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【高校野球本紹介②】「オレたちは『ガイジン部隊』なんかじゃない〜野球留学生ものがたり」

こんにちは。「高校野球と共に生きる」です。

菊地高弘さん「オレたちは『ガイジン部隊』なんかじゃない〜野球留学生ものがたり」を読みました。

取り上げられている8校はこちら。

県外選手を中心に集めて甲子園を目指す球児と、受け入れる学校や地域にフォーカスした一冊です。取り上げられるのは、八戸学院光星(青森)、盛岡大付(岩手)、健大高崎(群馬)、帝京(東京)、滋賀学園(滋賀)、石見智翠館(島根)、明徳義塾(高知)、創成館(長崎)の8校。さらに熊本・秀岳館を率い、現在は県岐阜商の監督をされている鍛治舎巧さんのインタビューも載っています。

野球留学は悪なのか?

えてして地元からの支持も低く、ネットではガイジン部隊、大阪第2代表などと揶揄されがちな高校にあえて足を運び、監督や選手の声を丁寧に拾い集めた一冊です。表層的に語られがちな状況に一石を投じ、実態を深堀りしていくと、当然ながらそこには他校と変わらず、いやある一面ではそれ以上に純粋かつ切実に甲子園を目指す人々の姿があります。簡単に“野球留学生”という一言に収れんさせるべきではないということがよく伝わる一冊です。

明徳義塾・馬淵監督の言葉。

明徳義塾高校の馬淵監督の言葉が非常に説得力がありました。

「勉強で鹿児島ラ・サールに行っとるのに、『鹿児島の子がおらん』と言われるようなもんや。勉強ならよくて、スポーツならあかんのか。(中略)それだけの魅力があるということでしょう。魅力がなかったら行かないですもん」

確かに。自分自身はこのあたりの偏見はないですが、地元鹿児島ではかつて鹿実や樟南ではなく神村学園が頭角を現してきた際に似たような議論があったのを覚えています。グローバルが叫ばれる時代に県境をまたいだくらいでガタガタ言うなよと。この高校で甲子園に行きたい、この指導者のもとで野球がしたい、そういう球児の意志こそ最大限尊重されるべきだと思います。

地元愛が強すぎるゆえに、つい郷土出身校に肩入れしてしまう気持ちは分かりますが、少しでもそういう偏りが自分にあると思う方はぜひ読んでみてほしいです。

「高校野球と共に生きる」は、懸命にプレイする球児たちを、どんなときも応援しています。

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