around30

激動の時代を生きないくせに
情緒はいつだってどこか不安定だった
ゆっくりと瞬きをすることで
憂いが生まれるような気がする

風に舞った花びらにも
雨に濡れたつま先にも
夕日が焼いた空にだって
憂鬱の温度を混ぜ込んでため息を落とした

そうして2割だけ閉じた瞼が
達観した瞳に見えればいいなと思う
自分が誰かと違うような人間である為には
自分を殺すしかないような世界だから

誰かの目に留まりたいようでいて
このまま誰からも忘れられて、息をしたい
誰の目にも映らないままで
このまま誰をも忘れて、息を止めてみたい

矛盾を抱えて生きることが
少しお洒落な気がする
今日も曇天の空模様だ
晴れはきっと似合わないだろうから
お気に入りの靴を履いて出掛ける

2019.05.26

#詩


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?