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2022年の怖い話・振り返り③

その日は用事があって、最寄駅から街に出た。帰りは荷物があるのを見越して、自転車を駐輪場に停めた。

数時間後、買い物袋を前後の自転車のカゴに入れて、次はその日の夕飯の食材を買いにスーパーへ寄った。

セルフレジでお金を払おうとしたところで、手元にスマホがないことに気づいた。

スマホカバーにクレジットカードを入れている。やば。

駐輪場の支払いも、スマホに入れている交通系ICで行なっているので、私は多分、ピッと払ってそのまま自転車の前輪側のカゴに投げたのだろう。で、到着したスーパーでは荷物とバッグを持ち上げ、そのままスマホはカゴの底に転がってしまったと思われる。

店員さんに断りを入れて駐輪場に向かった。

予想通り、前輪側のカゴにスマホはあった。

ただ、何故かスマホカバーに備え付けられた指を通す輪っかがカゴに引っかかっていた。

カードリングみたいに取り外しできるタイプだったかなあ。持ってかれないように、親切な人が繋げてくれたんだな。西東京には親切な人がいるもんだなあ…しみじみと感謝しながら外そうとしても外れない。

輪っかの開け方がわからない。徐々に「ありがた迷惑」という言葉が浮かび上がりそうになるのを、必死で打ち消していた。

仕方ないのでスマホカバーからクレジットカードを抜こうとすると、スマホを外さないと抜けない。「ありがため…」おっとダメダメ!…力づくでスマホを外し、内側のポケットに挟んだクレジットカードを抜き取った。スマホカバーは、カゴに繋がったまま。

無事に支払いを済ませて、カゴにスマホカバーをくっつけたまま自転車に乗って帰宅。

ライトを照らしてまじまじと接続部をのぞく。やっぱり、なぜ繋がっているのかわからない。輪っかとスマホカバーが繋がってる部分を切り取るか迷い、カバーももう歪んでいることに気づいて「もういいや!」と、思いっきりスマホカバーを引っ張ってみた。

輪っかは簡単に切れてしまった。素材が脆いもののようだ。でも切れた部分からカードリングのような切れ目に見えない。

通販で買ったものなので、画像から確認しようとしたけど、よくわからない。また購入してみて検証しようかと思うけど、なんだかお金の無駄遣いのような気がして二の足を踏んでいる。

カバーは歪み、輪っかも失ったけど、結局いまもスマホカバーを使っている。致命的な故障はなく、不便はないし。この件が西東京の親切な人の仕業なのか、見えない親切な人の仕業なのか、なんとも確証がなくて困っている。

2022年の不思議な話、おわり。

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