18歳 初海外はカンボジア一人旅

高校卒業後、専門学校へ進学した年の夏休みに私は初めて海外にでた。

場所はカンボジアのシェムリアップ。

なぜカンボジアにしたかというと、

その時よくチェックしていた旅人的な人がブログで、

初海外のオススメはカンボジアと言っていたから。

理由はこれだけ。

2週間いった。

長い。

滞在費は1泊500円のゲストハウスだった。

安かったけど、個室で全然暮らせるレベルだった記憶がある。

この旅の2週間はスマホ断ちをした。

よってガイドブックと周辺の人だけが便りだった。

空港につくと、大勢のトゥクトゥクの運転手に勧誘された。

誰も信じられなかった。

だから、大荷物をもって10km以上先のゲストハウスに歩いて向かうことにした。

埃っぽい道をトボトボ歩いていると、安物の大きなカバンの取手がちぎれた。

壊れたカバンをかかえ、歩いては立ち止まり、

そんな姿を住民の人に見られ、不審そうな顔をされた。

さすがに、疲れてきたと思ったところに、

トゥクトゥクが勧誘しにきた。

少しかわいそうな人をみる感じで。

さすがにもうこの人を頼ろうと思った。

トゥクトゥクの後ろは最高に風が気持ちよかった。

遮るものがなく、サンサンと降り注ぐ太陽。

やっと旅にきたことを楽しく思えた。

それでもまた私の不信感は続いた。

お腹が減ったが現地の料理はお腹を壊しそうなので、食べる気にならなかった。

よって、スーパーでお馴染みのコーラとオレオだけで数日間過ごした。

ある時は何も食べなかった。

お腹が減りすぎて、米の夢をみた。

次の日、ガイドブックにのっているカレー屋にいった。

美味しかったけど、久しぶりのご飯ということもあり、お腹をこわした。

2週間なにをしていたかというと、

名物観光はアンコールワットくらい。

アンコールワットよりも、そこに行くまでのバイクタクシーの風が最高に気持ちよかったことが思い出深い。

バイクタクシーのお兄さんもはじめ全然信用できなかったけど。

あとは、絵画を置いているギャラリーにもいったな。

みた絵は原色でぺったりと塗られていてパワフルだったな。

その他は、歩いていける範囲の距離でお散歩コースをつくり、毎日そこをベースにうろうろしていた。

そこは川沿いで、洋風な雰囲気が漂っていて、まちの憩いの場になっていた。

肩をならべて談笑する友達どうしや、恋人たち、老夫婦、その和やかな光景が脳裏に焼き付いている。

旅の間、英語も喋れないこともあり、コミュニケーションをとるのが億劫だった。

だけど、楽しそうにしているそういう人たちが鮮明な記憶として残っているのは、

多分とっても孤独で寂しかったからなんだと思う。

人を信じれない、人に賭けれない旅以上に、やるせない旅はないんじゃないか。

人生もきっとそう。

何だって調べれば1人でどこにでもいけるかもしれないけど、たかが知れている。

ちょっと遠いどこかへだって、1人では行く気がでなくても誰かがいれば、ふっと行けてしまうことはよくあること。

結局私は2週間何も変わらなかった。

誰も信じられないまま旅はおわった。

勇気がでなかった。

初めての海外旅はこの通り惨敗だったけど、行ってよかったと思う。

カンボジアは道もぼこぼこで、お店も全然洗練されてなくて、未完成感が半端なかった。

当時、日本で通っていたファッションの専門学校で、完成しきった日本のイメージとは逆に未完成をテーマに、作品づくりに励んでいた私だったけど、カンボジアの路上でみた、ガチャガチャなスタイルをまとった、きれいじゃないマネキンをみて、これが本当の未完成かとため息がでた。

自分はわざわざつくる価値はないなと思ってしまった。

そこから一気に学校がつまらなくなって、同じ年の冬には退学届けをだした。

私にとって長期間の一人旅は、自分のやっていることを考えさせられる、試される時間になることが多い。

旅をする前と後では、本当にやりたいこと、やるべきことが変わってしまうことが多い。良くも悪くも。

7年越しの振り返り。

また行きたいな。カンボジア。









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