あくちゃまの希望ーねがいー
着物をきた女性がいた。彼女の名はあくちゃま。
その正体は、東北の鬼。悪路王(あくろうおう)だ。
しかし、某クラスタの陰謀により、男から女性へと変えられてしまい。
ある意味ショッ○ーよりも恐ろしい目に、あっている。
蒼い月明かりに照らされて、屋敷の縁側で空を見上げていた。
「『怪物』ならば、心失くして倒せばいい。か」
彼女は遠い遠い昔を思い出していた。
ヒトは、異質なるものを排除する。
それは、自分自身を守るための本能的な行為であるとわかっていた。
そう。怪物(鬼ーオニ―)である彼女は、彼らにとっては倒されるのが道理であった。
「だが、心を持ち。慈愛を持ち。民の幸せを願うモノが居たとして、それらを「人が推し量れる常識」で観るのは、どうであろうか?」
強大な力を恐れる心。それを排除する。
それは、人間で言えば病原菌を対峙する免疫機能に似たようなもの。
しかし、彼女は信じたかった。いやー今でも信じているのだ。
「人は、己の内に秘めたるチカラに気づき。聖も邪も超え。勝者・敗者の概念すらも超える所に、必ず行き着く」
母が、幼い赤子を見るように、優しく。ただ優しく。
あくちゃまは、目を細めて、月を眺めていた。
「我は、信じておるぞ。人よ。生きる世界に理想を持ち続け、その希望を絶望という闇夜の中にいても。信じることの強さが皆にあると。我は信じておるぞ」
冬空の冷気が、彼女の言葉を空に乗せて、飛んでいく。
「人は何処かでつながっている。『ひとりぼっちのせかい』ではないのじゃ。
孤独を知るからこそ。我は言の葉に乗せて、詠おう」
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