龍戦記 ドラグーンソール 戦乙女編
誕生! 魔装少女 マジカル・アイ
夢―それは、誰もが夜眠る時に見るモノ。
そして、潜在意識と変性意識が交わる時。
現実世界と意識世界の交わる時でもある。
―人は、刃物で、美しい花を生ける手を持ちながらも。
言葉という刃物で、残酷で残忍な手段を用いるー
それが人間であるのならば、「それでも信じられるものを信じるのか」
人の強さを問われる。
桂亜衣は、ベッドの上で謎の生き物キューちゃんの頭を撫でていた。
ストレートハーフツインテールの髪を揺らす。
「一緒のお風呂気持ちよかったねー。キューちゃん」
「きゅー」
キューちゃんは、黒い身体で五センチくらいの大きさ。手足はなく。
頭と胴体のみだった。
「でも、キューちゃんって何の生き物だろ?」
「キュー?」
「ネットで調べてみよー!」
「キュウ?」
「あれ? ネットも知らない?? ふっふっ。それじゃあー教えるね」
亜衣はノートパソコンを立ち上げて、インターネットにつなげる。
「キュー」
キュウちゃんは、目をキラキラと輝かせて。「ねえ?これなに?これなに? おかし?おかし?」
とふんすふんすと興奮している。
「これはね。パソコンとインターネットと言って、世界中の人とお友達になったり。自分の考えていることを調べたり。発信したりできるんだよ」
「きゅーきゅー!」
「あ、アハハ。これ、全部お姉ちゃんの受け入れなんだけどね。すごいすごいって、いってくれてありがとね。これで、動物とキーワードを入力して」
タイピングで動物の画像を検索してみると。いくつか出た。
「こんな感じで出るんだよー? あとは、空想上の生き物とか加えると、ユニコーンとかもでるよ。
ただ、ドラグーンソールに関しては、検索してもでないんだよね」
「きゅぅ?」
「ドラグーンソールはね。実在するヒーローでね! 私を助けてくれたんだよ!だから、いつかまた会って、助けてくれてありがとう!ってお礼をいいたいから、逢いたいなー」
亜衣は、過去に何度もドラグーンソールである龍介に助けられていたのだ。
だから、会ってお礼をいいたいのだ。
「きゅーきゅー」
キュウちゃんは、時計を指して、もう寝る時間と教えてきた。
「あ。そうだね。それじゃおやすみー」
亜衣はパソコンをシャットダウンして、ベッドにもぐりこんだ。
「キュウちゃんもいっしょだよー」
「きゅう~」
キュウちゃんは嬉しそうに体をくねらせて、亜衣の顏に擦りつける。
数時間後。亜衣が寝ていることを確認して、キュウちゃんはパソコンを立ち上げ。外部端子とのコネクターに自分の体をつなげて。
-世界中の知識と言語を取り込んだ-
「いんすとーるかんりょう・・・。これで、亜衣と話せる。亜衣、守る。守る。願い。叶える」
キュウちゃんは、急速に進化している。
とあるアパートの一室で髪と束ねた少年と背の高い西欧風の女性が会話していた。
「結晶生命体。カオスレガリア?」
「そうだ。あの結晶には、カオスの本体が封印されていたんだ。シグルーン、おまえたち戦乙女が、封印したのは肉体の部分だ。人間の体には、肉体。エーテル体。アストラル体といった大まかに三つのレイヤーにわかれている。
だが、結晶体にはアストラル体ー真の力のみが封印されていたんだ」
「なぜ、そのようなことを?」
「ぶっちゃけるとな? 細胞の1つでも生き残っていれば「復活する」ことができるんだよ?」
「なっ!? それでは、私達が倒しても、封印しかできなかったのは・・・」
「それもある。それと、この星の「異次星人ヤプール」は知っているか? 特撮作品のウルトラマンに出てくる敵だ。あれは、全宇宙の生命に対する怨念の集合体。
光の戦士がいる限り、永遠に現れずつける。カオスの場合は、それだ。はっきり言えば、「光という名の命が、恨み、憎しみといった負のエネルギーを生み出す限り。存在する」だが、それも人間だ。―光が強すぎても、闇が強すぎても、世界は滅ぶ。だから、闇を抱きしめる強さが必要なのさ。
さらに言えば、古代アトランティスにヴリルという兵器があったー」
「ヴリル。それは、確か、滅んだ原因となったのではないかと言われている。
最初は掌に乗るサイズから周囲の物体をコピーしていき。最終的に「人間になり替わろうとする」ーでは、人が望む「奴隷」というのは?」
シグルーンが竜也に聞く。
「そうだ。搾取する側が求めるのは「自己意識のない仮面を持った人間」だ。就職活動で受動型の人が受かりやすいのはなぜか?
それは、業務の関しての疑問を持たない。持ったとしてもトラブルになるから言わない。上に歯向かわない。
仕事の円滑さをもたらす知恵や商品を提案しても。「それは無駄だ。ここの手順に従ってくれ」といった。因習や慣習に基づいた
「声のでかい奴が先に作ったルールに固執する」それが、無信教であっても。「神と崇める」のだ。
いいか? 今の大人はただ年齢だけ、重ねた薄っぺらい子供にすぎん。-上司という立場だけで、物事を見れという。
有名な報連相ー報告連絡相談は、昔は、上司から言うのが常で,今は逆転している。それはなぜか?
―そこまで、自分の頭で考えることを放棄させて、自己存在を会社や組織に埋没させて、自己同一させることを「絶対視」してきたんだ。
だが、今の世界では、ネットの垣根を超えて国境や県境すらもボーダーブレイクが起きている。
では、「村ならば生きてきた上の人間が世界という大海で生きる為の思考を持てるか」と言えば、できない。
なぜならば、そこまでの意識を持って戦おうとする人の足を今待って引っ張ってのし上がってきたが、いざ外圧にさらされると。無能となる。
俺が見てきた人間の中には、声のでかいものに無意識に従うのが正しいとされてきた。
では、震災や犯罪。その防犯訓練はなぜするのか? そういったことを理解しないで、
「そんなものは、やっても意味はない! 仕事の方が大事だ!」と豪語する」
竜也は、自身が体験してきたことを語る。そして、カオスのマントを羽織り。なおも続ける。
「では、防犯訓練・避難訓練・消防法を無視した結果。 日本で最大の火災事件があったホテルの教訓はどうなる? 安全管理という未来投資を怠った結果が招いた出来事だ。そこまで愚かな人間が―「リーダーになるというのは、大衆を殺すだけの兵器となる」これほど、無自覚な悪ほど、救いがない。社会正義がゆらぎ、善悪の価値観さえもゆらいでいる。では、愚かな人間を護ろうとする巽川龍介という太陽の龍戦士:ドラグーンソールが目指すものはなにか?だ」
かつての親友が求める答えに、彼は瞳の奥で「小さな希望」を見る。その瞳の色は信じたくても、信じられないと。
「竜也様。人間が「自己の知るカテゴリーでしか判断できない場合。それは相互理解することは可能でしょうか?」
「強引に誘導するな。だが、答えよう。―人は開かれた扉の前に立っている。そこからどの扉を潜るのかも自由だ。
だが、自分自身の価値観と他人との価値観を比較し。自分の価値を高めようとする人間は、確実に前に進むだろう。
―千の言葉。万の手を差し出されても。乗り越えようとする本人の意思がなければ、変わらない---
たとえそれが、今が動けない嵐の渦中であっても、本人に進む意思という希望があるのならば、「それでも前に進めるのだろう」
さて、残りのワルキューレを探すぞ? 十二月の戦乙女を全て揃えれば、我とカオスレガリアが共鳴し一つとなり。世界は破滅へと突き進む。
希望も、夢も。情熱も。英雄さえも、混沌の前では無力だ。しかし、可能性があるとすれば、カイザーだ。あいつだけは、なんとしても」
翌朝。桂亜衣は、ぺチぺちと頬叩かれる感触で目が覚めた。
「アイ、亜衣。起きて。朝だよ」
「おやよー・・・? きゅうちゃん。・・・? きゅうちゃん!? しゃべれるようになったの!?」
「お茶の子さいさい。臍(へそ)で鍋も沸かせるくらいには。というのはいいとして、学校に遅れるよ?」
「あ! そうだった! キュウちゃん、家にお留守番しててね! ぜったいだよ?」
「? なんで?」
亜衣はパジャマを脱ぎ捨て、タンスから私服に着替える。
すっぽりと頭を通過した後に、髪の毛を首筋からかきだす。
「だって、キュウちゃんを連れていったら、皆がびっくりするし。それに」
「それに?」
「保健所に連れていかれて、生体実験されて。ショッカーの改造人間に」
「亜衣、それはない。ボクの力を使えば、こういうのもできる」
亜衣が左右の髪をハーフツインテールストレートへアに整えていると。
キュウちゃんは、黒いからだから腕輪に変形して亜衣の左腕に巻き付いた。
「あ、そか。変身できたんだった」
「さぁ、行こう。学校というモノに興味があったんだ」
「キュウちゃん、学校はつまらないよ?」
部屋を出ると制服姿の姉。桂優香が腰まである長い髪を揺らして、亜衣に声をかけてきた。
「おはよう。亜衣。よく眠れた?」
「うん。お姉ちゃん、朝からラブコールかけないの? 龍介くんに」
亜衣の姉は高校一年生で、胸が一番大きく。以前一緒にお風呂入ったときにブラジャーの大きさが
自分の頭二つ分と知り。姉の胸のふくらみに追いつけるだろうか??と哲学した10歳の夏。
「も、もう。お姉ちゃんをからうんじゃありません! ラブコールは別にいいでしょ? 電車通学でいつも一緒なんだから」
「そうなんだー。もういっそうの事結婚しちゃっていいと私は思うなー。だって、そのつもりで告白OKしたんでしょ?」
亜衣の精神攻撃に、優香は「うっあ・・・。その」と顔を真っ赤に染めてうめき声をあげる。
「そ、それとこれはとは、また別で。将来設計も」
「なるほど。そこまで「真剣に考えている」ということはわかりました。おねーちゃん♪」
「亜衣ー!」
「きゃー、おこったおこったー」
階段を駆け下りて、母の桂悠美がお皿を並べる。
「おはよう。亜衣、顔を洗ってきなさい。急いでるときでも余裕を持つことを忘れずにね」
「はい。ママ」
ご飯を食べて、出かける。自分の食べたぶんの食器を片付けて、洗うまでが日常生活だった。
亜衣は歩いて、バス路線の小学校に向かう。
バスに揺られて、眠気に襲われるが。キュウちゃんが時々腕輪を揺らして起きるように促した。
学校近くのバス停に降りて、走っていく。
「キュウちゃん、今何時!?」
「八時五分」
「わー! あーなんで、毎朝毎朝、こんな時間に行かなきゃなんないのー?!」
「文部科学省に、文句言おう」
亜衣は急いで下駄箱で靴を履き替えるが、見慣れない女子生徒が右往左往とおろおろしていた。
「えーと、えーと? 職員室はどこでしょうか?」
「ねえ、あなた。大丈夫? もしかして迷子?」
亜衣は、声をかけた。
「ぴゃっ?! は、はい。人間世界に来たのは昨日の今日、家。こちらに来たのは初めてなので」
ポニーテールを左右にぶんぶんと揺らして、慌てて説明する。
「? まあ、いいや。どこに行きたいの?」
「え? えーと職員室です」
「よし! じゃあ私と一緒にいこ! 私の名前は桂亜衣! あなたは?」
「わ、私は田中ひなです」
「んじゃーヒナちゃん。職員室にゴー!」
右手で、がしットひなの手を掴んで亜衣は職員室に向かって走っていく。
「うえええ?!」
職員室に着いたら、如月はるか先生に、神の一撃のという名の注意をされた亜衣。
転校生の田中ひなを案内したことで、遅刻は罷免となった。
「くれぐれも? 走るんじゃないぞ? 慌てて走って、膝スリ向いたら大変だからな」
「わかりました。それじゃ、先生。またあとでー」
「おー気をつけてなー」
ひらひらと手を振って亜衣を見送った。
「さて、あたしの名前は如月はるかだ。君の様な子に対しての知識と経験があるから、今年度の夏にやってきた。大丈夫だ。その辺は安心しな」
はるかは、目線を転校生のひなに合わせて腰をかがめて頭を撫でた。
はるかは、赴任前の学校で、特殊な事態に遭遇し。こういった人を超えた存在に対する知見も持ち合わせていた。
そのため、田中ひなの素性を知っても動じない教師である如月はるかに白羽の矢がたったのだ。
「はい、お願いします」
「まぁ。さっきの子も空気は少し読めないが、困っている子を放っておけない性質だからな?
それに…あの腕輪から気になるのがあるが、不問にしよう。沙綾(さや)の事も話しておかないといけないしな。それじゃ、いくぞ?」
4年4組の教室に滑り込み。自分の席に亜衣はついた。
「セーフ・・・」
「いや、アウトだろ?」
隣の席の島崎優(しまざき ゆう)が、亜衣に突っ込む。
「転校してきた子を案内してたから、遅くなったんだよ?」
「ふーん? それ、男?女?」
「女の子。ただ、どこのクラスなのかわからないし。学年もね」
「ま、そりゃそうか。てか、亜衣。最近噂になっているダイバーゲームって知ってる?」
「何それ?」
「ダイバーゲームってのは、その人が見たい夢を見るアプリで、今小学生で流行ってんだよ。
もちろん、スマホなくても携帯ゲーム機でもできるから、あたしらでもできるってわけ」
「へー? 私はゲームよりもドラグーンソールのイラストとか描いているのが好きなんだけどなぁ」
「うん、まぁ。あんたに教えられて、動画見つけたけど、ハマるのはわかるわ。ネット配信?してたのを録画したのを、今度みる?」
「ほんと? やた! これでテストまで戦える!」
ガラッと扉が開けられ、如月はるかが入ってきた。
「はい、ちゅもーく。今日から、お前たちに友達が増えるぞ。なんと転校生だ! 特に男子。
よろこべ。可愛い女子だ」
「うぉおおおおおお! よっしゃ、らっきー! はるか先生!一生ついていきます!」
「姉御! 姉さま! どうぞ、ワタクシを! わんこに!」
大興奮する男子生徒たち。
「どうして、男子って、こう。ねぇ?」
「あ、あははは・・・。そりゃ、最近のミサイル騒動とかで癒しが欲しいんじゃない??
というよりも。おい。ワンコっていった人。あとでしめるから」
亜衣の友人である相良菜月(さがら なつき)が、目を光らせる。
「はいってきていいぞ?」
ガララっと。ポニーテールの少女田中ひなが入ってきた。
「は、はじめまして! た、た。田中ひなでしゅ!」
思いっきりかみかみっ子なひなである。
「やべぇ。この子守りたい!」
「なぁ、あとで、ヒナちゃんのグッツ作らね?」
「一口100円からで」
「よしきた!」
と一部の男子が暴走して、教師のいる前でファンクラブを創設する。
「あーそれとな? この町の武道家である田中スグルさんの娘だから。殴られる覚悟できたやつから、先生と一緒に行こうか?」
「や、やだなー。武道家の先生で有名な人だと先に言ってくださいよー。冗談ですよー。てへっ」
と悪戯っぽく最前列ではやし立てていた男子が解散宣言をする。
おそらく、人の歴史の中で、「数秒で、ファンクラブが解散した」というのは、初めてではないだろうか?
「さて、田中。空いている席についてくれ。これから大事な話をする」
遥かは、机の上に両手を置いて、一呼吸してから話す。
「同学年の香川沙綾(かがわ さや)が、意識不明状態となって入院している」
教室中がざわっとした。
「スマホアプリのダイバーゲームが起動していたらしい。だが、あたしから言えば、これは「こちら側」にも原因があると思う。
心配だろうが、あまり騒ぐな。話を変えるぞ。みんなは、メメント・モリー海外の言葉で「死を忘れるな」という意味だ。
もし、数年くらいで死ぬとわかったら、例えば、あたしなら。「全国のラーメン巡り」を死ぬまでにしたい!」
「センせー、それ無理だと思いまーす。体重が増えますよ?」
「そうだよー彼氏いないんだしさー」
男子生徒がはやし立てる。
「よし、次のテスト。お前たちだけ難しくするからいいよな?」
「冗談です! はるか姉さま!」
「テストは、テストだけは!」
「まぁ―こういうのは冗談としてだ。お前たちは、今生きている。だが、現代は、いつ死ぬかわからない。だから、「何に力を注ぐのか?」を
考えなきゃいけないんだ。大人はいうだろう。「死を意識するな」と。しかし、今の世界に希望を抱けないようにしてしまったのは、あたしら大人の責任でもある。
頭の良い奴が、そこの問題を直視しなきゃならないはずだったんだ。その力不足は、大きい。すまない。みんな」
はるかは、生徒たちに頭を下げて謝った。
「だが、これだけは覚えておいてほしい。「どんな時でもひとりじゃないんだ」と。
心が寒くなったときでも。誰の言葉が「救いとなることがある」そのことを覚えてほしい。
暗く、重い話はここまでだが。あたしから、皆にちょっとしたプレゼントだ。4霊石を全員分買ってある。これを持っておいてくれ」
如月はるかから、4霊石が渡される。
「4霊について、このまま雑学を兼ねて、授業するぞ? 4霊というのは、知っている人は知っていると思うが、古代中国では「聖なる獣」ことを指しているんだ。
世界の秩序が乱れた時に現れるとも言われる。例えば、日本でなじみ深いものといえば、「四聖獣」だ。誰か、知っている奴はいるか?」
「はいはーい! 姿勢獣。じーちゃんとばーちゃんとかーちゃんに、よわいとーちゃん!」
永井克己(かつみ)が、冗談交じりに答え。
周囲はどっと笑う。
「克己。確かに、食費と料理を握られたら、父親は確かに弱いな。残念だが、外れだ。
正解は、玄武。青龍。朱雀。白虎の四聖獣だ。玄武は北。青龍は東。朱雀は南。白虎は西…
と方位を守護している。ゲームなどでもおなじみだな。それぞれの属性はゲームや学説によっては異なるが、今皆に渡した。石には、それの力が宿されているというありがたい石だ。
簡単に言えば、厄除けみたいなものだ。大事にとっておくか、ランドセルの中に放り込んでおけ」
はるかの説明に、物珍し気に石を見るみんな。
「石なんだー」
「亜衣、亜衣。それ、腕輪につけるから頂戴」
キュウちゃんが小声で自分の体につけるからとねだってきた。
「キュウちゃん、あとでちゃんと返してね?」
キュウちゃんは腕輪形態のままコクコクと何度もうなずいた。
腕輪に、四霊石が埋められる。
授業が終わり。昼休みに、島崎優。相良菜月。桂亜衣の悪ガキが集まって、ダイバーゲームについて話し始めた。
「ダイバーゲームが原因か。ねえ?」
「調べてみる?」
「ちょっ、どうやって調べるの?」
「いや、最近家庭科室の鏡占いが当たるって怪談があるんだよ?」
「鏡占い??」
「そ。家庭科室の黒板近くにある全身が映る鏡。それに、夕方の四時四十四分に「気になることの解決策が欲しいです」というと具体的に言ってくれるって、噂が流れているん」
「へー? 学校の怪談みたいだね。でもさ、うちの学校って電子番号の解除でしょ?
どうやって?」
「それも、解決済み。教員のめんどくさい人は暗証番号はずっと同じままだろうし。
一円玉とかベビーパウダーで指紋採取しておいたから」
「なっちゃん。いつから、そんな知識を?」
「眼鏡の坊主のアニメから!」
「それ、この作品で言っていいの?! というか、メタい!メタい!」
「亜衣、世の中には、「大人の事情」という触れちゃいけない約束があるんだぞ?」
「それなっちゃんがいうこと?! いつも赤点先生なのに?!」
「はいはい。で? ひなちゃんもくる?」
優が転校してきたひなに声をかける。
「ひゃっ。は、はい! ついていいってイイですか?」
「もちろん! じゃ、放課後!」
悪ガキガールズ結成であった。
放課後。クラブ活動に行くものや塾にいくものとわけて、校舎からで行く。
「よし、いくぞー」
「お、おー!」
「ヒナちゃん。無理に乗らなくていいからね?」
「まじめにやろうよ、みんな?」
家庭科室は、体育館近くにある校舎の二階である。
「しかし、家庭科室か。フツーだったら、理科室とかで動く人体模型とか。
トイレとかでの赤紙とかのほうが」
「なっちゃん。それ、いつの時代の怪談?」
「え? うそ、90年代の「学校の怪談」という映画知らないの?」
「知りらない」と三人が答える。
「あ、あたしだけ。おばーちゃん・・・・・・。まぁいいや、昔の本に怪談話をまとめたのがあってね。
それに載っているんだ。それ見て思ったんだけど、『怪談や怖い話』ってその人たちの思念が形となって作り上げたモノじゃないか?って。ねんどで遊んだことがあるだろ?それと同じように、学校での不安や怒り。憎しみ。そういったものが形作られたのがこうした怪談話の核じゃないか」
菜月の話を聞いて、亜衣はキュウちゃんにこっそりと聞いてみた。
「キュウちゃん、そうなの?」
「そうともいえる。人の持つ思念はラジオの周波数と同じもの。だから、モノにも影響がでやすい。
例えば、怒り狂った人を見たとしよう。その人の怒りや苛立ちが風邪のように伝染して、怒りに呑まれてしまうんだよ。だから、この空間では、ボクの力は猛毒だから発言は控える。それと、声に出さないで会話することも可能だからね?」
「わかった」
「? 亜衣さん。何と話していたなんですか?」
「ひなちゃん、なんでもないよー? あははは」
亜衣はひなに対して誤魔化した。
「さっ。ついたぞ。優は、見張りしといて」
「はいはい。ま、なんで犯罪行為を」
「気にするな。そうじゃないと話進まないから」
「またメタい事を言っている」
菜月は、先日メモした解除キーを入力して、家庭科室のドアを開ける。
「よし。入るぞ」
亜衣たちは内心ドキドキしていた。普段はいれない場所。
いつもとは違う日常の中の非日常世界。
「亜衣、今何時?」
「四時四十二分。あと二分」
「じゃあ、聞こうじゃないか。沙綾に何があって、どうしたら助けられるのかを」
時計の針が周し。少女たちは立つ。
「鏡よ鏡。沙綾がダイバーゲームをしていた時に何があったのか。そして、どうしたら、友達を助けられるかを教えてください」
菜月が鏡に問いかける。
時刻が4時44分44秒となったときに、鏡の中に、鎧を纏った女性が現れた。
金髪で、エメラルドグリーンの瞳。薄っすらとピンク色の口紅をした唇から
言葉が紡がれる。
『沙綾は、ダイバーゲームの最中にスキュラ。モンスターに襲われて、意識が戻りません』
女性の眼が輝き。亜衣とひなを除いた全員が気を失った。
「菜月! 優!?」
「あ、あなたは! 戦乙女の」
『そう。私は、戦乙女の1人です。そこで、あなたたち二人には、鏡を通じて彼女が掴まっている潜在意識の空間にダイブしてもらいます。行きますか? 行きませんか』
「行く。友達だから!」
「ぼ、ぼくもいきます!」
『わかりました。戦乙女ーネフィスが命じます。2人を鏡の出入りを認めます』
亜衣とひなの2人は、鏡の中に入ると。水の中にいるような感覚だった。
『このまま泳いで行けば、彼女の意識にたどり着けます』
亜衣とひなは、手をつないで泳いで行った。
精神世界は、海のように深く。広く。そして、視界の先が見えにくかった。
「ヒナちゃん、大丈夫?」
「大丈夫です。それよりも、沙綾さんってどんな人なんですか?」
「沙綾ちゃんはね。絵が上手くて、可愛い動物をかけるんだよ! だけど、これは隣のクラスの子から聞いた話で。
いじめにあっていたみたい。 その絵の技術は、社会に出ても何もならない。くだらないって、大勢の子が「自分が正しい」と信じているものを押し付けていたの。だから、体調を崩して、風邪ひいて、そのまま」
亜衣は、自分自身が無力だと感じていた。同じ学校に通っている友達に対して、何もできないでいることを。
(亜衣・・・。大丈夫?)
キュウちゃんが腕輪姿のまま。亜衣の手首をなでなでして、気遣った。
(大丈夫だよ)
「亜衣さん、お義父さんから、あなたのことを聞きました。元気で、友達思いで、そして、ドラグーンソールに助けられた時から、真剣に稽古をするようになったって。だから、だから、きっと届くと思います。亜衣さんの気持ち!」
「ひなちゃん、ありがとう」
視界の端にツタの様なものが、勢いよく泳いで、迫ってきた。
「亜衣!危ない!」
「キュウちゃん!?」
腕輪のキュウちゃんが、亜衣の腕を引っ張って触手の追撃から逃れる。
「触手?! にゅ、にゅるにゅるやだ~~~!」
「ぴゃーーーーーー!」
2人は、全力で泳いで逃げる。しかし、触手が縦横無尽に追いかけ回す。
「! 亜衣ちゃん!」
ひなは、亜衣を突き飛ばした。その後すぐに、触手がひなの体をグルグル巻きにとらえた。
「ひなちゃん!!」
突然、誰かの声が響いた。
「こないで・・・! 来ないで!!!」
スキュラの背中に、透明な卵に包まれた。沙綾がいた。
「もしかして、沙綾ちゃん? 沙綾ちゃんなの?!」
「違う。この声は、我だ。人の子よ。我が名スキュラ。そして、この子を護るためにお前たち人間を攻撃している」
「すきゅら? さんが、どうして? ひなちゃんまで攻撃するの?」
亜衣が聞き返す。
「それは、お前たち幼き人間たちが、 人の生きる糧「イラストをばかにし、この子の夢まで壊したからだ」その子の。
迷い子となったこの子の想いは、どこへいく?」
「まさか・・・! でも、だって! いじめなんて!」
「ならば、観てみるか?」
亜衣の体にスキュラの触手が巻き付いて、沙綾の記憶を見せた。
言葉に表しがたい。見えない刃。見えない凶器。1つ1つが小さいが、1人の心を傷つけるのに、20人という無自覚な悪意は、
悪意という言葉を汚れをしらなかった少女を痛めつけるのには十分だった。
無垢ゆえの見えない感情への無知さ。
それは、誰から始まり。誰が終わらせるのかも誰も、誰も知らない。
「そん、な・・・・・。沙綾ちゃんの絵は、たった一つの世界で一つの絵なのに・・・。それを猿まねだとか。そんなので生きていけないとか。
やっていても、無駄だって・・・・」
亜衣は、知らなかった。クラスが別になった友達がそこまで苦しんでいたことを。
クラスが別になっても、友達ができるから大丈夫だと思っていた。
沙綾が描いている絵が友達の輪を広げるモノになると信じていた。
だけど、そんな小さな想いも。優しい気持ちも。
<同じ年齢の人間が、ここまで残酷になれるということが何よりも信じられなかった>
亜衣は、自分の言葉が、想いが、沙綾に届かないかもしれないと思いかけた。
「おい、おまえ。亜衣を泣かせたな?」
「きゅう、ちゃん?」
腕輪の姿から、手のリサイズのハムスターに変化したキュウちゃんが亜衣の左肩に乗る。
「亜衣は、亜衣はすごい子なんだぞ! 純粋に、信じているんだぞ! 沙綾って子の絵がどれだけすごいのか!
亜衣と亜衣の友達がその子を助けたい気持ちで、学校の怪談という怖い噂話を信じてまで、ここまで来たんだぞ! それを信じないで、攻撃なんてするなー!」
フーフー! と全身の毛を逆立ててキュウちゃんが、思いのたけをぶつける。
「キュウちゃん・・・・・・!」
亜衣はキュウちゃんの言葉で折れかけた心に光が射した。
「だまれっ 人間は、悪意を持った人間はっ 信じていても! モノを作る手で刃を持ち。人を傷つける!」
スキュラの触手が亜衣達に迫る。
「亜衣! 変身するんだ!」
「キュウちゃん?! どうやって!?」
「イメージして! 憧れたヒーローを! そして、一緒に戦っている君を!」
「! わかった」
亜衣は目を閉じて、自分の中で最強のヒーロー。ドラグーンソールを思い浮かべ。その隣で戦っている自分をイメージした。
ユニコーンの様な白い衣服に天使の様な羽。
「インストール! ユニコーン!」
キュウちゃんは腕輪となって、亜衣の左手首に嵌り。4霊石が輝く。
私服から、白いワンピース。左右の二の腕に白い帯。胸には十字の黄色のラインが走り。ヘッドドレスには白い羽を生やしたユニコーンを思わせた。
白いスパッツとハイニーソ。
「魔装少女・アイ! ユニコーンフォーム!」
触手を引きちぎって、空へと舞う。
「わっ! 変身した!」
(亜衣! ひなちゃんを助けるよ! フォームチェンジだ! 指で、1.2.3とカウントしたら、はるか先生が言っていた4聖獣のどれかを言うんだ!)
亜衣は頷いて答えた。キュウちゃんの言う通りに、指先で人差し指から中指薬指までピッピッとたて、フォームチェンジする。
「フォームチェンジ! 青龍!」
白いワンピースから、両腕の二の腕に。青い帯。そして青いチャイナドレスに、薙刀を流麗に頭上で回してフォームチェンジを完了させる。
「やぁ!」と薙刀を奮い。触手を叩き切る。
「ひなちゃん!」
「あ、亜衣ちゃん。ありがとうございます」
再び、触手が2人に迫りくる。亜衣は、再び。フォームチェンジして、黒い上下のスパッツ姿に赤いベストをきた。赤い羽根を生やした朱雀に変身する。
「朱雀フォーム! ガトリングガン!」
ひなを左腕で抱えて、片手でガトリング銃でけん制する。
「亜衣ちゃん! 後ろからも!」
「大丈夫! フォームチェンジ! 白虎!」
白と黒のパーカーと手甲からは、長い爪。白虎の力を宿したフォームが誕生した。
「うみゃー白風乱舞! 風のように舞い! 蜂のように逃げる!」
「逃げるの?!」
目に留まらぬ速さで、触手の網をの隙間を針を縫うようにスイスイと避けて、距離を置く。
「ここまで逃げればよし! ひなちゃん。耳を塞いでね?」
「え? ま、まだなにかあるのですか!?」
「フォームチェンジ! 玄武!」
黒い重厚武装に身を包み。ロングキャノン砲と盾を携えた魔砲少女がここに誕生する。
「ターゲットロック! アトミック・ブレスター!」
砲身から、高エネルギーが放出される。
「くっ! おのれぇ! 人間の子よ! まだ、まだ! 我はこの子を! この子を護るために!」
スキュラは、己の力を暴走させ。大津波を起こした。
だが、アトミック・ブレスターの攻撃により、大津波は水蒸気へと変わる。
「あなたが、沙綾ちゃんを大事にしたい気持ちはわかったよ。でもね? 沙綾ちゃんをいつまでも寝かせていたら、おばあちゃんになってしまうかもしれない。
あなたが心配しているように、沙綾ちゃんのお母さんやお父さんも心配しているんだよ」
亜衣は、ロングキャノンをドズンと杖のように立てて、話しかける。
「だから、沙綾ちゃんの眠りを終わらせよう? また、現実世界で生き抜く強さを得るためにも、あなたの優しい言葉と想いを沙綾ちゃんに伝えよう?」
スキュラは、沈黙し。背中の向う側で守っている沙綾を見る。
「我は、この世界に来る前に。この子と同じくらいの年の子を亡くしたのだ。人間の手で、殺されたのだ。
胸が張り裂けそうになり、変われるモノなら、我が命と引き換えに生き返らせてほしいとも思ったほどだ。
こちらの世界に流れ着いた時に、この世界の子供を手あたり次第。我が子と同じように殺そうと思った。
しかし、できなかった。最初に手をかけようとした。沙綾の心を知り。我らの様な異質なる存在とどうちがうというのだ?
見た目が違うからか? 力がありすぎるからか? だが、どちらも「こころに、愛がなければ、ただの殺戮となってしまう」
そのことが、そのことが・・・・・・今、わかったのだ」
スキュラは、両手で、沙綾の体を抱きかかえて。冷たい体を少しでも温めようと抱きしめ。頬で沙綾の頭をなであてた。
「アイよ。おぬしなら、おぬしらなら、人と異質な存在。モンスターが共に手を取り合える世界になれると思うか?」
「できると思う。人間は、知らないものに対して、怯えてしまう。だけど、私とキューちゃんみたいになれるよ。
私は、あなたを倒したくない。だから、少しでもあなたの心の傷を癒せる力を注ぎたい。フォームチェンジ・・・。ユニコーンフォーム!」
ユニコーンフォームに戻り。
両腕を円を描くように回して、十字に腕を交差させる。胸に手を当てて、相手を受け入れるように腕を広げる。
「シャイニー・クォーク!」
優しい光をスキュラに注ぎ込み。母であり、子を慈しむ純粋な気持ちを思い出させた。
シャイニー・クォークは浄化系の技であり、攻撃力が低いユニコーンフォームの必殺技である。
スキュラの胸の内にある、憎しみの業火を少しずつ、少しずつ、消していく。
その代わりに、亡くした子の優しい思い出を記憶という真っ白な雪に、埋めなおしていく。
亡くなった子の死は、肉体的な死だけではない。
時が経つにつれて、声も輪郭も。どんな言葉をかけてくれたのかも。失くしていくのだ。
せめて、記憶の死だけは、避けたいと思い。キューちゃんは、亜衣にこの技を使うようにアドバイスしたのだ。
「ふぅ、これ、で・・・あれ?」
亜衣の変身姿が解けて、ふらっと倒れそうになる。
「亜衣ちゃん! しっかり!」
ひなが、亜衣を支える。
「うん、ごめん、少し寝かせて・・・」
亜衣はそのまま眠ってしまった。
「ヒュドラの子。いえ、知識のワルキューレ。あなたは、怯えていたのですね。初めてできた友達に。自身の正体を明かすことに」
「はい。ですが、いつかは。話します。「大切な友達だから」です」
スキュラは、優しく微笑んだ。
「そう。では、お帰りなさい。あなた達がいる世界に。我は、この子の心を治し。見守ります」
スキュラは帰りの道を光で示し。促した。
ひなは、亜衣を連れて、元の世界に戻った。
鏡の景色が、家庭科室の前に戻ってきた時に、戦乙女が声をかけてきた。
「無事終わりましたね。スキュラは、大丈夫でしょう」
「はい。ですが、亜衣ちゃんのお友達のこの子は?」
「―――話しますか? あなたの正体を」
「それは、ボクが君たちの仇敵だから?」
キュウちゃんーカオスレガリアが、彼女たちに問いかけた。
「気づいていたのですか」
「なんとなく。ただ、ボクの力が、意識結晶体であること。そして、カオスがボクと融合することで「本当の力を取り戻す」ということまでは。
そして、君たち戦乙女が12人のうち4人が陰。7人が陽。1人が死を司る冥府の存在。亜衣の道場主だということも」
キュウちゃんは、フヨフヨと浮いて、亜衣の頭に乗る。
「だから、ボクに何かあったときに君たちが信じられる存在に話してほしい。今の亜衣を悲しませたくないから」
亜衣の髪にしがみつくキュウちゃん。拾われた時から、亜衣をたった一人の家族と思っていた。
喜怒哀楽を一緒に過ごし。その思いがかけがえのない宝物に変わりつつある。
だが、そんな小さな宝物をカオスは壊すだろう。
そして、自分の正体を言えば、亜衣の命が狙われるのもわかっていた。
言いたくても、言えない。
そんなもどかしさが、小さな掌を通して、体が震えていた。
「・・・・・・わかりました。私も。黙っています。これは、ひなとの約束です」
「ひな、ちゃん」
だばーと涙を流すキュウちゃん。
「ほら、戻りましょう? みんなが待っています」
鏡を通り抜けて、元の世界に戻った。
時刻は4時50分。気を失っていた相良たちを起こして、事件が解決したことを伝える。
事後処理の為に、こっそりと家庭科室を出ようとしたときに。ラスボスである「如月はるか大魔王」が待ち構えていた。
正座30分の刑で終わった。
「そうか。なら、あとはあたしでなんとかしよう。いいか? この事は親にはいうな。
信じないだろうしな。だが、お前たちの勇気は、あたしだけが知っている。
難しいが、いじめの問題は、人の弱さとその違いをどう乗り越えるかを「今まで教えてなかった」のもある。本人が「それでも乗り越える」という意思がなければ、千の言葉。万の手を指し伸ばしても。
なにもできないんだ。だが、人には、「見えないチカラ」でつながっているんだ。
あたしもそうだし、みんなもそうだ。―それは縁ともいえるし、ご先祖様ともいえる。
現代科学が進んでも。そうした存在に対しての見え方をわすれないでほしい。
今は、わからなくても。大人になったときに、100回のうち1回でも覚えておいてくれ。」
はるかは、正座で足がしびれて、話をまともに聞けない亜衣達に、そう伝えて、解散した。
その帰り道。亜衣とキュウちゃんは会話する。
「キュウちゃん。はるか先生が言っていたことわかる?」
「んー・・・。乗り越えようと決めて、動けば乗り越えられる。ただ、それを自分だけの力じゃなく。誰かの力を借りて、生きなさい。ということだと思う。人は、空と大地と海と。その三つの中で生きている。
だから、世界に対して自己を開かないといけない。亜衣、ドラグーンソールは・・・・・・君にとって、最高のヒーロー?」
「うん! 絶対最強のヒーローだよ!」
亜衣の笑顔に、キュウちゃんは目を細める。
「いつか、2人で逢いに行こう」
「そうだね。それと、キュウちゃん。変身した時の私の名前って、なに?」
「魔装少女アイ。ボクの力を使うから、そのままに」
「えー? セイント・ルーンとかのほうがよかったのになぁ」
「まぁ。それは、お家に帰ってから。ひなちゃんとも友達になったしね?」
2人はそのまま自宅にたどり着いた。
メールが届き。沙綾から一枚のイラストが添付されていた。
その絵には、「夢で見た。魔法少女ともう一人のお母さん」というタイトルで、
変身した亜衣の姿と沙綾を優しく抱きかかえているスキュラのイラストだった。
終わり。
次回予告!
リーシに、幼馴染のダークエルフがいた。その名は「ルフィン」
しかし、カオスの手先となって、リーシに牙をむく。
幼い頃の優しさは、もうないのか?
黒い魔法で、先の大戦で亡くなったワルキューレのシロとクロを復活させる。
豪と美奈子と再び出会う。
「風に去った。遠きやさしさ」
あとがき
やっと、終わった。親父殿が、お腹のガン系と知り。
先月は実習には落ちるという(´っ・ω・)っ「メガッサ試されるレミーさん!」
個人的に大変だったのは、亜衣ちゃんとキューちゃんの関係をどう描くか。
ある意味魔法少女もので、武器を持って戦うプリキュア版?(いや、今もそうか)
思いついたネタでやりました_(:3 」∠)_
スピンオフしてもいいような気も…|д゚) (主人公。今回不在)
そして、この作品を書くきっかけは、とあるフォロワーさんが元気になればいいなぁと。亜衣ちゃんのイラストを見てピーンと着た人に。
(´っ・ω・)っなので、亜衣ちゃんの活躍てんこ盛り。
変身形態がクウガ並み(´っ・ω・)っ…コスモスはうん、多すぎ。
そして、次回予告も亜衣ちゃんの必殺技を考えていた時にできたので、
次回も龍介くん空気回(´っ・ω・)っ…どれだけ主人公に恨みがあるんだレミーさん?(いや、その。思いつきでそうなって…(;'∀') をい)
投げ銭していただけると、喜びます(´っ・ω・)っ「創作関係に投資」(´っ・ω・)っ今さら編集できることを知る人・・・(天然すぎぃ)