見出し画像

墓じまいの書類手続きをまとめて紹介!

墓じまいをしようとしても、何から手をつけたらよいか分からない人も多いのではないでしょうか。

墓じまいは大きく5ステップから構成され、そのうち書類の手続きは法律で決められた箇所も多くあります。

そこでこの記事では、墓じまいの手続きが誰でもできるよう、1つずつ解説していきます。

墓じまいの代行についても紹介しているため、忙しくて自分でできない人は参考にしてみてはいかがでしょうか。

墓じまいをする流れと手続きを5ステップで解説

画像4

全体の流れに沿って、墓じまいで必要となる手続きについて5つのステップで解説します。

墓じまいの流れや手続きと聞くと、一見ややこしく聞こえるかもしれませんが、手順を踏んで手続きを行えばスムーズに終わらせることができます。

後に大きなトラブルに発展しないようにも、正しい流れで手続きを行いましょう。

①関係者の理解を得る
②新しい供養先を確保する
③行政手続き
④墓石の撤去
⑤新しい納骨先で遺骨を供養

手続きについて、1つずつ解説します。

ステップ1:関係者の理解を得る

墓じまいをする時は、親族やお寺の住職にその旨を相談し、理解を得ましょう。
相談をしていないと、後々大きなトラブルに発展するケースもあります。自分がお墓の管理者だからと言って勝手に決めるのではなく、色々な意見に耳を傾け、皆が納得する形で墓じまいを進めましょう。

また、檀家の方は、菩提寺の住職に事前に伝えておくことをおすすめします。
遺骨を別の霊園や寺院に移すのであれば、「離檀」にあたる可能性があるためです。離断とは檀家関係を解消することです。

墓石の処分にはとどまらずお寺との関係そのものを解消したいということですからきちんとこちらの意向を寺院に伝えなければなりません。

中には、高額な離檀料を求める寺院もあり、トラブルに繋がるケースもあります。墓じまいをしてから伝えるのではなく、事前に伝えておきましょう。

関係者との理解不足による離檀や墓じまいのトラブルについては「(事例紹介)墓じまいのトラブルを親族・寺院・石材店ごとに紹介」の記事をご覧ください。

ステップ2:新しい供養先を確保する

画像4

墓じまい後の、新しい供養先を確保しましょう。自分たちがすぐ入りたいと思っていても、霊園によっては募集期間が決まっており、入れないケースも多くあります。

そのため、自分たちに合ったお墓が、募集をしているのか事前に確認しておくと良いでしょう。墓じまいの行政手続きで必要となる「受入証明書」は新しい供養先から発行してもらいます。

ステップ3:墓じまいに必要な行政手続き

画像4

墓じまいの行政手続きは、「改葬許可証」を改葬先の霊園や寺院に提出することで完了となります。

厚生労働省の「墓地、埋葬等に関する法律」によれば「改葬許可証」は、改葬(お墓の引越し)・墓じまいを行う際に法律で必要となる書類です。

改葬許可証の入手に必要な書類
・改葬許可申請書
・受入証明書
・埋葬許可証
・改葬承諾書(※一部条件に当てはまる人のみ)

この許可申請をもらうこと自体はそれほど難しいものではありません。しかし申請時には、今の墓地や改葬先の管理者から書類やサインなどをもらってから提出する必要があります。

また、注意点として行政手続きは、墓石の撤去を行うまでに必ず終わらせておきましょう。改葬許可の行政手続きは、次のような流れで行われます。

役所から『改葬許可申請書』を入手する

改葬先の霊園から『受入証明書』を入手する

移転元の霊園から『埋葬許可証』を入手する

改葬承諾書を入手する(※一部条件に当てはまる人のみ)

役所に書類を提出し『改葬許可証』を入手・提出する

ここでは、「改葬許可証」を含めた5つの書類の受取先や提出先、記載事項、費用まで一つずつ解説します。

ステップ4:改葬許可申請書を役所から入手する

『改葬許可申請書』は、改葬の手続きの際に必要となる申請書です。

『改葬許可申請書』には、死亡者の情報や、改葬の理由、申請者の情報などを書く場合が多いでしょう。

具体的な「改葬許可申請書」の入手場所・記載項目・費用は以下になります。

入手場所
お墓のある市区町村の役所
役所のホームページでのダウンロード

記載項目
遺骨の本籍/住所/氏名/性別
申請者と遺骨の続柄及び墓地使用者との関係
死亡年月日
埋葬または火葬の年月日
改葬の理由/改葬先の場所

費用
無料~1500円程度

※但し、市区町村により項目・様式が異なるため事前にチェックする必要があります。

受入証明書を入手する

「受入証明書」は、お墓のお引っ越し先でもらう新しい墓地で遺骨を受け入れることを証明する書類です。

お墓から取り出された遺骨が、きちんとした施設に納骨されることを墓地側が証明することで、役所は改葬許可を出せるのです。

具体的な「受入証明書」の入手場所・記載項目・費用は以下になります。

入手場所
改葬先の墓地や霊園の管理事務所
ホームページでのダウンロード

記載項目
申請者の住所/氏名と捺印/電話番号
遺骨の氏名/死亡者との続柄/住所
改葬元の住所

費用
無料~1500円程度

※但し、市区町村により項目・様式が異なるため事前にチェックする必要があります。

受入証明書が出せない場合は、墓地契約書などの写しでも確認資料としてくれる自治体もあるようです。

埋葬許可証を入手する

埋葬許可証とは、その遺骨がたしかにそのお墓に埋葬されていたことを証明する書類です。

現在納骨されている霊園や墓地の管理人に発行してもらうことができ、改葬許可を受ける時に必要な書類となります。

具体的な「受入証明書」の入手場所・記載項目・費用は以下になります。

入手場所
民営墓地:運営会社の管理事務所
公営墓地:自治体
寺院墓地:お墓のある菩提寺の住職

記載項目
遺族の墓地使用者の住所/氏名と捺印
現在お墓のある菩提寺や管理事務所、自治体の署名と捺印
遺骨の氏名
埋葬証明書の発行年月日
改葬の理由/改葬先の場所

費用
400~1500円程度

※但し、市区町村により項目・様式が異なるため事前にチェックする必要があります。

改葬承諾書を入手する(※一部条件に当てはまる方のみ)

「改葬承諾書」は、墓地の使用者と改葬申請者が異なるときに発行してもらう承諾書です。

そのため、墓地の使用者と改葬申請者が同じ場合は、発行してもらう必要はありません。「改葬承諾書」は、現在墓地のある霊園や墓地の管理者からもらいます。

具体的な「改葬承諾書」の入手場所・記載項目・費用は以下になります。

入手場所
お墓のある市区町村の役所
役所のホームページでのダウンロード

記載項目
墓地使用者の住所/氏名と捺印
改装者の住所/氏名/墓地使用者との関係

費用
無料

※但し、市区町村により項目・様式が異なるため事前にチェックする必要があります。

記入した書類を提出し改葬許可証を入手・提出する

「改葬許可証」は、必要事項全て記入した『改葬許可申請書』『受入証明書』『埋葬許可証』などの必要書類を持って役所に提出することで発行できる書類です。その書類を新しく入る霊園や墓地の管理者に提出します。

書類に不備がなければ『改葬許可証』をもらえ、役所から改葬の許可が下りたことを意味します。
「改葬許可証」の入手場所・発行に必要な書類・費用は以下になります。

入手場所
お墓のある市区町村の役所

発行に必要な書類
受入証明書
改葬許可申請書
埋葬証明証
改葬承諾書(一部条件に当てはまる方)

費用
無料~300円程度

※但し、市区町村により項目・様式が異なるため事前にチェックする必要があります。

納骨の際は、改葬先の霊園や寺院に『改葬許可証』を提出して納骨します。

ステップ5:墓石の撤去

画像2

墓石の解体工事については石材店に依頼します。

民営霊園や寺院墓地の場合は、石材店が指定されていることが多いのでまずは管理事務所に相談しましょう。

一方、公営霊園や地域の共同墓地の場合は石材店の指定が無いため、自分自身で石材店を探します。
2社か3社程度相見積もりを取ると比較的費用を安く抑えられるでしょう。

また、工事の前には必ず寺院による魂抜きを済ませておきましょう。
墓石には仏様やご先祖様の魂が込められているので必ず魂抜きをしてから墓石を解体しましょう。

遺骨の取り出しはお墓の状況によって、魂抜きの時、あるいは石材店の解体工事の時に行います。

墓じまいの手続きで注意する3つのポイント

役所に出向いても記載不備があれば、帰宅し再度役所に行く手間が発生することがあります。

手間が多くならないよう、ここでは3つの注意点を紹介します。

ポイント1:手続きは墓石の撤去までに終わらせるのがベスト

墓じまいの行政手続きは、墓石の撤去に取り掛かるまでに終わらせておきましょう。

墓石の撤去工事が完了すると、取り出した遺骨は、引き取りに行くか、石材店に頼んで新しく入る霊園や墓地に発送してもらうことが一般的です。

その際、新しい納骨先が決まっていないと、墓石撤去後の遺骨の納骨先がなくなってしまいます。墓じまいの手続きはすぐできるものではないので、事前に余裕を持って墓石撤去の1か月前から書類の手続きを始めておきましょう。

ポイント2:改葬許可申請書は本人の記入が必要

改葬許可申請書は、委任状の有無に関わらず本人の記載が必要となる書類です。

改葬許可証を発行するために必要な「受入証明書」「埋葬証明書」は、委任状があれば代行の方に記載して頂くことが可能となっています。ですが、改葬許可申請書は、本人の記載が必要となるため、忙しい方は事前に記入しておく必要があります。

代行を頼む当日になってから、「やっぱり駄目だった」とならないよう、正しく理解し事前に準備しておきましょう。

ポイント3:改葬許可申請書は遺骨1柱につき1枚記入

改葬許可申請書は1枚のみ提出するのではなく、遺骨1柱につき1枚記入する必要があります。
そのため、お墓にある遺骨の数に比例して記載する紙の枚数も増加します。

役所によっては、1枚の改葬許可申請書に複数柱の遺骨を記載できる仕様もあるため、ホームページから事前に調べておくとよいでしょう。

墓じまいの手続きは代行業者への依頼も可能

近年、墓じまいの手続きを代行する業者が増えています。ですが、費用相場やどこまで業者に依頼すべきか分からない方も多いのではないでしょうか。

実際に、墓じまいの代行業者に依頼できる内容・費用総額は以下になります。

代行業者が行える内容
墓地や霊園の管理者との交渉
自治体への行政手続き
墓石の解体・撤去
遺骨の取り出しや移動/一時預かり

費用総額
16万~30万円

※4つ全てを代行する必要はなく、1つからでも代行は可能です。

この中でも、相談として特に多いのが行政手続きです。

行政手続きは、行政書士法に基づき、他人の依頼で官公署への提出書類の作成や届け出を代行できます。

墓じまいの場合、関係者への連絡や行政手続き、墓石の解体撤去など施主への負担は非常に大きなものとなります。全てを代行する必要はありませんが、少しでも負担を軽減するために改葬の手続きを依頼しても良いでしょう。

墓じまい代行業者について詳しく知りたい人は、「墓じまい代行の流れや費用相場は?費用を抑える方法や注意点を紹介」の記事をご覧ください。

まとめ

墓じまいの流れや手続きは手順や流れを正しく把握すればスムーズに執り行うことが出来ます。継承者や費用の問題などさまざまな理由があると思いますが、自分たちのお墓が無縁墓になってしまわないようきちんと考えて供養をしてあげましょう。

どうしても分からない場合や解決しない人は、一人で悩まず近くの役所や墓じまいの代行業者に頼みましょう。

では最後にこの記事のポイントをまとめます。

~墓じまいの流れ~
①関係者の理解を得る
②新しい供養先を確保する
③墓じまいの手続きを進める
④墓石を撤去する
⑤新しい納骨先で遺骨を供養する

~墓じまいの手続き~
①改葬許可申請書を入手する
②受入許可証を入手する
③埋葬証明書を入手する
④3種の書類を提出して改葬許可証を入手・提出する

~代行業者が行える内容~
墓地や霊園の管理者と交渉
自治体への行政手続き
墓石の解体・撤去
遺骨の取り出しや移動/一時預かり

引用:
本記事は Life.(ライフドット)が公式サイトにて公開している情報です。
引用元の記事:https://www.lifedot.jp/ohaka-jimai-steps/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?