ツンデレ少女

娘が生まれてからというもの、
一人で出張に行ったことは初めてのこと。
つまり、1日以上顔を見なかったことは今回が初めて。
寂しがってんだろうなと、うだるような暑さの中、家路を急ぐ。

「ただいまー!」

到着は夕方の6時。
昨日の11時に別れたから、実に31時間ぶりの再会。

「あっ、パパ帰ってきたよ」

という妻の声。
玄関までトタトタとやってくるかと思ったら、静かなまま。

「ただいま!」

改めて娘にご挨拶。
娘は妻のお膝の上でなにやら新しいおもちゃをいじっていた。
僕のことはちらりと振り向いて一瞥。
そしてまたおもちゃをいじり始める。
感情などおくびにも出さない。
僕の期待はあっけなくスルーされた。

「ご飯の用意するからこまと遊んでて」
と妻。

久しぶりの再会だというのに、
全く意に介さずに遊び続ける娘。

「なんだよ、寂しくなかったのかよ〜」

娘の後ろにごろんと横になると、
娘がてくてくとやってきて、
僕の胸の上に乗っかる。
そしてぎゅーっとする。

「あらら?どうしたの?」

と言うと、今度はちゅー。
そしてまたぎゅー。
寂しかったんじゃん、嬉しかったんじゃん。
完全にツンデレ。

一体どこで覚えたのか。
天然でこれやっているとしたら、将来有望です。

※この内容は2015/8/4に書いたものです。

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