【詩】青い人形
目を瞑って
静かな水面に浮かぶ
波紋は誰かに響くように
呼吸を続ける
聞こえてくる静寂のメロディー
青い空に浮遊して
落ちる雫はスローモーション
雲間から陽が差し込み
僕の頬を照らす
温かさを感じるけど
命をどこかに落としてきたから
動けないままでいる
木々は歌い始め
ピアノのような雨が降る
目に当たってこぼれ落ちるそれを
涙と見間違えてくれないか
僕は青に溶けていく
誰も歌わなくなったそれを
心の中で反芻する
顔も思い出せないまま
最後に少し悲しい表情をして
青い人形、僕は、消える
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