【観戦記】福岡地区高校野球大会2022
こんにちは、「高校野球と共に生きる」です。
本日、第9回福岡地区高校野球大会が全日程を終了しました。優勝は筑陽学園、準優勝は福岡大大濠という結果でした。今年は比較的多く観戦することができたので、 簡単な総括を兼ねて久しぶりにnoteを更新することにしました。どうぞお付き合いください。
そもそも「福岡地区大会」とは?
まず大会を振り返る前に、この福岡地区大会とは何ぞや?というところを簡単に紹介しておこうと思います。福岡では、春季県大会終了後すぐに、福岡県内を北九州地区、福岡中央地区、福岡地区、筑後地区の4エリアに分けた公式戦が開催されます。福岡地区大会には福岡市内とその近郊都市(春日、筑紫野、大野城、太宰府、糸島あたり)の高校が出場します。
センバツに出場した高校と春季大会の決勝に進んだ2校(今年でいえば、九州国際大付属、西日本短大付属、小倉工業)はそのまま九州大会に進むため出場しませんが、それ以外の高校はこの各地区大会で実戦経験を積むことになります。
秋春夏の県大会に比べると注目度は低くやや地味な存在ですが、夏の大会のシード校を決定する最後の公式戦でもあるため、シードポイント獲得合戦という意味での真剣勝負が繰り広げられます。高校野球ファンの目線でいうと、夏の甲子園に向けた各チームの戦力チェックの場としても注目の大会で、特に入部したばかりの新1年生から面白い選手を発掘できるのも醍醐味だったりします。また季節的にも寒くもなく暑くもなく、野球観戦に向いているシーズンの大会です。
【現地観戦試合】8試合はこちら
■2回戦:春日 5‐2 福岡工
■2回戦:筑紫 10‐5 筑紫中央
■2回戦:中村三陽 20‐6 福岡常葉
■2回戦:沖学園 11‐2 福岡講倫館
■3回戦:福岡大大濠 11‐7 沖学園
■準決勝:筑陽学園 5-0 九産大九州
■準決勝:福岡大大濠 3‐1 福工大城東
■決勝:筑陽学園 5‐1 福岡大大濠
今大会は上記の8試合を観戦することができました。その中から、いくつか気になったチームをピックアップしたいと思います。
筑陽学園、ソツのない野球で大会2連覇。
まずは優勝した筑陽学園。昨年もこの福岡地区大会で優勝しており、2連覇ということになります。準決勝は盛田くん、決勝はエースの木口くんがそれぞれ完投。ゲームを作れる投手を複数育ててくるのが毎年の筑陽学園の特徴ですが、今年も安定感があります。特に2年生の頃から活躍している木口くんは、スリークォーター気味のフォームから繰り出す直球の威力がさらに増しており、大濠打線を散発6安打1失点に抑える好投を見せました。
攻撃陣も派手さはないですが、1番高倉くん、2番網治くんなど俊足好打の選手を揃え、犠打や足を絡めて確実に得点を重ねていきます。準決勝と決勝の2試合で3塁打が5本、送りバントが10本(失敗なし)というところにチームの特徴が表れているように思います。
福大大濠の不思議な左腕・森本くん。
続いて準優勝の福大大濠。友納くん、山下くん、北嶋くんなど、昨年のセンバツを経験した選手も多く残り、今年もタレントが揃っています。エースナンバーは2年生右腕の松尾くんが付けていますが、今大会最も安定していたのは左腕の森本くんでしょう。決して目を見張る球速があるわけではないですが、変化球で緩急をつけるのが抜群に上手く、つかみどころのない投手という印象です。自分が観戦した3試合にはすべてリリーフで登板しましたが失点ゼロ。いつエースナンバーを奪い返してもおかしくない投手です。
大濠は今大会、松尾くん、森本くん以外にも多くの投手を試していました。藤村くん、若田部くん、小峰くん。中でも今日の決勝で9回に登板した鯉川くんは今後に注目したい投手です。
打者では2番の吉田くんが印象に残りました。体格もがっしりとしており、3回戦、準決勝でホームランを記録。いわゆる2番打者最強伝説を実践しているパワーヒッターです。
実力拮抗、九州、城東、沖学園、春日。
その他では、準決勝で敗れたものの、九産大九州と福工大城東も投手陣に安定感があり実力を感じました。また、沖学園や春日も印象に残っています。沖学園の打線は、一度打ち出したら止まらない迫力がありました。春日は昨年から活躍していた左腕の飯田くんが故障の中、1番を背負った右腕の熊本くんも力のある球を投げており、春季県大会ベスト8の福岡工に快勝。左右のエースが揃う夏は、また面白い存在になるのではないかと思います。
大敗してしまいましたが、ベンチ入りメンバー9人ちょうどだった福岡常葉高校の戦いぶりも印象に残っています。野球人口が減っていく中で、1校だけでチームを作るのが難しくない時代です。今後も怪我なく夏を迎えてほしいと思います。
夏の福岡大会を制するのは?
ということで、簡単にですが今年の福岡地区大会を振り返ってみました。公式戦としては、夏の大会を残すのみです。現段階ではセンバツベスト8の九国大付、春季九州大会準優勝の西日本短大付の2校が少し頭抜けた感がありますが、毎度のことながら大本命不在・レベルの拮抗したチームが多い福岡の高校野球。福岡地区以外にも、東海大福岡、飯塚、真颯館、折尾愛真、小倉工、東筑、柳川、大牟田など実力校がひしめき合っており、どこが甲子園に行ったとしてもおかしくはありません。選手の皆さん、最後まで悔いの残らぬよう、残り2カ月レベルアップしていくことを期待しております。
「高校野球と共に生きる」は、懸命にプレイする球児たちを、どんなときも応援しています。
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