星屑糖

文章の練習がてら綴る

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  • suki na oto

    好きなアーティストについて語る記事です。ジャンルはバラバラ。

最近の記事

あなたの美しさも教えて

私は人のインスタを見るのが好きだ。なぜなら誰かのフィードはその人の美的感覚の結集だからである。みんなインスタに投稿する写真はある程度自信作を絞り込むものだと思う。人のストーリーや投稿を見るたびに裏側を想像してしまう自分がいる。ああこの人はこの瞬間を美しいと思って撮ったんだなとか、自分の美的感覚に合わせてこんな風に編集したんだろうなとか、自然と伝わってくるものだ。手軽に写真という創作活動を共有できる一番身近なプラットフォームだろう。私は人と関わるのがそんなに得意な方ではないのだ

    • 『ボーはおそれている』の所感

      念願のアリ・アスター監督の新作『ボーはおそれている』を観てきた。長尺というのもありどうやらあまりヒットしていないらしいが、私個人的にはかなり好きな映画だった。 正直、観賞中は何度も離席することを考えたほどに不快な気持ちにさせられたのだが、辛抱強くラストシーンまで耐え抜き、劇場を出て初めてこの映画の魅力を実感した。観ている瞬間よりも後から考察したりしてゆっくり消化するのが好きな人にはかなり向いていると思う。 この作品は、私が普段は心の内にしまい込んでいる不安や焦燥感といった

      • こころの健康バロメーター

        最近新しく気持ちを穏やかにする薬を処方してもらったのだが、これがとても良く効いている。今までは毎朝起きてすぐどうしようもない絶望感に苛まれていたのに、薬を飲み始めてからそれが嘘のようにスッと消え、今のところ毎日学校に行けている。これはすごい進歩だ。 私は「自分でどうにかしなきゃ」という気持ちが行き過ぎてしまうことがよくある。自分が不安に思う気持ちは自分でどうにか辻褄を合わせて対処するしかない、と躍起になって色々考えをめぐらせてみたものの、今考えると逆効果でしかなかったと思う。

        • 私が1番好きなアニメ『Sonny boy』の話をしよう

          『Sonny boy』は数あるアニメ作品の中でもかなりユニークだと思う。 一応分類としては「青春」「SF」「超能力」「異世界」あたりにカテゴライズされるのだが、これらの要素はあくまで舞台設定であり、本題と直接的に関わってくるわけではない。異世界転生した先で可愛い女子学生達に囲まれながら超能力に目覚めて無双する、みたいな展開とは程遠い作品である。 私は、思春期における「輝かしい青春と、成長していくにつれて直面する社会の不条理さに対する葛藤との二面性」を描いた作品だと思っている

        あなたの美しさも教えて

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        • suki na oto
          2本

        記事

          ジョジョとキルケゴールに学ぶ生き方

          最近私のマインドセットに大きな変化があった。「どうやって死ぬか」よりも「どうやって生きるか」について考えるようになったのだ。まあ普通の人からすれば当たり前のことなのかもしれないが、数週間前まで前者で頭がいっぱいだった私にとっては革命的なことだ。 この心象の変化の手助けをしてくれたのはジョジョ5部とキルケゴールの哲学だった。ベッドから起き上がれず、食事も睡眠も碌にとれない時期にふと思い立ってジョジョシリーズを4部から観返していたところ、5部屈指の名言であるアバッキオの同僚の言葉

          ジョジョとキルケゴールに学ぶ生き方

          suki na oto vol.2 - STARKIDS

          好きなアーティストシリーズ第2話はSTARKIDSです。 2.25に行われたライブ「year of the 9」についても書きたいと思います。 「日本のポップが戻ってくる」最先端のサウンドハイパーポップやヒップホップに限らずゲーム音楽、ボカロなどを取り入れた全く新しいサウンドを生み出すSTARKIDS。海外の最先端と日本のカルチャーが複合した曲の数々は、聴いていると自然に身体が動き出すような、それでいて居心地の良いような感じがします。前回紹介したOKBOY&Dogwoods

          suki na oto vol.2 - STARKIDS

          死闘

          最近、何をするにも膨大な時間とエネルギーを要するようになった。 朝起き上がるのも、シャワーを浴びるのも、何もかも、自分だけが遅くて、でも世界の速度は変わらない。私がどれだけ焦燥感に苦しんでも時間は無慈悲だ。 ノイズキャンセリングという機能は非常に優秀で、イヤホンを付けている間は時間の流れを誤魔化してくれる。ここ数日はTOKIO SHAMAN vol.10を回顧するため、ライブのセトリを思い出しながらあれこれ聞いている。しかしあの夜と同じ幸せが戻ってくるわけもなく、バスに揺ら

          suki na oto vol.1 - OKBOY & Dogwoods

          好きなアーティストシリーズ第1話。 今回の主役はOKBOY & Dogwoodsのお二人です。 疲れた心にヒッピーを飼いたいモラトリアム真っ只中の今の自分にとって、「生き方」に関する悩みは尽きません。周囲からのプレッシャーや他者との比較による孤独感に苛まれたとき、居場所を作ってくれる存在の一つが音楽です。 OKBOYとDogwoodsの音楽はヒッピーカルチャーに強い影響を受けているのが特徴的で、それは彼らのライフスタイルにも現れています。何にも縛られず、自分たちの好きなよう

          suki na oto vol.1 - OKBOY & Dogwoods