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たとえ道のりがどんなに遠くても - 思考することを辞めてはいけませんよ
子供の頃『頭の体操』っていうクイズ集みたいな本があって、それがわたしもわたしの弟も大好きでお互いにひっかかりそうな問題をみつけては出し合ってました。
その中でひとつ印象的なクイズがあったのを覚えています。
1分間に1回分裂する細胞があります。この細胞を1つ瓶のなかに入れておくと、1時間でその瓶がいっぱいになりました。では、この瓶を半分満たすのにかかる時間は何分でしょう?
細かい表現は違ったかもしれないですが、確かこんな問題だったかと思います。
1時間でいっぱいになるのだから半分満たすのにかかるのはその半分の30分じゃないのか!?って連想させるひっかけ問題なわけです。わたしは小学校のころこの出題者の意図にまんまとひっかかり「30分!!」と答えたのを覚えています(笑)
答えは59分です。瓶がいっぱいになる1分前です。
先日、これとおなじ問題をある思想家の本のなかで再び目にしました。問題の意図はクイズではもちろんないのですが、思い出のクイズだったものでとても懐かしくまたとても親しみを持って感じられました。
サーカーというインドの思想家なのですが、その言葉も紹介したいと思います。
彼が言うには、思想の広がりもこの細胞分裂のようなものだと言うんです。世の中に思想が広まるにはとても時間がかかります。一方で、その思想が全世界に完全に広がるとき、その達成のほんの30分前であってもわたしたちは自分たちがどれだけゴール直前にいたかということに気づけないだろうというのです。
細胞が瓶の半分を埋めるのにかかる時間が、瓶をいっぱいにするたった1分前であるかのように。達成の瞬間はまさに一瞬のうちにやってくるだろうと言います。
だから、どんなにゴールが果てしなく見えて、どんなに自身の活動がちっぽけに思えても、思考することを辞めてはいけませんよ、と。
りなる
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