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㊷アイデンティティ

昨日の夜から記事を書いていたのですが、読み返してみて、僕以外の人が読んでも面白くも何ともないものになっている気がして、それは破棄して書き直しました。

僕の友達タカちゃんのことを今日も書きます。

今も続いている mixi での彼の「足あと」は、どうにも彼らしく思えず、弟さんか そうでもなければ何のゆかりもない赤の他人がやっているとしか思えないのですが、Twitter の方に目を転ずると、やはり彼は昨年の1月頃には生きていたのではないか…と思えてきました。

僕と友達が Twitter で相互フォローになった時 (2021年5月9日) 、友達は53のアカウントをフォローしていたのですが、同じ年の7月下旬、フォローするアカウント数が20に減りました。クラシック音楽、バレエ、ニューミュージック系のアカウントのフォロー (計20あまり) を軒並み辞め、フォローを続けるアカウントを噺家さんや落語愛好者に絞っていました (但し、寄席や落語協会のような “個人でない” アカウントへのフォローはこの時に辞めています) 。このことから、彼の興味関心の中心はやはり落語なんだ…ということがまざまざと分かったような気がしました。再入院 (2021年5月11日頃) の後、mixi へはただログインと「足あと」が繰り返されるばかりで 友達の消息や様子は何も分からなくなり、霧に包まれたような曖昧さがありましたが、彼自身の意向の反映を感じさせる Twitterでの動きはインパクトがあり、友達の生存を感じさせるものがあったと、いま改めて思います。

続いて昨年、2023年の1月下旬、フォローするアカウントがいきなり6に減りました。柳家三三さんざさん、近年友達が最も応援していたと思われる二ツ目の噺家さん、そしてもう一人…二ツ目の若い噺家さん、僕、Cさん、Yさんの計6人だけが残りました。このタイミングでフォローをやめた人の中には、友達が “好きな噺家” としてリストアップしていた有名な噺家さんや、友達と相互フォローだった6つのアカウントが含まれています。この頃には “mixi にログインしているのは友達本人ではない” …と信じるだけの材料が揃っていて、それまで朧気に抱いていた疑念がハッキリと形をあらわにした時期でした。ところがこの時の Twitterフォローの取捨選択には「彼らしさ」を感じさせるものが充分備わっているようにも思えたのです。恐らく彼の最も好きだったのであろう二人の噺家さんが入っていること、少しあとになって知ったことですが、病気のことでやり取りをされたことのあるCさんが残ったこと、そして何より僕自身も彼のフォローに残れたこと。こんな選択を出来るのはやはり友達自身しか居ないのではないか…だとすれば、丁度一年前の この時期に、友達は確実に生きていたのではないか…という気持ちに今はなっています。

ここまでフォローを少なく限定した理由は何なのか分かりませんが、彼にとって意味のあるものを突き詰めた結果なのかもしれない…とも思えますし、彼のアイデンティティを目に見える形で示したのだ…という風にも思えます。

つい先日、友達のもう一人のマイミクであるAさんに、久しぶりにDMしました。

Aさんは友達が生きているのならば、なにかハッキリとした手応えというか、連絡をくれる気がする…と仰ってました。確かにそんな気もしなくはないですけど、三年前に友達が最後に送ってくれたメッセージには、これまでの交流に一線を引く覚悟が込められていたと思いますし、命の終が見えているのだとしたら色々な繋がりからは身を引いて、静かに時を過ごす…というのは有り得ることなのではないかな…と僕は思います。


[付記]
友達のTwitterアカウントは、友達の側からの自らのフォローの整理はしていますが、フォロワーに関してはいじられた形跡はありません。元は相互フォローの関係であった方からの友達へのフォローはそのまま続いています。おそらく相互フォローとは云っても、いわゆる “絡み” というもののない関係だったのだと思います。


友達との思い出に纏わる、二つの動画をここに置きます。ソンドハイムが作った二つの歌。

『Send in the Clowns』は以前にも書いた通り、友達も僕も大好きな曲でした。2019年の最初のやり取りの時に、このペギー・リーの動画を添えた呟きをしました。彼のお気に入りはバーブラ・ストライサンドだったと思いますが、ペギー・リーのヴァージョンも「心に沁みる」と言ってくれました。


もう一つは『Losing My Mind』。友達が入院したあとに、この曲のインスト盤と出逢い、とても好きになって、色々YouTubeを検索している時にグレン・クローズの歌っている動画を見つけました。歌詩を初めて知って、その内容はその頃の自分の心そのままなのではないか…という気がとてもしました。


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