泣きたいのはいつもの事

いつだって僕は踏み出せるはずの勇気の
ほんのカケラさえ持たなかったのに、
いつも何かを求めていた

心ごと包み込んだ温もりから逃げて、
凍った地面を踏みしめたはずの明日が来ない
足がすくんだ


明日が来ないのは僕のせいだ
幸せが逃げたわけでも、
時間が僕を置いて行ったわけでもない

ただ僕の体温でぬくもった地面が愛しくて、柔い足裏に傷が付くのが怖くて立ち止まった


もう少し幸せな未来が欲しいと
口に出すと願いが形になるのが怖かった
形にして、手にできないのが怖かった

どうせ自分のものにならないのなら
何にも言わないままで陽炎みたいに
消してしまいたかった


だからぼくの両手はいつも空いていて、
背負う荷物もない
ただここに居るだけの命だ

寝転んだフローリングのぬるさが憎い
何も拒まないかわりに受け入れもしない
愛に似ていると思った

2019.06.24

#詩

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