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わたしに愛をおしえてくれる、あなたへ

わたしにとって家族は大切で、たしかに愛されてきたと思っている。

だけどそれと同時に、なぜだか「いい子」でいないといけないという意識がずっと強くて、幼い頃の情緒不安定さはどこかにおいて、親を困らせない優等生であり続けたわたしに、愛を教え、気づかせてくれたのは生まれ育った家族以外の存在でした。

そのうちのひとりが、9歳のともだち。

まわりに対する不安や大人に対する不信感がちょっぴり大きくて、学校にいっていない女の子。だけど、自分よりもまわりのひとを優先しちゃうくらいやさしくて、その明るさで笑わせてくれる大切なともだちです。

琥珀糖をつくりたいという彼女のリクエストを受け、わたしの住んでいるシェアハウスで遊ぶことにしたとある日。その日、送ってもらった車から降りるときからすでに号泣していたようで、泣き顔のまま彼女は家へやってきました。

「今日は無理かも〜...楽しみにしていたのに、ごめんなさいー...!」と泣きながら謝る彼女。「今日は不安が強いみたいで…」と申し訳なさそうなママ。

「そういうこともあるよね〜。大丈夫だよ〜!」と彼女に声をかけながら、自分が泣いていていっぱいいっぱいなのに、わたしに気遣って謝っている姿に心がキュッとしました。

泣いてる彼女が早く落ち着けたらいいなというそわそわした気持ちと同時に、わたしと過ごす時間をとても楽しみにしてくれているということを目の当たりにしたことでうれしさも感じて、泣いている彼女を前に複雑な気分。

ただ、「今日は帰る?」というママに対して、「...遊ぶ。」と泣きながらお家に入ってきて、「今日は琥珀糖つくったら帰る?」というママに「あっちゃん(わたしのあだ名)とご飯食べる!」と言い返した彼女。結局そこからは落ち着いて、あとは終始笑顔でいつもの明るい様子でした。

ベタベタする〜と言いながら、琥珀糖づくり
おもいつきでつくったべっこう飴は、光に透かすとキラキラと綺麗

彼女といると、わたしが普段は触れないようなことに取り組むきっかけをたくさんもらえて、「いい子でいないと」と取り繕っていなくても、わたしと過ごす時間を楽しいと言ってもらえる。そこから得ているものは、わたしにとってすごくすごく大きなものだなぁと感じています。

それは言葉にすると照れくさいけど、「愛」なんだろうな、と。

彼女からのプレゼントが詰まった手紙

記憶の限り、決定的な何かがあったわけじゃない。だけど、何かが自分のなかでしんしんと積み重なった結果、そのままの自分に価値があるとも思えず、自分のことが好きだとも思えない。だからこそ、それが求められているか否かにかかわらず、無意識のうちに背伸びしつづけて生きてきた。
(このことに気づいたときは衝撃だったけど、それはまたべつの話。)

そんなわたしが、彼女の前では肩の力をぬける。そして、等身大のわたしに対して、彼女がまっすぐに愛を渡してくれる。

わたしは、彼女に愛を教えてもらったと思っています。

彼女と過ごす時間は、宝物

彼女の不安が強いという話はママから事前に聞いていて、今回も何か特定の理由があったわけではなさそうだったけれど、彼女がちょっとずつ自分の不安とうまく付き合えるようになったらいいなぁ、彼女がママ以外の人と安心して過ごせる時間と場所のひとつにわたしもなれたらいいなぁと思う。

彼女からもらっているたくさんのものを返せるひとであれれば、と願う。


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