龍戦記ドラグーンソール 十二月の戦乙女編

龍戦記ドラグーンソール 十二月の戦乙女編

「神龍帝のその先へ。理不尽に抗う闘士。インフェルノモード」

 犬飼豪は、拘束を解かれ。戦乙女のフォルテに、身体を洗われていた。

「あの、すんません。ガチで、すんません。なんで、こうなるのでしょうか? というよりも。俺の心が死ぬんで。うち帰ったらリーシにこっぴどく叱られる上に、神龍帝もはだしで逃げ出す特訓もさせられるんで、お願いです。開放してください」

 豪にとっては、殴る蹴るよりも心に来る拷問?というよりも、世の男子から攻撃されるであろう羨ましい展開になっている。

 スパイ小説中にも、男性側が女性との交流が少ないので、ホイホイと自分の個人情報を明け渡すというシーンがあるが、それに近い。

「えー? なんで? 大事大事にしないといけないって、シフォンがいっていたよ?」

「うん、それは正しい。けどね。けどね。魅力的な体の女の子が、好きでもない人と一緒にお風呂はいちゃダメなの」

 フォルテは、ツインテールに結わえた髪を左右に頭を揺らして「???」とわからないようだった。

「豪。無理もないわね。フォルテには、まだわからないわよ? だってこの子、生まれて一か月だもの」

 シフォンが浴場に入ってきて、説明する。

「ファ!? なにしているんですか?!」

「?何って、風呂に入りに来ただけじゃない? イチイチ、ダークエルフ女の裸くらいで―――」

 褐色肌と銀髪の少女が言いかけて、豪の背を丸めている姿を見て察した。

「―――フッ。青いわね。うぶのねんねというとこかしら?」
 息を吐いて、シフォンは身体を洗う。
「いい? こっちの世界では、男女混浴なんてあたりまえだったんだから。その名残もあって、あんたたちの世界の性常識とは違うのよ」
「たとえば?」
「そうね。あっちの世界は、種族の共存というのが全体的なテーマだった。しかし、ボーダーブレイクの影響で世界が崩壊し。こっちの世界に逃げた人もいる。
そこで、私は「より安全に住まう世界はどこか?」と考えて電脳世界に住処にした。はっきりって、時間軸がWindows95よりもまえに」
「それって、MSDOSですか? フロッピーディスクに書き込むレベルの」
「よく知っているわね? というよりも、某特撮のアレとはちがうわよ。さっきの話の続きをするわ。
いい? ヒトの未来は、VRとARの技術により、電子生命体へと進化する可能性がでてきた」

 シフォンの考えに、豪が答える。
「つまり、「自分の記憶・経験をそのままに。容姿を加工することもできる」ということは、年齢だけでなく。【生死そのものがサーバーがあり続ける限り存在できる】ということになるのか?」
「ご名答。だけど、それだけじゃない。国さえもサーバー内にできると現在観測できる範囲で捉えられているわね。
つまり、地球にある国境や国。自治区といった概念そのものが崩壊され。【新しい国の在り方が100年後にはできている】
それは、ネットさえあれば、どこでもいけるということになるわね。で、私はそれを先取りして理不尽の暴力から護るためのシェルターを作っているわけ」
「シフォンは、この世界で「シェルター」を作って、どうするつもりなんだ? それと、どうやって、人間が入れるように??」
「お風呂ざぶんー!」
 豪は、フォルテに抱きかかえられたままお風呂にダイブ。
「フォルテ・・・・・・お話し中なんだけども」
「仕方ないじゃない? 珍しいんだから。まぁいいわ。
 人間がこの世界に入る方法からね? 
 簡単に言えば、電子と原子レベルまで分解と再構成をする機械を作ってやったというわけ」
「ふぁあ?! ちょいまて、この世界でまだできないやつじゃん!」
「そう。例えば、あんたが持っている変身カードも原子レベルで観れば小さな粒同士が絡み合ってできているようなもの。
 人間だって、ざっくり考えれば、そのレベルまで分解できるわね。乱暴な理屈だけど」
 シフォンの言うことは、原子レベルの組織を一度分解し。変換して、再構成するというものだった。
「これ以上は、簡単に言えないわよ?」
「いえ、もうお腹いっぱいです。はい」
「ふーん? とりゃ」
 シフォンは、首を腕でつかんで豪の頭を引き寄せた。そして、耳打ちする。
「いい? 声を出さないで聞きな」
 シフォンが声を低くして伝える。
「カオスとの取引で「キメラ細胞の強化版」を創った。その理由は恐らく、異なる存在と拒絶反応を限りなくゼロに近づける為……。
つまり、別の存在と一体化しようということ。これは重要なことだから、覚えておきな。いい? 何が何でもこの情報をリーシに伝えておいて」
 豪は、瞬きして了承した。

 キメラ細胞については、以前。リーシから聞いていた。
 
『え? 神話が元になった医学とかあるかって? そうねぇ。有名どころで言えばアスクレピオスの杖は、医学の象徴とも言えるわね。
それから、キメラ。キメラはこの世界でも有名なモンスターで、色々な生物と融合しているでしょ? この世界でも拒絶反応が起きない細胞
として、キメラ細胞と名付けているのよ。血液型も輸血とかでも変わってしまうケースがあるから…最後のは、ちょっとした雑学ね』

 ハイエルフのリーシが、言っていたことを覚えていた。
 忘れるはずがない。寝食共にした。相棒だから。

「というよりも、あんた色々とモテるわねぇ? 多重婚できるように、役所にハックしようか?」
「おーい、サラッと電子犯罪するなぁ・・・・・」
「それから、ここらが本題。すべてのワルキューレはそろった。そして、カオス本体である。コア―アンリ・マユが既に活動している。
だけど、カオスとマユは独立した存在となっている為。すべて別の存在となっている。だからーさっき言ったことに繋がる」
「そうか。だから、か」
 豪はカオスがキメラ細胞を作らせた理由は「元々は一体となっていた存在の再結合」というモノを拒絶反応なく進める為のモノだった。
しかし、人が生きる時間よりも長く。長く流された時の果てに、別の生命となってしまった。
「ヒトリゴトだけど、あたしらは、理不尽の弾該者なのよ」
 シフォンが話す。
「こっちの世界に来て、色々と肌の色や考え方で迫害されたわ。
 だけどね? それでも、あんたらみたいにリーシを命がけで護る人間がいるってことに希望が持てたのもあるんだよ。
統率された集団。画一された命令。
それらをこなすことを至上としたら「何も考えていないのと同じ」だから、
戦うんだよ。何も考えずに、命令に従うというのに。生命なら、自分の頭使って、戦えっての! クソが!」

 盲目とした命令に従うことだけが正義という危うさ。
 それは、「友としての愛も。親としての愛も。師としての愛も。全てその人だけで成り立とうとする」その怖さは、周囲はわからない。傍から見れば、健全そうに見えるからだ。

 それは、怪しい組織のようになり、自身の意思も思考さえも彼らの為だけになる。
 しかし、その欲―承認欲が満たされないでいれば。『裏切られた』かのように思い込んでしまう。

「ちょっと、付き合ってくれる? 連れていきたい場所があるから」

その頃リーシは、一通のメールを受け取っていた。
 シフォンからのメールだった。
「・・・・・・なるほどね。カオスが探していたモノがなんなのか。そして、なぜ協力したかもわかった。
 あとは、「カオスが完全体になったときに備えてのカウンター装置」をどうするか」だけども。
 シンプルに言えば「ぶん殴って、泣いてもやめない」という作戦ね」
「観も蓋もないが。まぁいいか。バカ弟子は大丈夫だろうか?」
「大丈夫。モールス信号のやり方で「空白」を使って、安心して。と隠語があったから。ただ・・・・・・地獄を見るわね」
「え?」
 スグルは、リーシの眼のそらし方に不安を覚えた。

 豪は広い草原に連れてこられた。
「さて、んじゃ始めるか。カードにリダイブしなさい」
「わーい、師匠達の中で一番やさしいコースだー」
「……お兄ちゃん、いったいどんなしごきを?」
 フォルテが聞いてきた。
「地雷原を全力疾走したり。ジープで追い回されたり。・・・・・・うん、某特撮番組と違って、手当なし」
「た、大変だぁ…」
 フォルテが、豪の頭をよしよしと撫でる。
「天使がいた! いや、女神だ」
「悪魔かもよー??」
「天使のような、悪魔の声ねぇ。まぁ、この修行の意味はね?
 シルフとの同調率をあげるということ。
 簡単に言えば、石と会話する技法に近いかな。人間の精神はどこまでも広く。深い。だけど、その使い方は知られていない。
 だから、強くなるために瞑想が用いられたという」
「・・・そっか! これ、武器扱う武術で言えば、「俺と武器の波長を合わせるようなもの」か?」
「そういうこと。だから、ソールとは違うアプローチで豪は強くならなきゃいけない。というわけで、この羽ペンをあげるわ」
 黒と白の二つの翼が1つになったペンを受け取る。
「これは一種のおまじない。いい? 浮かんできたイメージは否定しないこと。創造力は自分にはあると信じ抜くこと。
 創造力は「誰にも奪えない」と信じること。この二つは『今の大人の多くが失わせている』なぜなら、創造力は誰でも、持っている。
だけど「お前にはないと大人がその力を奪い。それを持っていないように振る舞わせている」ー力は誰にでもある。だけど、その力は奪われないと信じる心の基礎が必要なのよ」
「ふむふむ。サンキュ。んじゃ、ちょっとやってくるわ」
 豪は胡坐を組んで、丹田呼吸法で腹に意識を集中させる。
 周囲の音が遠くなり。自身の内面へと。潜っていく。そして、ドラグーンシルフと一体化するイメージを重ねる。
 水の波紋が溶け合うように。重ねていき。1つになる。
 そして、戦いと進化の歴史。
 
 風の穏やかな時と嵐のように怒り。問答無用に、拳をうちぬく。
 テンペスタのその先。「ブラスターインフェルノ」地獄の嵐。
 ひとりひとりの世界観は異なる。
 しかし、それを認めたがらない人がいる。
 だから、無理やり統合させ、異常を生み出す仕組みを延々と続けさせる。
 
「あきらめるな。前を見ろ。俺たちが闇を晴らす風となる。俺たちの生き方も住んでいる場所も違う。しかし、どんなところにも希望はある。いくぞ。【相棒】!」
「シルフ。ああ。行こう。勝利をこの手に」
 シルフと手を取り。新たな姿へとイメージを形作る。
 黒と白が混ざった二枚の翼を持った。銃を携えた戦士。
 その名はー「ドラグーンテンペスタ・インフェルノ」
 阿修羅となりつつも。優しき風を持つ戦士。

「そこまでだ。これ以上強くなってもらっては、俺が困るんでね」
 竜也が姿を現した。
「カオス! ここのプロテクトを超えてきたか」
 シフォンとフォルテが後ろにいる豪を守るように壁となって、眼光を鋭くする。
「簡単なことだ。あの十字架は追跡装置でもある。
どんなに強大な力を持ち。
肉体を得た存在であっても内部からの破壊には弱い。なぜなら、内部の強化を図ることはできない。弱点がなければ、ロマンにすらならん」
 竜也が指を鳴らすと。地中からケルベロスとミノタウロスを召喚させた。
「融合進化。タイライド」
 ケルベロスにミノタウロスの角と斧が融合し、2足で立ち上がる。
 爪は斧のように鋭く。頭部に角が生えた生物へと進化する。
「キメラ細胞を使ったか。だけど、お前の野望はあたしらが打ち砕く。
フォルテ!」
「わかった」
 フォルテが羽ばたくと。タイライドに立ち向かう。
 拳のラッシュが繰り出され。顎をかちあげるが、残りの2つの頭部が蛇のように伸びて、フォルテに噛みついてくる。
「戦乙女を舐めるな。犬ころが」
 フォルテは力を解放し、噛みついてきた頭部二つにある牙の一部を力技で引き抜いた。
 タイライドは痛みに嘆き。血をまき散らしながら、吠える。
 自由になったフォルテは、掌を中国拳法のようにスッと立てて、掌底を打ち込む。
「やはり。ただのタイライドでは、だめか、ならば、天魔の翼」
 天使と悪魔の翼をタイライドに付与し。進化を重ねる。
「タイライドEX。回復と狂化により、貴様らの攻撃さえも快楽になる」
「狂っているわね。命をなんだと?」
「医学の発展により、治らないものも治るようになってきたが。
では、聴こう。
ダークエルフよ。「この時代の人間の心は、それに見合うだけの進化があったか?」俺からしてみれば、未熟すぎる。一部の人間性の高さに気づかず。恐れ。怯え。追い抜かれることに嫉妬し。自身の嫉妬心に身を焦がし。その偽装の力に溺れてゆく」
「ばっかじゃないの? 自分の観たモノが全てで、統一されれば「平和になるとでも?? いい? 人は必ず善も悪も持っている。しかし、勇気と気迫。何に囚われているかということがわかれば、人は強く成長する。理不尽なことに怒り。悲しむ人がいる限り、【お前の願いは止められる】そして、お前を救おうとしている戦乙女もいる」
「なにをいっている?」
「あなた、まさかー? 人間としての魂が削られている?」
 竜也としての意識が薄くなっていることに彼は気づかない。
 シフォンは、カオスの恐ろしさに気づいた。
 すべての命の危機に繋がると。
 それぞれの命という記憶さえも消えてしまうのだと。

「なら、戦乙女として、虐げられたものとしても。アンタを救う可能性を引き上げてやる。そうじゃきゃ、ハッピーエンドでなきゃ、鬱(うつ)展開なんて誰得!? 女が廃るってもんよ」
 【怪物】に、させないためにも。ダークエルフの戦乙女が立ち上がる。
 扇子を手にして、舞う。
「風がながるる。時を想え。愛する人の涙をぬぐう指先。哀しき運命を打ち砕かん」
 
竜也がカオスへと変身する。
「邪魔だ。消えろ。カオスフレア」
 紫色の炎が、シフォンへと襲う。
 その時、緑の龍戦士が間に割り込む。
「させねぇよ。もう、二度と……! 俺の目の前で死なせはしない」
「ドラグーンシルフ。貴様も龍介の親友だったな」
 マントを翻し。カオスが牙をむく。
「てめえとは、決着をつけたいが。今は相手にしてられんねぇ。フォルテを助けるのが先だ」
「優先順位はわかっているようだな。せいぜい、がんばることだ」
 カオスは異空間に消えた。
「豪。大丈夫なのか?」
「わかんねー。けども。放っておけるか、行くぜ。
ワ―プスピリットエボルド!」
 シルフから、テンペスタに瞬間進化した。
「いくぜ、インフェル…!」
「ガアア!」
 タイライドの翼が羽ばたき。テンペスタの体にまとわりつく。
「ぐ、がっ!」
 テンペスタの体が変色して目の色も代わりはじめ。紫になる。
「豪!」
「しまった! 操られて!?」
 フォルテに、はさみうちで襲い掛かる。だが、テンペスタの右腕を左腕が抑える。
「負け、ねぇ……。
俺は、俺達は、こんな風に魂まで操られていいわけがねぇ!
怒り、憎しみ、哀しみ、不安、確かに誰にでもある。
信じられない時だってある。
 だけど、だけどな! 相互に助け合える世界を俺は、俺とシルフは望んでいるんだ!」
 豪は、抗う。理不尽への弾該者として、抗う。
「おおおおおおおおっ! インフェルノ!」
 羽ペンを握り締めて、進化する。
 テンペスタに白色のマントが伸び。二枚に別れて、白い翼。その先に黒のパターンが入った翼へと変形する。
 右腕に長い銃を携えた。龍戦士。
「ドラグーンテンペスタインフェルノモード」
「お兄ちゃん。大丈夫?」
「なんとかな。だけども、こいつをぶちのめす。下がってな、フォルテ」
 フォルテはインフェルノの後ろに隠れた。
「ブラスター・インフェルノ」
 バスターライフルを全力全開でエネルギーを解放して、タイライドの腹部に直撃させた。
 しかし、翼の役割を持っていたモンスターが分離して強襲をしかける。
「甘いな。俺たち神龍帝のさらに先を極めたモノは、「龍眼」―未来視を持っているんだ」
 引き金を引いて、翼の役割を持ったモンスターを死滅させる。
「なるほどな。シンプルなものほど。奥深く。
防御と攻撃の二つを併せ持つ。カオスが、封じたがるわけだ」
 豪は、変身を解いて。シフォンたちに向き合う。
「……が。これ、疲弊感すごいな。長距離マラソンを全力疾走したもんだぞこれぇ」
「あー。お兄ちゃんのシリアスさんが一分で死んじゃったよ」
「当たり前よ。龍眼まで使うのは、融合形態のオメガまでで、シルフで想定されていなかった極限モードを開発したんだから。つまり、人間と龍戦士という組み合わせだからできたことだから、このモードは1分が限界ね」
「アー・・・・・・。
切り札中の切り札で、色々とジョグレス進化とかできるのも
戦闘の戦略性を広げると同時に、変身者の体力を消耗しすぎないようにするためか」
「そ。だから、リーシ、ルティア、フェリスは、「変身強化形態に種類」を設けて、命の消耗を減らすようにしている。スマホのメモリーカードや電池だって、使うたびに消耗するでしょ? それをできる限り遅らせる為に複数もったりしているわけ」
 ドラグーンシステムは、本来の守護神達の力をできる限り抑え、変身者の負担を減らすというもの。そして、究極体である「神龍帝」その先にある超越体「モード」は、切り札中の切り札という扱いで「守護神の力を超えた神そのものの力を身に宿す」という「神降ろし」に近い概念で行っている。
 そのため、シフォンの指導が「自身と変身後の自分をトレースする」という訓練で、精神面の同調。意図的に「潜在意識と表層意識の境目」を起こして、違和感を失くすというものだ。
「今後も、あたしがやった訓練をやりなさい。これは他の人もできる方法だから」
「オス」
「さて、ここの流れは精神と時の間みたいに、時間の進み具合が違うから、ここでの1時間は、あちらで言えば10分。というわけだから、しごいてあげるわ」
「わーい! お兄ちゃんと一緒だー。殴り合いゴッコだー」
 フォルテが無邪気に喜ぶ。
「お、お手柔らかに、お願いします」
 豪の特訓がまた始まった。

 シグルーンは、亜衣が通う学校の玄関の窓ガラスを破壊し。
 家庭科室に入ってきた。目的は、ただ一つ。ここにいる戦乙女に逢う為だ。
「ここにいたか」
「ええ。シグルーン。あなたは、聞きに来たのですね?」
「ええ。スクルド。あなたなら、未来視までの占いができると。運命を司る戦乙女。
なら、竜也を助けるには、どうしたら、いいかを」
「なるほど。愛する人の為に戦う戦乙女となりましたか。いいでしょう。
教えます。あなたは、他の戦乙女と違い「三回生き返る」力を持っている。
生と死は、ふたごであることーその意味はわかりますね?」
「意識のゆらぎが夢を見る時と目覚める時。なら、魂が芽吹くときは―スキが生まれる。そう、やはり。カオスの完全体がその隙というわけね」
 シグルーンは、深呼吸をする。
「ありがとう。これだけ聞きたかったから」
「私を倒して、同化しないので?」
 スクルドの問いかけに。ふと、敵である荒川美奈子の言葉が思い返される。
 
 『まだ。好きと伝えていないから』
 
 不器用で、稲妻のように駆け抜ける思い。
 その思いに、どこか、共感している自分がいる。
 そう。好きなのだ。竜也のことが。あの人を救うためなら、命をかける。
「それはしないわ。するのは、核を探し出すこと。あとは、この世界がどうなろうと構わない」
 シグルーンは、窓を切り裂いて、夜空に舞う。
「カオスと同等の気の残留が、あった。ということは、この学校を見張れば?」
 シグルーンは、亜衣が通う小学校を見下ろして、闇に去る。

裏切りの戦乙女シグルーンは、愛のために戦う。

 あとがき

 やっと。やっとできだど。。。

 ドラグーンソール 実はヒロイン犬飼豪くん。前後編。

 映画観て、そこから着想してである…|д゚)耳鳴りで遅延。

 一時、ファイルが行方不明になったり。
 耳鳴り不調二か月。

 起きた当日には「相手の声が聞き取れないほどの重症に」

 診察の時も、先生が言っていることも聞き取れないというほどですよ。

 スマホぅで、文章打って、説明というorz

 さて。耳鳴りですが、精神的なストレスが強すぎてなると思います。

 こればかりは、はよ治せと言われても治りません(細胞レベルまで見ないと分からんのです)

 色々と方法を教えてもらい、やっていますが。少しずつですが耳鳴りは減っております。

 作中での、豪くんの特訓は、瞑想に近いものを取り入れています。
 実際作者の私もやっている内容で、「耳鳴りを意図的に気にならない鍛錬にしよう」ということでやっております。(遠目)

 さて、脳内あらすじで。また「魔法少女?(拳で語る?)亜衣ちゃん」
が登場予定です|ω・)

 男の娘枠の渚ちゃん(キューちゃん)は出るのか?|д゚)…一応両性になれるという隠れ枠。

投げ銭していただけると、喜びます(´っ・ω・)っ「創作関係に投資」(´っ・ω・)っ今さら編集できることを知る人・・・(天然すぎぃ)