日記 2020/12/15

娘は朝からインフルエンザの予防接種(2回目)。注射の針を見た瞬間に泣いたらしく、もちろん刺されている間も泣きっぱなし。よく頑張った。これで来年のインフルエンザまでは注射は打たない予定だ(コロナのワクチンを打てるようになれば、打つかどうかの決断をしなければならないだろうけれど)。

注射を頑張って耐えたので近くのショッピングセンターへ行って、アンパンマンのミニレジスターを買ってあげた。スキャン機は付いていない簡易的なものだ。
帰ってきて早速一緒に遊んだ。元々持っていたパンのおもちゃを使って、娘がレジ役、僕か妻が客役でごっこをしてみたのだが、お金を出しておつりを渡すというのがどうもしっくりきていないらしい。それはそうだ。僕らの支払いはほとんどPayPayかクレジットカード決済である。コロナ禍になってからは、現金を使うことをさらに敬遠するようになった。僕らがお金を使う姿を見ていないのだから、どう使うのかわかっていないのも当たり前のことだ。
しかし、今の子はお買い物ごっこをするときにはどうしているのだろう、と思う。相変わらずお金のおもちゃも使っているのだろうか。それともクレジットカードやPayPayなどのバーコード決済なのだろうか。お買いのものごっこをするのであれば、お金でやり取りをするのでなければ、お金とモノを交換したことの実感がわきにくくなるんじゃないだろうか。でも世の中がそうなっているのだから、お買い物ごっこもそれに応じて変わっていくのだろう。

お風呂に入るとき、娘は大号泣。注射を打った当日は毎回のことで、裸になって注射の痕を見ることで、注射を打たれたときのことを思い出してしまうのだろう。

娘が予防接種に行っている間に1本映画を観た。「しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス」。カナダのモード・ルイスという画家の生涯を描いた映画である。
映像が美しく、出しゃばらないがしっかりと印象に残る音楽も良かった。イーサンホークの演技はやや控えめであるが、素晴らしい。画家のことは知らず、イーサンホーク目当てに観た映画であったが、いくつも印象に残る場面があった。
特に、モードルイスが窓が好きだと語る場面。リウマチ持ちの彼女は旅行などすることがなかったが、記憶力を頼りに想像力で絵を描いていた。鳥が飛ぶのが見えたり、蜂などの虫が飛んで時に窓に止まったり、窓から見えるものは毎日異なる。
「いのちがあふれている」
「いのちの輝きがひとつのフレームに そこにあるの」

映画を観ながら、写真集「Benzo」のことを思い出していた。弁造さんは画家として大成することはなかったが、絵との向き合い方はモードルイスと似ていたところがあったのかもしれない。写真集での雪景色が印象に残るように、映画での雪もとても美しく、厳しいものであった。

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