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がん再発7か月④ 膀胱&前立腺&仙骨切除の手術の全容(入院1日目)

【あらすじ】
41歳で直腸がんと診断され、治療により一旦、『がん』が消失したかに思えましたが、約7か月前に『がん局所再発』しました。「この再発がん、手術は無理でしょう。化学療法でがんをコントロールしましょう。」と言われ、化学療法のみでは2年前後の余命と思いきや、明後日、根治手術ができることになりました。入院1日目。


【ロボット手術】


手術が明後日に迫り、主治医から手術の説明がありました。あっさりした先生からのおそろしい手術の全貌が明らかになりました。

まず、手術は『ロボット支援骨盤内蔵全摘術』『仙骨合併切除術』です。要は『膀胱』『仙骨の上から3番目より下』『前立腺』を全部とる手術です。

前回の『直腸及び肛門切除&人工肛門造設』時もロボットでした。

こんなロボットが手術をするのかな、と半分思っていましたが違います。
『ダヴィンチ』という医療器械を使用して身体に何か所か穴を開けてそこから内視鏡カメラとアームを入れて手術するそうです。

なんといっても『出血量が少ない』『術後の疼痛が少ない』そうです。確かに前回も腹を切られての痛みは少なかったですね。あと、術野が肉眼の15倍、アームは三本、などなど機能満載らしいです。昔、ロボット手術でなく開腹手術の場合は『出血量』が多くて輸血が必要だったみたいですが、今回は輸血がほぼないそうです。

手術時間は『16時間~24時間』、先生はトイレの我慢を強いられるんでしょうかね。

【中止基準とスリーアウト】


ただ中止することもあるそうです。『腹膜播種(お腹の膜に種を蒔いたような癌』の場合は、そっと手術をやめるそうです。

わたしは術中、寝てますが家族は普通に生活しています。中止の際は、夕方頃に電話が家族にあるそうで、その時間を超えると手術は順調に行われているといった感じですね。そのため『夕方、病院からの電話』はスリーアウトの連絡になります。


【合併症は高確率】


合併症確率は10%くらいだそうです。
『死腔炎』は、骨盤内臓器をとっぱらった空間に雑菌が繁殖し膿んで炎症を起こす恐ろしい合併症です。そうなればプラス一か月~二か月コースに突入です。そうならないために『胃』のそばにある『大網』という『脂肪組織』をその空間に埋め込むらしいです。『大網はあんまり役に立ってないので大丈夫』とのことです。『やっぱりイナバ100人乗っても大丈夫』を思い出します。

『腸閉塞』も合併症のひとつです。これはやばかったです。以前の術後になりましたが『気持ち悪さ』『嘔吐』がこの世のものとは思えないほどありました。腸が長時間の手術で動きづらい、あるいはねじれてしまって食物が通過しない、ことで起こります。

『尿路感染症』もしんどいですね。わたしの場合は、腎臓から出ている尿管と腸の一部『回腸』をつなげて『お腹から尿出しシステム』に改造されます。人工肛門との二刀流です。

腎臓と膀胱

この『尿管』はデリケートらしく、触れることで結構なダメージを食らうそうです。この尿路のどこかで感染なりを起こすと尿路感染症の完成です。熱が出ますね。


何事もなく順調に経過すれば一か月で退院です。

【術直後】


そういえば、手術直後のことも聞きました。手術後は管だらけ。ICU(集中治療室)で人工呼吸器、ドレーン(お腹の中の膿など出す管)、点滴3か所(くび・腕二か所)、人工膀胱からの管、麻酔のルートと、ドレーンに至っては10日間はつけっぱなしだそうですね。臓器摘出後の空間になった場所から『膿み』や『水分』を出す役目があります。

うまくいけば、ICUは一日でおさらばです。ICUからおさらば後も一般病棟の『回復室』に入室します。重点的に看護が必要ということですよね。そこは面会OKです。たくさんの管はつきっぱなしですが。

【術前の食事】

術前より、エレンタールという粉薬を水に溶かした液体を毎食250ml飲みます。においは『つけもの』味は『どの味のカテゴリーにも属していない』ものです。数種類のフレーバーをその液体に足して飲みます。マンゴー味とオレンジ味を試しました。効果はまあまあ、ないよりはましです。

もう少しましな入れ物にいれて
フレーバーたち


【便をぶちまける】


入院初日(手術前々日)にマグコールという『下剤』を飲みました。ポカリスエットのようで飲みやすかったですね。ただ、効きまくります。

エレンタールよりおいしい

夜中にパウチ(人工肛門から出る便を受け止める袋)が水容便でパンパンになり、あわててトイレへ。便器で便を捨てる際に失敗し、便器の周りに水便をぶちまけました。しばらくぼーぜん。我に返り、トイレットペーパーで20分ほど拭きました。その際にペーパーでトイレを詰まらせました。看護師さんに報告(ちょっとくらい手伝ってほしかったな)入院一日目からろくなことございませんでした。


【目にパワーみなぎる看護師さん】


目にパワーを宿した容姿端麗な看護師さんが担当になりました。頼りになりそうです。『術後のサポートを全力でいたします』と安心感をくださいました。第一印象で安心感と期待感を与えられる医療職って大事だな、と感じました。

家から一時間

病室からエキスポシティや太陽の塔が見えますよ。ドリカムの『大阪Lover』が脳内再生します。

大阪のビル街やあべのハルカスまで見えます。みんな学校行ったり、仕事したりしている中、入院中。



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