときは何も考えずに済むが、野球ニュースが少ないので、ついついクソみたいな政治のニュースを見てしまう。政治の世界では総理をはじめ色んな人が慌てているようだ。

2023/12/13

BTSのRM、テテ、ジミン、ジョングクが兵役に行くことになったようで、ネットニュースに坊主頭の写真が出ていた。RMはしばらく前からずっと坊主だったが(坊主頭がよく似合う)、他の3人の坊主頭は新鮮だった。ジョングクとテテの2人が坊主頭で写っている写真は、ぱっと見どっちがどっちかわからなかった。というのも、2人とも上半身裸でサングラスをしていたからだが、テテが想像していた以上にムキムキだったからだ。ジョングクは筋肉質であることは知っていたけれど、テテも歌って踊っているだけあってやはり鍛えているのだなぁ。ジミンの坊主頭は少年のようで可愛らしかった。次にBTSが集まるのは25年か。とりあえず来年1年はBTSの新しい音楽は聴けないということで、今年BTSにハマったばかりだがやはり寂しい。

毎日オフィスまでの通勤時に30分歩いているのだが、勧められてCoke ONというアプリをダウンロードした。設定した目標の歩数を歩けばスタンプが貯まって、そのスタンプで飲み物などがゲットできるというもの。オフィスまでは駅でいえば3駅分で早歩きで25分の距離なので、目標を毎日5,000歩に設定すれば達成は余裕かと思ったが、今日歩き終わった後に見てみると4,000歩にも届いていなかった。早歩きで25分歩いているのだからもっと歩いているイメージだったのでショックだった。ウォーキングの負荷として歩数が問題かどうかは分からないが、その程度の歩数であれば運動としては十分ではないのかもしれない。

これまで歩数をあまり気にしていなかったが、Coke ONをきっかけに歩数に意識を向けることができたのは良かった。毎日ウォーキングしていたときには毎日1万歩は歩いていたのだけれど、そうか、オフィスまでは5,000歩もないのか。あまり連続して歩きすぎると血尿が出てしまう体質なのでそう調子に乗ることはできないのだが、毎日5,000歩くらいはなんとか達成したいものだ。

大関の契約更改のことが少し話題になっていた。将来的にメジャーを目指すとのこと。そりゃ順調にいけば左のエースになる存在だもの、それくらい高い意識でいた方がいいし、ホークスからもメジャーで活躍する選手が増えていってほしい。

2023/12/14

今朝、山川獲得のニュース。野球のニュースはいつも早朝だ。おかげでそれで目が覚めてしまう。

複数の媒体で獲得の報道があったのでおそらく移籍は確実なんだろう。決まった以上はホークスファンとしては受け入れるしかないが、山川の不祥事とそれが発覚した後の彼の言動については嫌悪感しか感じないものだった。山川は今後ホークスの選手としてそれを野球で取り返していくしかないと思うが、ホークスに来るからには応援はするし、活躍してくれることを願う。

近藤のときもそうだったけれど、新しいFAの選手が来ること決まったら、人的補償のことでやきもきしないといけない。西武は投手層が厚いから、人的補償で出ていくとすれば野手か。とすれば、リチャード、生海、吉田、そして正木までもプロテクトされるか微妙なラインで、このあたりが出ていく可能性があるということ。求められて出ていくわけだから選手にとってはチャンスであることは理解はできるが、やはり寂しい。山川の獲得は決定なのか、そして人的補償はどうなるのか、一気にストーブリーグの話題の比重が僕の中で大きくなった。

12月にいくつか本を購入してさらに積ん読本は多くなったが、今年の最後に読む本は1冊決めた。大江健三郎の「静かな生活」で締める。あとは「失われた時を求めて」を併読しつつのブルシットジョブ、こんな感じになるだろうと思っている。余裕があれば、エリザベス・ストラウトの本も読む。年末は時間がないようでいて暇、しかし本を読む時間はあまり確保できないというのがここ数年だから予測がつかないが、決めておけば迷うことはない。

猫が亡くなって以来、今日初めて父とも話した。父の声色はいつもと同じだった。仕事の話題しかしなかったし、猫のことをどう思っているかわからない。僕らが帰る前夜、母が寝たあとに猫が嘔吐してしまい、僕と妻も手伝ったが父はあたふたしながらそれを処理していた。そんな父の姿を思い出した。

ここ最近はそうでもなかったが、1年前までは母が寝た後に母の布団からちょっとだけ飛び出して、父のもとにも寄っていってよく鳴いて撫でてもらっていた。いつも猫が寝ていたのは父がよく座る椅子の下で、そこに猫の姿がないのだから、父も喪失感を覚えていることだろうと思う。父は気は強くないが、弱音を吐くことはあまりない。母な落ち込むところまで落ち込んで少し上向いているが、父は大丈夫なんだろうか。

2023/12/15

今日はなぜか休みだったが、夕方まで呆けて何もしなかった。本当に何もせず、布団に横になって起きて飯を食ったらヨギボーに横になってただスマホをいじるだけ。スマホで何をしかのかさえ覚えていない。山川のFA獲得のニュースばかりで野球ニュースもあまり読みたくないから、ここ最近の訳の分からない政治のニュースをただ眺めていたんだろう。Duolingoで外国語学習をするでもなく、ただスマホを眺めていた。記事を読んでいたとすら言えない。本を読む気にもならなかった。チョコザップに行く時間もあったのに、外にすら出ていない。今月はチョコザップに一度も行かずに終わるのではないかしらん。せっかくの休みなのにこれじゃいかんだろうと思って動き始めたのが夕方になってからのこと。何時かは覚えていない。スマホを読む延長のような感じでKindleを出してU-NEXTのアプリで舞城王太郎の「ディスコ探偵水曜日」の下巻を開いた。

「ディスコ探偵水曜日」はようやく下巻に入ったが、ミステリーなのかSFなのか、空間や時間を移動し始めるようになってから訳がわからなくなってきていた。それでも毎日読んではいたが、一時期は明らかに読むスピードは衰えていて、今日開いたときにもまた訳がわからないと思いながら読んでいた。それが下巻も半分を過ぎたあたりから一気に面白くなって、それから夕食や娘と一緒に間違い探しの本を読んだりしたが、気づけば22時近くまで読んでいた。その間寝た妻と娘を起こさないように一旦洗い物をして、その洗い物をするときには、なんとなくDavid Bowieだと思って「Black Star」を久しぶりに聴いたらこれがまた素晴らしくて、もともともDavid Bowieの中でも好きなアルバムではあるのだが、「ディスコ探偵水曜日」を読んでいたときの気分を音楽がまたさらに乗せてくれるようで踊るように洗い物をやってしまい、そしてこの日記を書いている。

「ディスコ探偵水曜日」はたぶん今夜中には読み終えるだろう。上中下巻ある小説を読んだのは久しぶりのことだった。長かった。どのように着地するのか想像できない。完全に不毛な一日に終わりそうだったのを「ディスコ探偵水曜日」と「Black Star」が少しだけ救ってくれた、というのか読み終えることでたぶんちょっとだけ達成感を味わうことができそうだ。本を読んだだけで動かない一日だったことに変わりはない。

2023/12/16

「ディスコ探偵水曜日」読了。途中あまりにも訳が分からずダレたときもあったが、下巻の途中からは舞城王太郎節で引き込まれ、それからは一気に読んだ。読了はしたけれど、書かれたことの半分くらいは理解できていない。再読しても理解できるかわからないが、ミステリーで結末が分かっていても、この小説は、というかこの小説に限らず舞城王太郎のものはどれもそうだが特にこの小説は何度でも再読する価値のある小説だと感じた。とても壮大で、入り組んでいて、何度も何度もどんでん返しがあり、きっと今から再読してもそのどんでん返しに驚かされる。しかし読むのにエネルギーを要する小説で、読み終えたときにはぐったりとしてしまった。

妻と娘がずっと追ってきたガールズグループオーディション番組がついにデビュー組決定とのことで、昼からは家族全員でリビングのテレビで視聴が始まった。もっともこれまでも僕は話を聞くだけでほとんど番組を観ていなかったのだが、昔よくテレビなんかで観ていた仲宗根梨乃さんが出ていて、相変わらずのとても熱い感じや、都会で活躍されているのにいつまでたっても抜けない強い沖縄訛りが懐かしく、ながら見をした。元Girls2のメンバーが最終候補に入っていたので、その子のことは応援していた。僕は途中で観るのを止めたが、妻が個人的に応援していた子たちはほとんど皆デビュー組に入ったらしい。元Girls2の子は早めに名前が呼ばれていた。

妻と娘はオーディション番組の途中でダンス教室に行くために家を出た。今日は幼稚園で1つ年下の仲の良い子が見学に来るとのことで、娘はいつも以上に気合いが入っていた。実際に、その友だちがいたから、先生がこれまで見たことのないほどテンションが上がっていたらしく、ダンスもキレッキレで、クリスマスで披露するダンスでは前列に抜擢されたそう。やはり誰かに見られるというのか、自分が好きな誰かに見られるというのはパワーになるのだなぁ。
今日見学した子どもを含め、ダンス教室には最近になって娘と年の近い子どもが入ってきて、娘もついにお姉さんになった。年齢自体はほとんど変わらないが、既に1年半ダンスをしていて経験は上なのだから、これからは娘が引っ張っていく立場にある。

今日から寒くなって、夕飯を買いに外に出かけたときには風も強くて凍えそうな感じ。明日はさらに寒くなるらしいが、忘年会で天神へ出向く。着込んでいかないといけない。

2023/12/17

急に寒くなったが未だに衣替えができておらず、今日は妻に手伝ってもらいながら衣替え。なかなか冬らしい気候にもならなかったというのが僕の言い訳ではあるのだが、実情としては、服が多くて衣替えをするにもどこから手を付ければいいかわからなかった。寒くなって衣替えをしないとどうしようもないという切実な状況もそれを後押ししながら、時間がある今日やってしまおうということになった。

しかし妻に手伝ってもらう以上は、ただの衣替えにはならない。そこには必ず断捨離が含まれる。痛みを伴う衣替えである。

我ながら、必要以上に服を持っている自覚はあるものの、これまでの複数の断捨離でも結構捨てていて、もうこれ以上捨てる服はない。亡くなった祖父のお下がり、お下がりとは言ってもオシャレな祖父だったのだのでジジくさくなく、古着屋でも売られていそうなデザインで気に入ってよく着ているものがいくつかあるのと、僕自身が買って気に入っている服もあって、数どうこうではなく、僕からすればこれが必要最低限という思いがあって、今持っている服以上に捨てることができていなかった。
そんな中、今日は思い切っていくつか捨てた。2005年のフジロックで買ったTシャツとPatti SmithのTシャツ、特にPatti SmithのTシャツは気に入っていたのだが、買ってから何度も着たのでプリントが薄れてPatti Smithの顔が判別できない状態になっていたそれが1つ、あとはタートルネックのカシミアのセーター、これも気に入っていたのだが虫食いが酷くなってきていた、そしてスーツのセットアップ。ここに挙げてみると実際はそんな捨てていないように思われるが、これでも身を削られる思いで捨てたものばかりだった。

本当に捨てるのは苦手で、服だけでなくて本も捨てた方がいいのはわかっているのだけれど、再読するかもしれないと思うと捨てる本がない。だから、本当は紙でほしいと思う本も、文庫化したものなど紙である必要がないものは電子書籍で買うようになってしまった。

いつも何かを捨てるときにはぐったりと疲れるものだが、しばらく時間がたてばどこかスッキリした気分にもなる。今はだから山下達郎のサンソンを聴きながら晴れ晴れとした気分でこの日記を書いている。

今夜は飲み会。で、明日は娘の友だち家族、計3家族が集まってクリスマスパーティ。
2人での飲み会なので飲み過ぎることはないとは思うが、調子に乗って飲まないようにしないといけない。

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