見出し画像

美術館を巡るドイツ旅行記 〜はじめに〜

 6月29日から7月5日まで、約一週間を使ってドイツへ行ってきました。目的はケルンのルートヴィヒ美術館で開催されたジグマー・ポルケ没後初の大回顧展。ポルケの回顧展「ALIBIS: SIGMAR POLKE 1963-2010 RETOROSPECTIVE」は、2014年にニューヨークMoMAに始まり、ロンドンのTATEを経て、最後にこのケルン・ルートヴィヒ美術館へ巡回。鑑賞するには最後のチャンスというわけです。

 ジグマー・ポルケと聞いてピンとくる方はどれくらいいるでしょうか?今でこそ評価が固まってきたかもしれないですが、現代絵画に対してちょっとマニアックな興味がないと、日本で知名度が高いとは言えない画家でしょう。ポルケと活動を共にしていたゲルハルト・リヒターなら、まだ美術予備校生でも知っているかもしれないですね。リヒターに比べれば見た目に分かりづらく、情報も少ない、謎の画家。それがジグマ―・ポルケなのだ。

 2010年に逝去したポルケですが、2002年に第14回高松宮殿下記念世界文化賞を受賞し、2005年10月に上野の森美術館で個展「シグマ―・ポルケ展 〜 不思議の国のアリス」を開催、来日講演も果たしています。しかし、2005年、僕はまだ高校1年生。なんと美術館前を通ったにも関わらず、「何だこれは、よく分からん…」とスルーしてしまったのだ…!

 そうこうしてポルケに出会い直したのは2010年ごろ。知人に紹介されたり、林道郎氏『絵画は二度死ぬ、あるいは死なない』5巻を読み、その謎の存在に引きつけられるようになりました。日本での個展を見そびれた後悔と、”絵画の錬金術師”と称されるポルケの作品の実物見たさ。ずっとこの気持ちが膨らみ続けてきた自分としては、この回顧展は反応せざるをえなかったというわけです。今後日本はおろか、国外でも作品を集中して見ることのできる機会は当分ないだろう…。と、いうことで、思い切って休みをもらい、1週間のドイツ旅行を決行したのでありました。。

 前置きが長くなりましたが、今回はこのドイツ旅行をレポートしようと思います!ちなみに、海外旅行にひとりで行くのは初めて。。ドイツは2012年春にベルリン→ミュンヘンを回って以来2度目(その時のレポートもまったくできていないが…)。計画をたてる上ではもっとフランクフルトやハンブルグ、ベルリンなどまで足を伸ばそうか、という案も浮かびましたが、とにかく不安要素が多かったので、またいつかドイツに来ることになるだろう…と涙をのみ、目的地をデュッセルドルフ近郊に絞りました。結果を言えば、実質4日間で10箇所以上の美術館やギャラリーを巡ることができ、なかなか達成感のある旅行となりました。

 日程は以下の通り。

1日目(6/29):日本出国、スキポール空港乗換え、ドイツ着

2日目(6/30):ケルン滞在
ローマ・ゲルマン博物館 / ルートヴィヒ美術館

3日目(7/1):ケルン滞在
ラウテンシュトラウフ・ヨースト博物館 / シュニュットゲン美術館
コロンバ美術館 / ヴァルラーフ・リヒャルツ美術館

4日目(7/2):デュッセルドルフ滞在
ケルン大聖堂 / K20 / クンストハレ

5日目(7/3):デュッセルドルフ滞在
クンストパラスト / K21

6日目(7/4):ドイツ出国、スキポール空港乗換え
7日目(7/4):日本着

 だいたい6記事ほどに分けて、写真付きでレポートさせていただきたいと思います。ちなみに上記のように僕は専ら美術館を回ることにしか関心がないため、街並みなどの綺麗な景色や聖堂・古城、ショッピング情報・グルメ情報などに過度な期待をしないでください…wそのかわり、美術館で撮影した作品はたくさん載せたいと思っております。

ではでは、次の更新をお待ちください!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?