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【高校野球本紹介①】『あの夏の正解』/早見和真

こんにちは。「高校野球と共に生きる」です。

早見和真さんの『あの夏の正解』という本を読みました。

この夏に文庫版も出るそうです。

2020年夏、コロナ禍で夏の大会が中止になったあの年、愛媛の済美高校と石川の星稜高校の野球部を追いかけたドキュメンタリーです。あの夏の球児の気持ちを記録したいという気持ちは、私も少なからず理解できます。

あの夏の当事者となった選手や監督たちの苦しみや迷い、そして喜び。その最中にある生身の率直な言葉が記録されていて、そのどれもが切実で説得力があります。改めて、今当たり前のように高校野球の試合を楽しめる現実のありがたみを思い出させてくれる本です。

この本の中にも出てくる星稜と履正社の試合、私もスコアを付けていました。内山くんの最後のレフトフライ、その時の気持ちを知ることができました。

著者の早見さん。選手や指導者に寄り添いつつ、マスコミが好むような安易な美談にすまいという抑制も効かせつつ、その自制の先に書き手側の“人間”がどうしようもなく浮かび上がる。僕はそういう文章が好きです。スポーツには、そういう力があると思います。だから私は、球場に足を運ぶのです。高校野球ファンの皆さんに、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

「高校野球と共に生きる」は、懸命にプレイする球児たちを、どんなときも応援しています。

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