見出し画像

定期検診と主治医の先生

旦那は定期検診を受けている。
小児科の頃から同じ先生にずっと担当してもらっていて、子供の先天性の形成不全のスペシャリストなのだそうだ。成長(もはや加齢と言うべきかもしれないけれど)と共に顕在化するリスクを見てくれる。例えば今後ガンになったとして、乳児の頃からの手術歴やら形成不全やらが原因で一般的な患者とちょっと違うこともあるので、必ず主治医の先生も見るのだそうだ。人生の最後までお付き合いすることになりそうだから、先生がそんなにお年を召した方じゃなくて、失礼ながら良かったなと思ってしまった。

で、定期検診。

結婚して初めて定期検診の時期が来て、一緒に行くことになった。
先生は専門医だし、設備の整った病院に行くので、住んでいる街ではなく、電車で数時間かけて行く。小旅行。でも、当然ながら旦那の顔は旅行とは違う緊張があるし、私もなんだか落ち着かない。

「病院へは一緒に行った方が良い?」

念のため聞いたところ、自分1人が良いとのこと。そうだよね。
お任せすることにした。
検査終了を待ちながら市内をぶらぶらしたけれど、正直あまり楽しくはなかった。

長生きしてほしいなあ。
何もないと良いのだけれど。

検査は数時間。市内の名所はすぐ見終わってしまって、買い物しても時間が余ってしまって、ホテルで本を読みながら、なんとなく上の空で、時間をつぶした。

3杯目のコーヒーを飲み終わる頃、旦那はすっきりとした顔で戻ってきた。
どうやら結果はすぐに出て、特に何もないどころか、すごく状態が良いと先生から褒められたらしい。子供みたいに自慢げに教えてくれた。先生に、結婚して、妻がいつも健康に気を遣ってくれているからって言ったよ、とも教えてくれた。結婚したことをものすごく喜んで貰えたそうだ。先生にとっても、患者が自分の人生を楽しんでいることは喜びなのかもしれないな、と思った。きっと、つらいケースもたくさん見ているだろうから。

予防のため追加で薬を飲むことにはなったけれど、幸いすぐに処置が必要な状況ではなかったので、ほっとした。

私たちは色んな人に支えられて生きている。

旦那と付き合って、結婚して、なんだかそういうことをしみじみと感じる。

ご関心を持っていただきありがとうございます。サポートは、旦那と同じ障害を持っている方々を支援する団体に寄付させていただきます。