見出し画像

高齢期リハビリのココロエ8 高齢者は自分の能力に目を向けるべし

 運動会の親子競技ですっころぶお父さん、必ずいますよね。あれは自身がもっている運動能力のイメージと実際の運動能力にズレが生じて発生すると考えられます。いわゆる『思ってた以上に足がついていかなかった』状態ですね。25歳くらいまではイメージ通りに動けるのですが、いつしか運動をしなくなり、『いざ!激しい運動!』となったときに老化している自分に気付いてなかったケースは多々あります。
 高齢期リハビリの現場でもイメージと能力の差に気づかずにガンガン動いて転倒する方もおられますし(この場合は能力の過信or病気の症状もあります)、反対に自身を過小評価して『もっと動けるのに』閉じこもり、活動をしない方もおられます。つまり自己イメージと能力の差は、行動の過不足につながっていくわけですね。中でも男性は自身を過小評価する方が多いように感じます。
 わたしの言いたいことは一つです。高齢者は特に『自分のことを知るために動きましょう』です。健常、要介護と色々な状態がありますがまずは動いて自分の能力を自分で確かめましょう。ゆっくり老化していく分には、まだ自分の能力を把握しやすいのですが、老化にプラスして病気になると自分自身の能力がわからなくなります。急激に能力が低下した場合は家族やスタッフに見守ってもらいながら自分自身で何がどこまでできるのかを確認しましょう。安静にしてもだめ、動きすぎてもだめ、自分にちょうどよい活動量や方法が必ずあります。そうやって動くことではじめてイメージと能力は一致します。
 一致することで『ここまでは、わたしはできる』と気づくことができ、行動につながり、心身老化の加速を抑えるのです。
 この考えのあるなしで予後は大きく変わります。いくつになってもどんな状態でも自分の能力に目を向けてくださいね。過小評価も過大評価も要注意ですよ。
 
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?